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『池袋チャイナタウン 都内最大の新華僑街の実像に迫る』池袋北口に日本の未来がある(環境研究)
海外からの移民が日本に浸透するようになると、次に出現するのはエスニック・セグリゲーションだ。例えば、中国人の観光商店街である横浜中華街、埼玉県の蕨市のクルド、海外だとパリのマレ地区やサウンフランシスコのチャイナタウンなど、ひとつの民族がコミュニティーを形成することをエスニック・セグリゲーションと言う。セグリゲーションを調べていくと、チャイナタウンの専門家として山下清海さんが浮かびあがる。本書によると、日本にある横浜、神戸、長崎の三大中華街は日本人が中華料理を味わうための観光地だが、池袋の北口は、中国人のためのチャイナタウンで、料理の味付けも中国の味そのもの。犬肉や蚕の蛹も食べれる、都内最大の新華僑街という。観光化されているわけではないので、料理店などはほとんど雑居ビルの中にあり、分かりにくい。
1978年の改革開放以来、上海や福建省から少数の選ばれた人が日本に留学。池袋周辺には日本語学校が多数あり、飲食店も多いのでアルバイトにも恵まれ、駅から徒歩圏内に格安アパートも多いことで、池袋北口にセグリゲーションができたようだ。世界各地のチャイナタウンには共通の形成パターンがある。南米、アフリカ、ロシアなどでは、自国の安価な商品を仕入れて現地で売るブローカービジネスからはじまる。欧米の先進国では、新華僑が経営する中華料理や新華僑を相手にした商店などからはじまり、次の段階で同胞だけでなく、現地の人たちも惹きつける店が増え、チャイナタウンはさらに発展する。
就学ビザは取得しやすいので、まずは就労学生として来日するケースが多いようだ。コンビニなどで働く外国人のほとんどは学生なので図式は同じだが、さらに現在は技能実習生や特定技能人材も入り混んできているので、今後はエスニック毎に棲み分けられたセグリゲーションができるのだろう。池袋北口は日本の未来のプロトタイプともいえる。
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