アメコミ式個人PBWの案
ヒーローは無個性な兵士?
世界を救うために戦うヒーロー。けれど、彼ら彼女らの「個人の物語」に光が当たることはない。それがトミーウォーカー式PBWで、いまの業界標準でもあります。
キャラ個人の物語を描くのが普通な漫画やアニメ、ゲームソフトのRPGとの溝は大きく、いまも需要と供給のミスマッチは続いています。
困ったお客さん?
いえ、困った運営さんです。
アメコミ映画はPBWのお手本
でもアメコミ映画の枠組みを使えば、足りないところを補えるかもと思って、この記事を書くことにしました。
「多くのヒーローが集い、共闘する本編」と「ヒーロー個人の物語を掘り下げた単独映画」というふうに、いい感じにバランスが取れてますものね。PBWだと本編しか無いので、キャラひとりひとりが掘り下げ不足なのは否めません。だったら、単独映画に当たるものを作ればいいです。
サイドキックから単独ヒーローへ
アメコミヒーローの中には、助っ人的サブキャラから少しずつ出世して、単独ヒーローになる者がいますね。「ファルコン&ウインターソルジャー」のファルコンとか。彼も元は、キャプテンアメリカのサイドキック。
漫画「ぼくらのヒーローアカデミア」でも、サイドキックから実績を積んでプロヒーローになると。そんな設定があったと記憶しています。アニメ版を少し見た程度ですが。
従来型PBWの不足を補う「プライベート・ライター」
これらの出世パターンを、従来型PBWに組み込めないでしょうか?
・最初は、通常形式のシナリオに参加
・実績を積みながら、リプレイ内で「このキャラクターはこんな行動原理」で「こんな個性の持ち主」と描写のストックが増えていく
・描写のストックが溜まってきたら、それを元にキャラの背景を掘り下げて「このキャラにはこんな過去があって、それを経て現在の姿になった」と、キャラクターの「オリジン(原点)」がスピンオフで描かれる。
ここまで出来たら、合格点。そしてこの役目を担うのはゲームマスターでなく、専門のライターさんを当てればいいです。
私はこの役割を「プライベート・ライター(PW)」と仮に呼んでいます。
ただし「良質な描写ストック」がなければ、お話になりません。遊ぶ側にも「キャラをイメージするチカラ」が求められるので、普段から親しく交流して相談に乗れるようにしておきたいです。私はこれを目指す!
なので、プレイヤーとの兼任がNGなゲームマスター以外の新たな職種が必要です。それを認めさせてやろうと思ってます。
商業PBWの売り上げの8割は、キャラ個人に関わる要素
公式に発表されているデータこそありませんが、これは業界人なら誰でも直感的に分かるのではないでしょうか。圧倒的に…
イラストの売り上げ > シナリオの売り上げ
のはずです、単価が違うので。これに加えて、オリジナルアイテム申請やスキル申請の売り上げも合わせたら。
公式が軽んじている「個人の物語」こそ、サービス存続に不可欠なのが分かりますね。違和感の正体。
プレイヤーのモチベーションを持続させるのも、個人の物語でしょう。誰しもお気に入りの「うちの子」を「取り替えのきくコマ」として扱われたらうんざりするでしょうから。PBWの離脱率の高さ、シナリオ参加せず雑談とイラスト発注だけで楽しむ人がいる理由です。
連鎖してるのは「運営目線」でだけ?
「連続性のあるシナリオ」をウリにしている、トミーウォーカーの最新PBW「チェインパラドクス」。その真価はまだ、明らかにされていません。攻略旅団での提案で、シナリオ選択肢が変化する。そこまでは見届けることができましたが。
これにも「提案の乱立」による「上位5つに入るための無駄な争い」がすでに発生してます。しかも、面白そうな提案が票を得られないことも多々あります。この状況が長く続けば、結局は飽きられることにつながりそう。
2021年10月21日までに20シナリオを成功させる
この条件を満たしたルートが出てきて、次の段階に進んだら。ようやく、そこで「連続性のあるシナリオ」の本領発揮でしょうか?
システム周りは、TW6第六猟兵のマイナーチェンジ版ですし。プレイヤー目線だと「断片的なシナリオ参加」になるのは今まで通り。
ひとつのシナリオで全ての場面に顔を出すわけでなく、自分の得意分野や個性アピールのできる場面だけをつまみ食い。そんなお手軽さがあるのも、確かですね。これがどう変わるか、少しだけ楽しみです。
過剰な期待は毒なので、ほどほどに楽しみましょう!