連休初日から二日酔いである。
そんなわけで、布団の中で『泥酔懺悔』(ちくま文庫)をパラパラ捲る。
手元にあるのは、2016年の第一刷のもの。
帯には、大きく『お酒のせいなんです!!』と書いてある。
寄稿している女性作家は、朝倉かすみ・中島たい子・瀧波ユカリ・平松洋子・室井滋・中野翠・西加奈子・山崎ナオコーラ・三浦しをん・大道珠貴・角田光代・藤野可織。
この中には、中島たい子や中野翠のように下戸の人もいるが、自らが酒飲みである作家もいる。
例えば、角田光代。彼女のエッセー「損だけど」を引用する。
激しく同意する。さらに……
激しく共感する私は、だから、家飲み(しかも独り)なのに二日酔いなのである。
ところで角田はその結果どうなるのか。
さすがにジーンズはないが、携帯・スマホとかはしょっちゅうある。
スマホをなくしたときは、飲んでいたところから電車で15分ほどの降りたことのない駅近くの交番に届けられていたことがあった(拾った人が、わざわざ遠くの交番に届けたわけではなく、本当に駅近くに落ちていたらしい)。
駅も、道も、全く記憶になかった。
これもよくある。私自身は(真面目に)初めて話しているつもりなのに、「それ、いつも言うよね」などと、しょっちゅう指摘される。
ちなみに、角田は、2014年4月15日にBSテレ東で放送された『酒とつまみと男と女』という番組で、西荻窪の立ち飲みの焼き鳥屋で飲みながら、このエッセーに書かれているエピソードなどを披露しながら、
と力強く言い放ち、全国の酒飲みたちの気持ちを楽にさせた(かどうかは定かではない)。
さて、エッセーに戻り、先に引用した『人より確実に損をしている。』のあと、角田はこう続けるのである。
そう、必要なのだ。
だから私は、布団から出て、二日酔いでヘロヘロであるにも関わらず、今日も近所の酒屋へ行くのだ。