いのちの授業 あの日から(134号)
仕事始めの本日は、自分の仕事について考えてみます。
ご一読賜れば幸いです。
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「みんな、いのちの授業をしています」
(私が一番受けたい「いのちの授業」より)
秋の日、東北の被災地での講演会にうかがいました。
テーマは「生きる幸せ、働く喜び」。講演後、主催者の生命保険団体の代表の方が言われました。涙を流しながら…。
「あの震災で仲間がたくさん亡くなりました。
でもわずかしか保険金を支払えませんでした。もちろん、お金でいのちは戻りません。しかし、せめてお金があれば、残された人の生活を再建できたはずです。どうして、自分はもっと真剣に保険を勧めなかったのか。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」
今、その方は必死に保険を勧めているそうです。
「あなたの仕事は何ですか?」。以前のその方は「保険を売っています」。今は「いのちを支え守る仕事をしています」と話されています。
私たちは、みんな「いのちの仕事」をしています。
電気・ガスなどの社会インフラが停止すれば、いのちは危うくなります。建設・土木事業は、市民のいのちと財産を守ります。製造会社は製品を、銀行・保険会社は金融サービスを通じて社会を支えます。行政の公的サービスは社会のセーフティーネットです。教育はいのちを育み、医療福祉はいのちを守ります。
「〇〇会社に勤めています」「公務員です」「教師です」「医師です」…。
それは上着にすぎません。働くモチベーションは、誰かが高めてくれるものではありません。自分で、自分の仕事をどう意味づけるかが一番大事です。
使命、「命」を「使う」と綴ります。
自分の命をどう使うか。その思いを仕事に込めてこそ、天職となるのではないでしょうか。
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