髪の毛にかかった焼きそばの呪いを解くのは王子様のキスでしょうか。行きつけの美容院になるまでの話
皆様こんにちは!
静岡県伊豆市にあります、天城湯ヶ島エリアに恋をしています
いのししことさとあやと申します。自己紹介noteはこちら👇
「行きつけの美容院」へのあこがれ
伊豆に引っ越しすることへ向けて動いているが、それにあたりひとつ残念に思うことがある。それは通い続けた美容院に行けなくなることだ。
かれこれ7年、8年通い続けている(と思う)。
それまでの私は決まった美容院がなく、行く美容院、行く美容院「どこか気に入らない」状態で、定まらなかった。そして決まった美容院を持っている人を見るといつも羨ましいなと心の片隅で思っていたのであった。
なんか、自分の髪の毛を熟知している強い見方を左側に携えているような。心を許せるパートナーがいる、ような。
今の美容院も最初は「通わない美容院」だった。
実はこの通い続けている美容院の初回以降は数年あいている。私の中では「もう行かない」と思っていた。原因はくせ毛である。さとあやはくせっ毛なのだが、それを活かしてショートにしたほうがいいという提案を初回にもらい、「お任せします!」と私もそれに同意した。
だけど、出来上がった時に、鏡に映った私は、自分の嫌いなくせっ毛の自分で(いやだから、くせっ毛活かすって言ったじゃん🐗💧)、その気に入らない髪をしている自分にショックだったし、そもそも丸坊主にしたときの、自分のポテンシャルが低いのだから仕方ない、とまで自分にがっかりした。
美容院の腕云々ではなく、その自分の嫌いなくせっ毛の自分を褒めて勧めてくる美容院だとしたら、到底受け入れられないと思ったのだった。
それから私はしばらく、髪を伸ばし、ストレートパーマをかけ続けたのだった。
そして、相変わらず、髪を何でも相談できるパートナーのような美容院とは出会えないまま。
美容院との再会
美容師さんとは別のところで繋がり続けている知人だったのだが、ひょんなことから2年ぶりくらいに美容院にお世話になることになった。
二度と来ることがないと思っていたんだけど。
「来るの久しぶりだよね」という話になって、「実は」と、くせ毛のことに関して話した。話すのはとても気が引けた。だって、美容師さんは「くせ毛を活かした髪型でどう?」って聞いて、それに対して私は「うん」って言ったのだから。
どんな話をしたかを忘れてしまったのだけど、「実は」と初回に自分が自分にがっかりしたことや、その自分の髪を勧めてくるのであれば通うのがきつい的なことを伝えた時に、何かが終わった。
「いやいや、さとあや、その髪型でいいって言ったじゃん」
とも言われなかったし、怪訝な顔もされなかった。
「そうだったんだねー」って感じだった気がする。
不思議なんだけど、その時に「ここに通おう」と思った。
通い続けることにした最初のオーダーはやっぱり「くせ毛は嫌だ」
数年前の失敗を繰り返したくなかったので、嫌なものは嫌だと伝えることが必要だと「くせ毛を活かすのじゃないやつ」というオーダーを伝えた。
私がしたい髪型にしてくれたし、セットしてくれたし、さとあや個人としてとても満足だった。
通い続ける中で、日本の四季に合わせて、様々な難所が私の髪の毛に降りかかる。梅雨である。くせ毛人にとって、梅雨は勘弁してほしい…とブルーになる季節。どんなにストレートアイロンをしたって、ちょっと濡れれば終わりだし、ものすごい湿気にさらされれば「ちょっとどこ向いてるの?!」という気まぐれな動きになる。
その時だったと思う、
「仕上がりを、ストレートアイロンじゃなくて、くせが出るスタイリング剤つけていい?その方が逆に湿気があっても気にならないと思う」
との提案をもらった。あの到底嫌いな自分再来…!!!と一瞬思ったが、今回は「このほうが湿気が気にならないと思う」という最初から湿気つけちゃったほうが気にならないじゃん戦法に乗っかる形でやってみることにした。
出来上がりの鏡の中にいる自分の姿は、大変残念なことに、やはり気に入らなかった。「でも湿気の中を今から歩くしね!」と言い聞かせて、店を出た。これから仕事だ。
緊張の職場。髪型への反応。
職場に行って、「あれ、髪型変えたんですね」と女子に声をかけられた。「いや、変えたわけじゃなくて、今日セットが違うんだ(なんかすいません)」と返答。
(なんかすいません)と心の中で謝る私。
「パーマみたいでいいですね!とっても似合います!」
「(お世辞を)ありがとう!!!」
みんな優しいな…褒めてくれて…。
程なくして2人目。今度は男子である。
「さとあやさんパーマかけたんですか?!超いいっすね!」
「(お世辞を)ありがとう!!!ひどいくせ毛で!(自分を下げる)」
「え!くせ毛!すごい!いいっすね!!」
みんな優しいな…褒めてくれて…。2人も言ってくるって、相当変なのかしら。。。(疑心暗鬼)
ところがこの「その髪型いいね」の褒めパレードは6人続いた。
さすがに6人連続はなんかおかしいぞ?
1人、2人のお世辞は想像に難くない。だがしかし、1日に6人というのは、自分の考えを疑った方がよさそうだと思うきっかけになった。
私は中学校の時に男子からくせ毛をさされて「やきそば」と言われたことがあって、そこから自分の髪の毛を気にするようになった。それまでは、全然気にしたことがない。
焼きそばって、もはや、人間じゃないし。
食べ物だし。
思春期に男子から自分の髪の毛を「やきそば」って言われるのはかなりショックだった。そこからストレートパーマやら矯正ストレートなどにお金をかける人生が始まったが、「ストレートの髪」を見てうっとりすることも束の間、数日もすれば、本物の髪が根元から伸びてきて、「そのストレートは偽物でしょ」と言われてる気分になった。とかせどとかせど、そのくせ毛はまっすぐにはならない。
髪の毛が焼きそば=自分はかわいくない
と同義語になっていて、くせ毛の片鱗が見えるだけでいい気分ではなくなる。そのくせ毛を直してくれる美容院を探し続けていた。
くせ毛を直してくれる美容院なんて、あり得ないということも気づかないまま、長いことここまでやってきたのだ。くせ毛が直るということは、皮膚や毛根の話だ。それくらい本気で直ると、髪の毛を見て思っていた。
だが、今回の6人のお褒めの言葉でわかったことは、(今の顔立ちや、今の体型には)このくせ毛を活かした髪型は、「良いよ!」って人からは言われるということ。それだけは統計的に確かな気がした。
髪型方針転換!
このことをきっかけに、私はその美容院で「全てお任せします」に切り替えた。
私がいいと思っている髪型
と
人からいいと見える髪型
が違うかもしれないっていうことがよーやく耳に届いた。
数年前だってこの美容院はそれを提案してくれていた。だが「やきそばの呪い」によりくせっ毛をいかす素晴らしい提案は闇に葬られた。
通い続ける中で今回の実験があり、そして、信頼して髪型を任せられるそんな関係になった。
そんな関係性を気づいた美容院に足繁く通えなくなることはとても寂しいけれど、それだけ素晴らしいお店と出会えたことを振り返る機会にもなった。
髪の毛にかかった焼きそばの呪いを解いてくれてありがとう。私の呪いを解いてくれたのは、誠実に考えて提案し続けてくれた美容院さんでした。
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