父親の定年退職
父親は今日定年退職をして
花束をもらって帰ったらしい。
『○年○ヶ月、サポートありがとう』
この一文だけ送られてきた。
様々な思いがあった。
まず私は、そのもらってきた花束をまだ見ていない。
長男で育てて頂いたが、今は一緒に住んでいないから母からの報告で知った。
父は昔から仕事熱心で、今も、とある県士会の会長をやっている。
家に居ないことが多かった。長い間、単身赴任もしていた。
私が小さい頃の記憶では、よく笑うイメージがあった。よく戦いを挑んでいた。戦いごっこに付き合ってくれて、力は強かった。
学生時代は、引っ越しがあって、転校があって、
私は転校先で
リコーダーのメーカーが友達と違うのが嫌で
仕事終わりに、色んな楽器屋を一緒に探し回ったのを覚えてる。
今社会人になって思うのは、とてもじゃないけど、仕事終わりに、疲れてんのに、そんなわがまま聞いてやれないと感じる。
高校や大学も、うちは4人兄弟だから、金銭的に無理はいえないのに、
4人とも、希望を叶えてもらえたと思う。
そんな父は、十数年前に、パーキンソン病を患っていた。
家族には数年間黙っていた。
母が薬を調べて問い詰めて発覚した。
簡単に言うと、だんだん身体が動かなくなる病気だ。
それでも転職して、働き続けてくれた。
表情もなくなっていく病気だ。
母は最大に心配して気遣うが、父はプライドが許さないのか、何度もぶつかっていた。
ケンカは多かったと思う。だけどもちろん運転も出来なくなって、公共交通機関を利用したり、冬なんかは送り迎えが必須だ。
父の一文は
サポートありがとうだ
私も今はてんかんで車を運転出来ないから
暗い道でも歩いて帰るんだけど
父もその孤独を乗り越えたんだと思うと、力が湧いてくる。
書ききれない感謝と尊敬を込めて。
支えてくれる人に
ありがとうって伝えることは大事だ。
覚えておく。これからもよろしく頼もう。お疲れ様でした。
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