『令和二年、雨天決行』を聴いて
拝啓
初冬の候 師走を迎え、冬枯れの厳しい寒さが続きます。
大陸よりのビールスもあり、なにかと忙しいこの頃でございます。
お元気でしょうか。
amazarashi『令和二年、雨天決行』は、いつも通りのamazarashiらしい、飛行機の離陸直前のような一曲目に始まり、酒も回った二曲目、終わりが見えてきたけれども飲み続ける三曲目、そして二日酔いとともに迎える四曲目と、これから未来の嶮しさ滲み溢れる五曲目とで、構成されておりました。
ただ、amazarashiはいつも通りでも、「令和二年」はいつも通りではなかったのでございます。
私にとって特に三曲目「馬鹿騒ぎはもう終わり」は、古いSF映画のような、妙に現代の土着的な生活感を、鼻元に漂わせてくれました。
17歳、青春、酒と少々乱れた性生活や、それらに付随する不安定な精神状態を指の上のコインのように弄ぶことは、もう終わりました。私の場合、それはただの過去ですが、此度のビールス騒ぎで、本来はそれぞれの人生において上記のような事柄をもっと享受できたかもしれない人々が、それらを終わらせざるを得なかったであろうことを思うと、それが当人の人生にとっては正解だったとしても、何かその本人以上に、私は寂しい思いを感じるのです。
続いての「曇天」は、我々のこれからを占っているような気がします。
この歌は、我々の今後の選択によって実現しうる、もしも我々が此度のビールスに負けたら、という場合の世界から届けられたような、そんな気がしてならないのです。
「積み木」「東京」は聞かれましたか?
当時のそれとは、やはり違いましたね。これがせめてもの、今年の答えとなるのでしょうか?
次の年末年始は、令和二年が終わり、令和三年が始まるだけには、収まらないでしょう。
少しでも、お身体に気をつけて、年越しの準備をお進めください。
あんたへ
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