毒親育ち視点で見るジャンケットバンク サウンド・オブ・サイレンス
獅子神と真逆で、自己肯定感がかなり高そうな医者、村雨。感染防止対策のマスクを外して叫ぶ、かなりインパクトの強い登場をかました村雨医師。(単行本三巻で投資家と判明する)獅子神とは違い、登場時に職種が明記された村雨。趣味の手術時の衛生管理が気になるところではあるが、訴えられている様子は今の所は無い。
それを言ってしまったら、「カラス銀行に関わった人間が消失しがちなのに、問題になっていないのはどうなんだ」となるが、そこはゲームを見に来るお客様の中に(それこそ、一介の刑事等は捻り潰せる位置に居る)権力者達が色々なことを無かったことにしているのだろう。
さて、自信に満ちた医者先生だから、敗北フラグにも気付けなかった。「見たいようにしかものを見られない」とは言い得て妙である。自分に自信が有るからこそ、診断に基づいて出した答えを疑わない。
以前、歯科医が間違った薬品を子供の患者の歯に塗ってしまい、その耐えられない痛みから患者が騒いだ時に「自分が使用すべき薬品を間違った可能性」を考えず、子供だから必要以上に騒ぐだけだと決め付けた結果なのか「子供を押さえ付けさせてまで治療を続行した」事件が有った。その結果、痛みを訴えた子供は亡くなり、歯科医自身も子供の葬式で亡くなっている。合格難易度の高い大学に進学し、最低でも6年間の大学生活を経てから、これまた難易度の高い国家試験を受けて合格する。そんなエリートでも、人間は時に間違うことがある。
間違ってしまった後、直ぐにそれに気付けるのは自己肯定感の低い人間(或いは自称神)なのかも知れない。何分、自分に自信が無いから、自分自身をも信じてはいない。だからこそ、おかしてしまった間違いにも気付きやすい。その逆で、自己肯定感の高い人間は自分を信じて疑わないのだろう。そして、医者先生が、対戦相手の部位毎の出血量の差に気付いた時にはもう手遅れ。後は、フィジカルで行員にあっさり敗北してのペナルティが待ち構えている。
だが、もし安易に「標識男」こと御手洗の分かり易い変化に頼らず、しっかりと対戦相手を見ていたのであれば、或いは相手を慮れる問診が出来ていれば、サウンド・オブ・サイレンスの結果は違ったものになっていたかも知れない。
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