気がついたらトリリンガルになっていた
ドイツで現地就職して9年が経った。これまでドイツ人の同僚に囲まれて仕事をしてきたこともあり、今ではほぼ問題なくドイツの文章も理解し、会話もできるようになった。
最初の方は新しい分野をドイツ語で覚えるという状況にかなり苦労したが、その段階も過ぎ、物事をドイツ語で考えることに苦労しなくなっていった。
その時ふと思ったのが、自分は世間からみるとトリリンガルなのだということ。英語も大学の時にかなり集中して勉強しTOEICも330点から930点まで上げ、そのおかげで大学院を休学し、ドイツでインターンシップをすることができた(そのインターンシップ先で現在正社員として働いている)。なので英語でのコミュニケーションは一応できる。
日本で育ち、英語も話せなかった大学3年生の頃までは、英語を話せるだけでも夢のようであり、ましてや3カ国語を操るトリリンガルなんて考えたこともなかった。そのトリリンガルになった今、自分がトリリンガルになったと意識することは全く無かった。
なぜだろうか。
おそらく、ドイツに住み、3ヶ国語、4ヶ国語を話す同僚がまわりにかなりいるからだと思う。ドイツは他の国からの移民や、移民の2世などが多く、母国語プラス英語、ドイツ語を話せる人が多い。同僚にもクロアチアやハンガリーから子供の時にドイツに来てドイツで育ち、母国語、英語、ドイツ語を操る人たちがいる。そういう環境にいるせいで、自分がトリリンガルと意識することは無かった。
自分の感覚では、日本語が脳のある一部で考え、ドイツ語か英語で考えるときは日本語を使う時に使用する脳以外の部分で考えている感じである。つまり、ドイツ語と英語が同じ区分に分類されていて、ごちゃまぜになっている感じ。なので、ドイツ語を話している時に、英語に切り替えると英語の文章にドイツ語の単語を混ぜてしまうようなことをしてしまう。
これは困った。
子供の頃から3ヶ国語を使っている人なら、もしかしたらこういうことは起こらないのかもしれないが、二十歳前後から2カ国を習得した自分は、日本語以外の言語が、しっかりと分けて使いにくくなってしまった。
日本語と英語はかなり違う言語なので混ざることは少ないが、ドイツ語と英語は、日本語と英語ほど違う言語ではないので、そういうことが起こるのかもしれない。
今後は、どうやってドイツ語と英語を切り分けて、頭の中で思考できるようにするかが、課題だ。
Tschüss!