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いのちびとメルマガ(111号)
『やさしいことは つよいのよ』
(いのちびと2020.11号より)
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その日、私は「ねむの木学園」(静岡県掛川市)に伺いました。
ねむの木学園は、一九六八年に日本で初めての肢体不自由児のための養護施設として設立されました。創設者の宮城まり子さんは、当時、八十九歳。車いすで子どもたちの生活を見守り、「ねむの木村」を運営されていました。
学園に宿泊して、宮城さんのお話を伺い、子どもたちと一緒にダンスや焼きそばパーティーもさせていただきました。常に、ひとり一人の子どもの「表情」「声」「気持ち」「動作」を自然に観て感じているのです。食事のときも、廊下で行き交うときも。そして、その子に大切なことをスタッフに的確・即時に指示して行動されています。
「その子のことが心配なのね」と、笑顔で一言。
宮城さんは、ある歌を歌いました。歌いながら、子どもたちに一緒にと手招きをされます。同じ歌詞を繰り返しながら、十人、二十人、五十人の合唱になっていきます。
「やさしくね やさしくね やさしいことは つよいのよ」。
みんなの歌声が一つになって心が響き合い、胸が熱くなりました。子どもたちは、宮城さんのことを「お母さん」とずっと呼び続けています。小児病棟の子どもたちも、「看護師さん、やさしいよ」と笑顔で教えてくれることを思い出しました。
やさしいことはつよいのよ―。
優しさは、人の心根です。一つ優しくすると、一つ強くなれます。
優しさと強さが積み重なって、「やさしいね」となる。
今の時代にこそ、まず一つ、小さな優しさを大切にと思います。
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