いのちびとメルマガ(99号)
鹿児島県に「いのちの授業」に伺いました。講演後、鹿屋航空基地資料館や戦跡などを案内してもらいました。
戦争中、鹿屋市には3つの海軍飛行場が存在し、日本で最も多くの特攻隊が出撃した歴史があります。二十歳前後の多くの若者が沖縄方面に出撃しました。資料館では、二時間、説明員の方から「いのちの秘話」を伺いました。
「特攻隊は、美談やお涙頂戴で語られることもあります。もっともっと現実がありました。劣悪な装備、軍事的意味のない特攻に若者が飛び立った。みんな、『お母さん』と言って亡くなったんです。
生き残った者と戦死した者は紙一重でした。特攻機の故障、天候、病気、突然の命令変更など。今も、ご家族や元特攻隊員の方が来られて、お話や思いを伺います。お一人お一人の『いのち』を実感します。生きていればこそ、いいこともあると思います」
この地域には、戦時中の思いを語り継ぐ、慰霊する市井の方々が今もみえます。ただ美談や批判ではなく、歴史の現実とその思いに向き合うこと。名もなき先人の御霊に誠を捧げること。それは、後から来る人の「いのちの責任」に思います。合掌。
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