『新・中華街 世界各地で〈華人社会〉は変貌する』杏仁豆腐は日本に来てはじめて食べた中国人がほとんどとは驚き(環境研究)
先週日曜日に訪れた池袋北口(池袋西口側地下街の北寄りの途上出口が北口)の「池袋チャイナタウン」の名付け親、山下清海さんの著書。「池袋チャイナタウン ~都内最大の新華僑街の実像に迫る 〜」の後に出版されたもので、池袋北口だけでなく、横浜中華街などの歴史と、世界各国の中華街の現状と歴史をまとめたもの。人文地理学の専門家で、世界地各地のチャイナタウンをフィールドワークとしているのが山下清海さんだが、先週読了後レビューを書くのを忘れ、池袋北口に行ってしまったほど、面白い本だ。
華僑を1972年の改革開放前の老華僑と、その後の新華僑に分け、横浜中華街の現在のように、老から新への新陳代謝の中で起こる「新華僑 vs 老華僑の対立」、あるいはエスニック・セグリゲーションの最終形(第2段階)に移行しようとした池袋チャイナタウンの「新華僑 vs 地元商店の対立」(エスニック・コンフリクト)など、近未来の日本を見通す非常に興味深い事象をリアルにまとめてある。
やはり、チャイナタウンのコア・コンピタンスは「食」であり、他の黒人街、ユダヤ人街、イタリア人街(リトルイタリー)、日本人街(リトルトーキョー、日本町)、韓国人街(コリアタウン)、ベトナム人街(リトルサイゴン)、ギリシア人街(グリークタウン)、キューバ人街(リトルハバナ)とは違い集積化して観光化する要素が高い。しかも地元の食材を活用し、変幻自在に現地化できるのが中華料理なのだ。それにしても知らなかったのは、杏仁豆腐は日本に来てはじめて食べた中国人がほとんどらしい。
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