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ソフトバンク ビジネス創造記の感想と考察
1.米国から帰国後になぜSW流通業を選択したか?
(1)コンピュータソフトが今後のビジネスの肝を掴む。
当時はパソコンが非常に高価であったため一般家庭や、一般企業に普及し ていなかった。孫正義氏は、パソコンを人間の頭で考えると、頭蓋骨であるハードウェア、脳みそであるCPUは誰でも持っており、ソフトウェアは知恵にあたり、データは知識であると考えた。最もビジネス社会で重要なのは何なのか。それは知恵と知識であり、その知恵と知識を掴むものが今後のビジネス社会の肝になると考えた。
(2)ビジネスプランの評価項目で最上位である。
40種類あまりのビジネスプランを考案している中で自らがそれを評価する評価項目を25項目ほど上げ、40種類のビジネスプランを採点し、その最上位にあったのがパソコンのソフトウェア流通業であった。その評価項目は単なる事業評価項目ではなく、今後の自らの人生をかけて臨むに値するかの観点が多くあったと推測される。何よりも一生涯かけて取り組むべき仕事であるかの評価項目で近視眼的な評価項目は少なかったと推測される。
(3)今後の成長を見込める新興市場
十分に成長してきた産業や、斜陽産業は考えておらず、新興市場で成長が見込める産業を考えていた。そのため、会社設立から10年以内に日本ナンバーワンになり、30年、50年と成長を見込める市場を選択する必要があった。当初から世界市場に挑める産業を考えている。
(4)PCソフトウェア産業が新興産業で未成熟な市場であった
その当時、パソコンは、一般家庭はおろか一般企業にも普及していない状況であったが、パソコンが持つ可能性は様々な産業界で高く示されていた。業界のニーズ、可能性は高いが新興市場である状況は孫正義氏にとって非常に輝いて見えたと思われる。また、日本国内では米国に比べPCソフトウェア産業も遅れており、米国から帰国した孫正義氏には日本で専門会社を起業することは大きなチャンスであると考えたと推測できる。
2.孫正義氏の起業家、経営者、事業家、戦略家としての資質を考察する。
(1) 起業家としての資質
起業家としての重要な要素に考えた結果に対して行動に起こせる能力があると考える。考え結果を出すことは誰もができるが、リスクを考え過ぎ行動に起こせなければ、どんなに素晴らしいビジネスプランも絵に描いた餅で終わる。孫正義氏は、その起業家にとって一番重要な精神を幼少期に養われたと考える。当時、中学校卒業時に両親の反対を押し切り単身アメリカの高校に留学している。通常では考えられない行動力と言える。この「自ら考え結論を出し行動を起こす。」ことができる。起業家として最も重要な資質が備わっていると考えられる。
(2)経営者としての資質
経営者として重要な事は、明確なビジョンを示し、社員のやる気を引き起こし、顧客満足度を上げ、社会に貢献することであると考える。会社創立時から従業員の前で会社の経営ビジョンを明確に伝え、従業員のモチベーションを引き上げ、顧客に満足して頂き、雇用や納税を通じ社会に貢献している。
(3)事業家としての資質
事業家として重要な事は、自らは考え出した結論に対して迷わず突き進む力であると考える。時には思うような成果が出なくてもそれをやり続けることで、結果を出す。ソフトバンクにおいても同様で、設立時の展示会出展の際には思うような成果が出なかったが、自分が結論を出した事が短期的に思うような成果が出なくてもあきらめず続けることが事業家として重要な要素である。
(4)戦略家としての資質
戦略家して重要な事は、目的達成のために考え行動することにあると考える。ソフトバンクは過去の日本企業には無いスピードで拡大をし続けている。拡大の原動力にM&Aがあり、そこには十分な戦略が練られていると考える。また、孫正義氏は発言した内容も随分と訂正している。戦略家として目標に到達するプロセスは重要視せず適宜見直しながら到達ゴールだけを見て進めていると考えられる。
(まとめ)
先日、ソフトバンクが純利益4.99兆円を突破した。日本企業として過去を含め最高の数字です。今後もさらなる拡大が期待できる。孫正義氏のような希代な起業家が、今後も日本から出てくることを期待したい。