No.13 恨みの連鎖
それをチームと呼ぶには、まとまりがなさ過ぎた。
大志などなく
勝手気ままに先を争い
軽薄で
そして粗暴だった。
それはまさに、烏合の衆だった。
誰が呼んだか「百万の勇者」
そんな連中が、遊び半分に救ってしまった世界があった。
もちろん、まともなハッピーエンドは迎えられなかった。
血祭りにあがったのは、世界を滅ぼす魔女に仕立て上げられた哀れな姫
この地での目的を達し、災いは去った
真の悪は討たれぬまま
災いの種は、愚かな勇者たちの裏をかいて無数の異世界にばら撒かれた
その災いは、私たちの地球にも飛来した
人間社会の歪みを利用し、さらなる災いを多数の世界に拡散させた
知らないのは、地球人だけ
ごくわずかな例外を除いて…
そしてまた、別の地球において
災いを育てる者たちは、今度は歴史の闇に消えた怨念に武器を与え
地球をパイの如く切り分け、互いに奪い合いをさせた
その争いの中で、踏みにじられた人々から新たな復讐者が生まれ…
ああ、この「冬」は
どれだけ多くの戦乱を巻き起こし、兄弟同士を殺し合わせるのか
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