『発想の法則 物事はなぜうまくいかないか』システムは、システム人間を引きつける(システム工学)
この本は、今のDXブームや某銀行のシステムの問題など、大規模なシステムがうまくいなかい法則として有名な「ゴールの法則」を作り出したジョン・ゴールが著者で、ペンシルロケットという単純な「計測システム」を作り出した糸川英夫氏が監訳となっている。
上記のゴールの法則を含めた「物事はなぜうまくいかないのか」という難題に取り組んだ思考プロセスがまとめられている。この本にあるゴールの法則を含めた数々の公理を彼は「シスマンティックス」と命名した。これは、SystemとSemanticsとAnticsを合成した造語だ。以下はシマンテックスの公理のほんの一部。
これらの公理は、全部で「32」あり、それぞれに解説が施され、なるほどと唸ってしまう公理もある。例えば、「4)システムは、システム人間を引きつける」では、システムを作ると、寄生人間がくっついて、システムが生き残る限りただ乗りしたり、ただ飯を食い続けようとする。そして、審査委員会とか、査察委員会、競争試験などで寄生的「システム人間」を排除しようとしても、寄生人間のために新たな職を儲けるだけだ、と。
しかし、古代エジプトではニ重官僚制度でこれを回避しているとある。そうやって書かれると、古代エジプトの官僚制度を勉強してみたくなってしまう。なぜなら、役人のルーツはエジプトの記録係を指すことも含め、人間に対する洞察からの組織が作られていたと推察できるからだ。
ジョン・ゴールの経歴にはこう書かれている。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。