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冷蔵庫を開けるには許可がいる

わたしの家の冷蔵庫は、勝手に開けてはいけなかった。
許可をとり、開けて良しと言われなければ当然ながら、開けてはいけない。
開ける際も一瞬で必要なモノをとり、一瞬で閉めなければ次回は開けさせてもらえない。
電気代がもったいないそうだ。
開ける時は監視され、ひどい時はタイムを計られた。

冷蔵庫を開けたい時は飲み物をとる時だけだ。
飲み物は牛乳しか選択肢がなかった。
牛乳だけはいくら飲んでも何故か怒られなかった。
牛乳は体に良いと言うことなのだろうか。
今では牛乳が嫌いだ。

友達の家で友達が冷蔵庫を勝手に開けているのを見て冷や冷やしたものだ。


母は冷蔵庫の配置や数を完全に覚えていた(今思えば覚えていたつもりだった)
わたしが少しでも許可なく開けたと思えば怒号を浴びせられる。
しかし、身に覚えのない事も度々あった。

中学生の時、学校から帰宅した瞬間、本当に玄関を開けた瞬間に茶碗を投げつけられ、それが肘に当たり傷が残った。
理由は、冷蔵庫にあったバナナが1本無くなっていたから。
わたしはバナナが冷蔵庫に入った事すら知らなかった。
ずっと玄関で茶碗を待って帰ってくるまで待っていたのだろうか。
うーん、他に時間使うことなかったのかなぁ。

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