#6 おかえり
サクラの手術は、約5時間かかりました。
予定では、3時間から4時間と伺っていたので、ずっと落ち着かなかったですが、4時間を過ぎた頃から、特にソワソワしていました。
時々、看護師さんが来て 「体調も安定して、順調に進んでいます。」 という一言が、本当に心強かったです。
待っている間に、手術の内容や、後遺症のリスクなどをハハに電話で伝えました。
ゆっくりと、落ち着いて、丁寧に、分かりやすく。を心がけましたが・・・途中、ハハは、過呼吸になりました。病院の助産師さんにサポートしてもらいました。
娘が目の前にいない産婦人科の入院は、とっても辛いです。24時間、赤ちゃんの泣き声が聞こえながら、自分を責めてしまったり、不安と戦わなくてはいけません。結局、ハハは、出産後35時間後に退院しました。柔軟に対応してくださり、感謝しています。(欧米では、通常くらいらしいです。退院後の体調は、安定しています。)
15時40分
先生「お父さんも、お疲れ様でした。寝てないでしょ?」
手術が終わり、個室でサクラの術後の様子を伺いました。
チチ「赤ちゃんは、どうですか?」
先生「途中、輸血もなく、無事に終わりました。まだ、後遺症に関しては、はっきりと分からないし、入院中にしっかりと検査をお勧めします。まずは、今日頑張った、サクラちゃんを褒めてあげてください。」
チチ「・・・・・・ありがとうござぁいました。」
先生「お父さんも頑張ったよね。」
チチ「僕なんて・・・・。」
全身麻酔でスヤスヤ寝ているサクラの姿を看護師さんが、デジカメの画像で見せてくれました。傷跡は、ガーゼで隠れているけど、初めに見た痛々しい傷は、綺麗に縫い合わされていました。
全て顕微鏡を見ながら行う、本当に繊細な手術だそうです。
全てに、感謝。
医療従事者のみなさまに、心からの敬意を。
チチ 「また、明日の午後伺います。」と看護師さんに伝え。
病院の駐車場の車の中で、ハハに連絡をしました。
「サクラ、頑張ったよ。無事だって。手術した先生が、サクラを褒めてくださいだって。本当に、よく頑張ったよ。」
病院に到着してから、チチが一人で背負ったサクラへの重責が、大きく一つ降りたことに。安心して、この日、最後の大きな涙を流しました。
命があることに、私たちは「ありがとう」を伝えました。