何がイノベーションなのか?
イノベーションには、線形に進化する持続的なイノベーションもあれば非線形の破壊的イノベーションもあります。でも、やっぱりイノベーションと言えば破壊的イノベーションを想像すると思うので、そのことについて書いてみます。
1.破壊的イノベーション
破壊的イノベーションは【ローエンド型】と【新市場型】に分類されます。 【新市場型の破壊的イノベーション】
ソニーのウォークマン、お掃除ロボットのルンバ、がありますが、やっぱりスマートフォンが近年では最大の新市場型の破壊的プロダクトイノベーションですね。
【ローエンド型の破壊的イノベーション】
リーズナブルな回転寿司、QBハウス、海外とのオンライン英会話サービスはローエンド型の破壊的イノベーションですね。
2.スマートフォンはiphoneが破壊的イノベーションなのか?
国内でスマートフォンはいつから?と思い起こせばiphone3G(2007)を思い出す人が多いと思いますが、実はそれよりも2年も前にウィルコムからW-ZERO3と言う、WindowsMobileを搭載したスマートフォンが発売されていました。国内では結構売れてました。(今でも売れそうですけどね。)
それでは、なぜ、ウィルコムのW-ZERO3はイノベーションとは言われず、Appleのiphoneはイノベーションと呼ばれるのか?
ウィルコムのW-ZERO3は、カメラもあるし、メールもインターネットもできるし、音楽・動画も見れます。Ofiiceソフトも導入できWordやExcel、PowerPointも使えたんです。すごいですね。
でも、イノベーションとは言われなかった。イノベーションの代名詞はiphoneになってしまっている。
私がスマートフォンがイノベーションである根源は、カメラ、メール、インターネット、音楽・動画の機能があるからイノベーションと認知されるのではなく、アプリストアのサービスがイノベーションであると認知させている理由であると考えています。このアプリストアというプラットフォームを作り、そこに数多のプレイヤーを参入させ、iphone利用者がダウンロードして利用する。
このプラットフォームこそが新市場を形成し、破壊的イノベーションと認知させているんでしょうね。
3.それでは電気自動車はイノベーションなのか?
電気自動車を破壊的イノベーションとおっしゃる先生もいれば、破壊的イノベーションに否定的な意見を言う先生もいらっしゃいます。どっちなの?
私の考えでは、電気自動車の単機能だけを見ると、いわゆる内燃機関と言われるエンジンが電気モーターに変わるだけですよね。簡単に言えば動力が変わっただけですよね。燃費などはすごく良くなるのでそういう意味では持続的イノベーションとは言えると思います。電気自動車がものすごく安く供給されればローエンド型の破壊的イノベーションになるとも思います。ただ、スマートフォンのように新市場型の破壊的イノベーションにはならない。
スマートフォンのように破壊的イノベーションになるには、電気自動車と合わせたサービスが必要になりますね。これが自動運転サービスであれば、まさにスマートフォンに匹敵する新市場型の破壊的イノベーションになるでしょうね。
その理由は、自動運転サービスが電気自動車に付くことで自動車の価値基軸が大きく変わります。その変化により自動車に興味の無い人、買わない人が購入することになります。まさに新たな市場形成が生まれますね。
4.最後に整理してまとめておきます。
今回は触れていませんが、持続的イノベーションもまとめて書きました。
新市場型の破壊的イノベーションとは、これまでの価値基軸を変える製品やサービスの事ですね。
ちなみに、スマートフォンが出るまでのガラケーのスペック表とスマートフォン初期のスペック表を並べておきます。
ガラケー時代は「大きさ」「重さ」「待ち受け時間」が選択の重要項目でした。
スマートフォンになって、待ち受け時間を気にしている人はいないですよね。OSが最上段にあり、OSそれに紐づくアプリストアが重要項目になっていますね。