商人のDQ3【6】いきなりキラーマシン
「ぎゃあぁ!こんなの、きいてないでちよ!!」
「アッシュから聞いただろう!想定以上の大きさだったが」
キラーマシンというモンスターのウワサを聞いたことがある。誰が作ったのかも分からない、動く鎧の殺戮人形。上半身は一つ目巨人サイクロプス、下半身は四足歩行のケンタウロスに似るという。その名の通り…
(F)フルパワーで (O)お前を殺しにくる (E)エネミーだ。
装甲材質は、クワンダの予想通り。遺跡の壁と同じ、不思議な光る金属。
「コレはきっと、ウワサに聞いた神の金属オリハルコン!ちょっとでも持って帰れば…うひひひ」
「やめろ!死にたいのか」
希少な素材に目がくらんだシャルロッテが、クワンダの警告を無視して。どこかの壁からはがして持ち帰れないか探していた矢先、例のカラクリ兵器と鉢合わせしてしまいました。
しかも、周囲には魔王軍のモンスターたちが無惨なしかばねをさらしていました。旅の扉を通じて、海の向こうからアリアハンの遺産を奪取しようとしたみたいです。
オリハルコンの装甲を持つキラーマシンは、もはや誰にも止められない無敵のバケモノ。人の背丈を超える巨大なサーベルが縦横無尽に振るわれれば遺跡そのものが崩壊しかねない。そのための堅固な壁だったのか。幸いなのは、大の男3人分を超える巨体のせいで動きがやや鈍いこと。
「ヤツは飛び道具も呪文も使えない。捕まりさえしなければ、問題ない」
「クワンダしゃん、床が!」
キラーマシンから逃げるシャルロッテとクワンダの行く手を、床に走った巨大な亀裂が阻みます。どうやら床の材質は違う模様。
「飛び降りるぞ!」
「ひょえぇぇ!!」
とっさに、クワンダがシャルロッテを小脇に抱えて跳びます。亀裂の下に見えるのは、ひとつ下の階。標的を見失ったキラーマシンは、元の持ち場へ戻ってゆきます。
「危なかったでち…」
「後から来る連中にも、言い聞かせないとな」
探索の末、ふたりは目的の旅の扉を発見します。ここへ来るまでの間に、いくつか開かない扉もありましたが、鍵穴も見当たらず。とりあえず今は、先へ進むことにします。
旅の扉を潜った瞬間、視界が揺らいだかと思うと。あたりに広がるのは、見知らぬ古代の遺跡。アリアハン様式とも大きく異なります。
「モンスターの姿は見えないが、警戒は怠るなよ」
「…すごく、大きいでちね!?」
見渡す限り、石造りの巨大都市。高度な文明が栄えていたのは確かですが人の姿は見えません。ところどころ土に埋もれてます。街の北には、噴煙をあげる火山の姿が。
「この街は、火山灰に埋もれたのか?」
人の住む、街か村を目指して。シャルロッテとクワンダは火山を横切り、半島をさらに北上することにします。
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