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あなたを救う魔法の弱音
様々な患者さんにお会いしたり、
私生活でも自身や周囲の人々を見ていると
世の中美徳とされている
ポジティブな言葉や努力や我慢の弊害ってあるよねと思います。
この結論に至るまではかなり行ったり来たりしましたね。
実際、文句ばかりの人と一緒だと気分が低迷するし、周囲のモチベーションを下げたりするなど確かに周りに害を及ぼすと思うような出来事に遭遇する事もあったりしますので
ネガティブが良くないというのもわかります。
ただ、ポジティブ過ぎてもまた問題だなと思う事がよくありますね。
一概にポジティブがいけないという訳では無いのですけどね。
ただ、ネガティブの利点もありますよというのは声を大にして言いたい。
今回は、弱音の必要性について書きます。
弱音とされてるネガティブ感情は、
時に自分自身や他人のコンディションを適格に評価し解決策を見出すにはとても大切な判断材料となります。
要は全ては、バランス。
例えばですけど、健康診断。
健康診断の結果を考えてみるとどうでしょうか?
血糖値が高く出ていたら、これはネガティブな事実ですよね?
(もちろん、状況好転の法則を知っている達人であれば、よしきた!これは私に対して大切なメッセージだ!となりますがなかなかそう言う卓越した精神を持つ人も少ないとは思います。)糖尿病の心配があるというネガティブな事実を認めて生活習慣を見直しますよね?(私は医療従事者でありながら投薬は最終手段と考えているので、まずは生活習慣を変える事を推奨しているのでこういう対処を提案します。)
ただ単純に、事実を受け止めれば解決策へと繋がる。
血糖値が高いという事実はネガティブ情報ですが、その事実を否定して無理矢理ポジティブに捉えてみたら「私の血糖値は正常だ」となり、
今後もずっと同じ日常を送る事になります。
それって大丈夫なのでしょうか?
これを、メンタルの不調に置き換えて考えるとどうでしょう?
けっこうやりがちじゃないかなって思います。
実は、うつ病などのメンタル不調を抱える方のエピソードを聞くと似たような経験をしてる方が多い印象です。
疲れているのに「私は大丈夫。」と無理矢理ポジティブに自身の状態に目をつぶってしまう。
なぜこうなるかと言えば、本人の性質ももちろんありますが、
昔から積み上げてきた信念が影響している事が多いなと私の経験上思います。
これ言ったらマズイかな?みたいな気持ちだったり、
実際、今置かれてる環境が、こぞって自分自身の状態なんか放置してとにかく頑張れ!みたいなケースもありとても言い出せないみたいな事もあります。
相談したけど逆に根性論で返されたパターンは良く聞きます。
世知辛いです。
そんな方達の背景にまた興味深い共通点があるんですね。(これは後ほど詳しくお話しますがさらっと触りを書きます↓。)
それは、
ムリをさせられてきた「させられ体験」と頑張らなくちゃ大事にしてもらえないの「強烈な無価値感」をスクスクと育てられた過去の生育歴。
頑張らねばイケナイ自分の成長物語を持っていると言う事。
自分の器や能力を遥かに越えたレベルを常に要求されてきたパターンがとても多い。
自身の感情や状態(特に不調などのネガティブなもの)への周囲からの共感が少なかった人は特に、自分自身のネガティブに蓋をして平気なフリをして頑張る傾向にあります。
加えてその後も自分に無理をさせてくる環境や人を選びがちだし、困ったことに
「何でも、相談してね。」と言いつつも相談したらしたで「頑張りなさい。」「そんなのも分からないの?」や「前も言いましたよね?」みたいな混乱や萎縮を招くような言葉かけをしてくる人を引き寄せ易いのです。
(こういう軸の無い関わりは、実は人の脳にダメージを与える。ダブルバインドって言う技法なんですよね。不仲な両親に育てられたり、感情や言う事が日常的にコロコロ変わる大人に囲まれて育ったりすると統合失調症を発症しやすいと言われていたりします。)
自分だけではなく、周囲からの圧(と自分が感じてるだけかもしれないという憶測も残しつつ。実際凄い環境や人間関係の場合もあるので、ケースバイケースだと言うことは念頭に起きつつ。)
頑張らねばいけないプレッシャーの中で、自分自身のネガティブなんて感じてはイケナイ。
と自分自身のネガティブを長らく続け、放置した結果が
メンタルの不調。
という流れになっていたのではないでしょうか?
こどもの時、若い時はそれでも
体が元気なので対応できてきたのですが
段々と年齢を重ねるとエネルギーも減退しますし、身体の柔軟性も欠いてくるのでそうもいかなくなるわけです。
ですから、
「あ、ごめん、私ムリだわ。」
「できる人、お願いします。」
とわざわざ誰かに声を大にして言う必要はありませんが、
自身のココロの叫びとして
この感情を受け止め、呟けたら
きっとあなたの未来は変わるのだと思います。
結果的に、自分自身を追い込む事から
救い出す事が可能になるのです。
言って見てください。
「私、ムリだわ。」
「休みたい。」
「できる人に任せる。」と。
すると、あなたの潜在意識は、あなたが自分自身に目を向けてくれた事に感謝し、
あなたを助けてくれるはずです。
すると、周囲には、あなたの存在そのものを認め大切にしてくれる人が集まってきます。
弱音、大事ですよ。