創業期スタートアップに2年いてわかった働き方に対する「気づき」
Turing株式会社でリサーチャーをやっている井ノ上です。Twitterアカウント、いのいちです。
今日は創業期のスタートアップで2年働いた自分なりの働き方に対する「気づき」を言語化しようと思います。
まずはじめに、少し自己紹介。
私が働いているTuringは完全自動運転EVの量産を目指すスタートアップです。Turingの創業は2021年の8月20日に創業し、私はその1ヶ月後くらいから開発に関わってきました。なので気がついたら、かれこれ2年くらいお世話になっています。
入社してからはほんとにいろんなことに取り組んできました。カメラの入力のみを使ったEnd-to-endの自動運転AIを作って敷地内をぐるぐる走らせたり、公道走行の実証実験を行い、THE FIRST TURING CARの開発に携わったり。最近だとLLM x 自動運転のデモのお手伝いもしました。最近はリサーチチームの立ち上げも行っています。
たくさんのプロジェクトに関わってきて、予想以上にうまくいったものもありますし、難しくて諦めなくてはならないことも経験しました。個人的にも予想以上に力を発揮できたこともあれば、うまく立ち回れずに迷惑をかけてしまったことも多々ありました。
2年働いて気づいたこと
スタートアップのスピード感の中でさまざまな環境、さまざまなプロジェクトで気づいたこと。
それは「どうやって課題を解くか」だけが仕事ではないということです。
それはそう、という結論ではあります。学生時代は実装や分析よりの業務がメインだったので、仕事といえば実際にコードを書いたり、検証したりして問題を解いていくことでした。Turingに入った当初はその方面からしかプロジェクトを捉えられていなかった気がします。
大切だったこと
もちろんどうやって課題を解くかはとても重要で、ここが弱ければどうしようもありません。それに加えて、大切なと思ったこと、これからもっと身につけていきたいことを書いていきたいと思います。
優先順位を決める
今何をすべきか。今どうすべきか。一番ネックになっているのはなにか。会社にとってクリティカルなものはなにか。この課題ができたらどうなるのか。こういったことを考えながらとにかく優先順位をつけていくことが大事だと感じました。
タスクに取り組んでいるときや実装している時は視野が狭くなりがちです。集中するという意味でそれはとても大事なことですが、定期的に落ち着いて優先順位を問い直す必要があります。特に、スタートアップは状況が良い意味でも悪い意味でも毎日変わるので、一歩引いて今やってることを見つめ直すのは大切だと感じました。
そして、必要なら大きく変える決断をすることも大切です。
うまく状況を整理して会社にとって何が重要なんだっけ?から考えて優先順位を決めることできたおかげで達成できたプロジェクトもありました。逆に視野が狭くなって状況を悪化させてしまったこともありました。
プロジェクトのリーダーやマネージャーの方、そして経営陣は優先順位付けがとても上手に感じます。積極的に身につけたい能力です。
必要な人と話す
Turingのように大きな挑戦をするには個の力では絶対に無理です。とにかく人を巻き込んでいく必要があります。社内、社外ともにです。
複数のチームが関わってきたり、協力会社の方と一緒に仕事をする時など、とにかく話すことが大事なシーンが多かったです。書面やチャットのやり取りではどうしても伝わりきらないニュアンスやモチベーションがあります。タイプの違うチームやグループ、会社間ではコンテキストが全く違い、言葉が通じていないことも往々にして発生します。大事なポイントでは粘り強くコミュニケーションを行うことが大事だと感じました。
この点についても、私は明らかに得意ではないし、これまでもできていたわけではないです。ここに関しても、会社の中にはほんとに上手に進めている人がいて、そういった人たちの姿を見ながら日々勉強しています。
もう少し軽い感じですが、雑談もけっこう重要だと感じています。
Turingは基本出社なのですが、話すという意味で出社は間違いなく最強です。チーム内での軽い相談から、昼食時に別チームと話したり、Coffee spaceで唐突に経営陣の方と話したり。ほんとにくだらない雑談のときもありますが、「今ってどういう状況だっけ」、「なにに注目してるんだっけ」を知るのにとても役立っていると感じます。
ストーリーで伝える
やっていること、やろうとしていることをまわりに理解し、納得してもらうことはとても重要です。そのために必要になってくるのが「ストーリーとして語れるか」だとわかってきました。
はじめに言ったとおり、私は「どうやって解くか」、つまりHowの部分から見てしまうことが多いです。しかし、専門領域が離れれば離れるほどHowの部分は伝わらず、そこだけ強調してもよくわからない感じになってしまいます。
自分たちが取り組んでいることを「なぜやるのか」、「なにをやるのか」、そして「どうやるのか」、それらをストーリーとして理解してもらうことで納得感が大きく変わってくることに気づきました。
Turingでは会議体は基本的にはナラティブを書くようにしています。
特に他のチームや経営陣を巻き込んで話す時はストーリーが大切です。ストーリーが納得感のあるものになれば、まわりの協力も得られやすいし、チームの集中力も上がります。そういったプロジェクトは目標が達成できたかにかかわらず、次につながっていると感じます。
私も何度か方針ぎめに関わるようなナラティブを書かせてもらったことがあります。そのときになるべく良いストーリーを書くために気をつけているところは、
既存技術をしっかり調べる
現在の状況が把握できている
成功するとどうなるか具体的になっている
会社の進むべき道として正しいんだっけ?が考えられている
このあたりを考えるようにしています。特に最近はリサーチチームの立ち上げに取り組んでいるので、このあたりは気をつけて何度もストーリーを見直しながら方針を微調整しています。
とはいえ、私はまだまだうまく伝える能力、巻き込み能力が低いと感じています。Turingは車両の量産も目指しているので、かなりバックグラウンドが違う人もたくさんいます。まずはそういった社内のメンバーにも、しっかりと自分たちが挑戦していることを伝えられるようになりたいと思っています。そして、社外の人たちにも自分たちが目指しているものが正しく伝わるようにしていくのが目標です。
まとめ
実際の仕事はまだまだどうやって課題を解くかを考えながら手を動かしていることの方が多いです(また、そうなるようにマネージャーの方もサポートしてくれています)。ですが「自分はコードだけ書いとけばいい」とはならずに、仕事をうまく進めて、会社を前進させるために重要そうなことは積極的に学んで吸収していきたいです。
ここに上げたことは自分で考えついたというよりも、まわりの優秀なメンバーやTuringの文化に教わったものです。個人的には重要だとわかりつつも実践できていない部分やうまく立ち回れていない部分もたくさんあります。今後も組織は拡大していき、体制や働き方、ポジションもどんどん変化していくと思います。その度に、こういった新たな「気づき」を1つづつ増やしていこうと思っています。また新しいことに気づいたらnoteにまとめたいです。
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