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デザイナーは「環境にこだわれ」

僕は月に2〜4回程度、社外のデザイナーさんの悩みや転職の相談を受けています。デザインメンターのチャットプランは4ヶ月待ちの状態ですが、1時間のビデオ通話プランはいつでも対応可能です。

この相談で話を聞いていると「いまのデザイン業界の流れ」「自分の市場価値」「所属している会社の環境」を客観的に把握できていないことに、とても不安を覚えます。

なぜなら、デザイナーという専門職はサッカー選手などのプロスポーツ選手に近い職業だからです。

常に専門領域でプロフェッショナルを発揮できないと、市場で競争に負け、選ばれなくなっていきます。しかもデザイナーの市場はAIなどによって刻々と変化していきます。成長できないプロフェッショナルは、市場から強制的に退場させられます。

意外と見落とされがちな「環境」

まず、以下の動画をご覧ください。これは、『本田圭佑氏 卒業式スピーチ「欲望を解放しろ、環境にこだわれ」|令和4年度近畿大学卒業式』の一部を抜粋した動画です。

この夢を叶える話。
僕が一番大事にしてることをお伝えします。
ものすごく簡単なことですが、意外にやらないことです。

環境にこだわるということです。

例えば、目標が「サッカー選手になりたい」となり、さらに「世界一になりたい」と思ったとき、サッカーのレベルが上がる環境に身を置くことがベストなわけです。当たり前のことを言っていますが、その当たり前のことをやるだけなのです。

目標が決まり、夢を持てば、そのために必要なことは皆さん分かっていると思います。しかし、成果が出せない人や夢を叶えられない人の多くは、その環境にこだわっていないからです。

環境にこだわらない状況でめちゃくちゃ頑張っていても、もっと伸びる場所、もっと才能が活かされる場所があるはずです。夢に近づくスピードをもっと加速させる場所があるはずです。

目標が決まれば夢を叶えるプロセスでは、一番大事なのは、僕が信じている「環境」です。誰と会うか、毎日何を見るか、五感が最高の習慣を作ってくれるはずです。

本田圭佑 卒業式スピーチ

デザイナーも成長したいなら環境にこだわってください。もし、いま所属している会社が以下のような状況だと成長が難しくなります。

  • フィードバックがほとんどない(誰もデザインを評価・改善しない)

  • デザインの重要性が低い(スピード優先、使い回しが多い)

  • デザインの基準が低く、改善の機会がない(競争や挑戦の文化がない)

  • 成長のための機会がない(スキルアップ・学習環境が整っていない)

このような環境にいると成長が鈍化し、転職の時にかなり苦労します。

ただ、会社の環境に依存せず、自分の努力で環境を変えてデザイン力をつけ、よりレベルの高い会社へ転職することは可能です。
例えば、

  • 個人の学習と練習を継続する

  • 実務でできる範囲のデザイン改善をする

  • 副業や自主制作でポートフォリオを磨くなどです

などです。

副業NGの環境は即転職を考えるべき

もし上記のような成長できない環境で、しかも副業NGの会社に所属している場合は、いますぐ転職を考えたほうがいいです。
副業NGは古い体質の会社では未だにありますが、超有名なIT企業やメガベンチャーでもあります。

特に巨大IT企業やメガベンチャーに所属して安心しているのは危険です。業務が細分化されてサービスの一部しか担当できなかったり、保守運用ばかりをデザインしている環境だと、成長は望めません。
環境が変化して転職しようとした時に、自分の市場価値に唖然とする可能性があります。

それに最近は普通の転職ではリスクが高いので、業務委託や副業などでカルチャーマッチやスキルマッチをお互いに確認してから正社員になるのが一般的になってきています。

今の時代、会社はあなたを守ってくれません。飼い殺しにされて、いらなくなったらリストラやレイオフされる可能性は高まっています。兼業や副業によって自分を守っていきましょう。

ちなみに、基本的な前提として、会社は従業員の副業や兼業を禁止することは法律的にできません。

就業時間以外の時間を何に使うかは憲法で規定された自由であり、会社はその時間について指示することができないからです。過去には法律違反とされた判例もあります。副業や兼業を考えている人であれば、一度、人事と話し合ってみてください。

常に成長し続ける人がプロフェッショナル

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き残るのでもない。
唯一生き残るのは、変化する者である。

チャールズ・ダーウィン

『唯一生き残るのは、変化する者』はチャールズ・ダーウィンの進化論からの言葉です。

デザイナーはある程度成長すると、なんのストレスもなく手なりでルーチンワークをこなすこともできます。しかし、それはゆるやかな死に向かっている状況かもしれません。

常に脳に汗をかき、生みの苦しみを味わい続けることがデザイナーとして正常な環境だと、僕は考えています。

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