国内のSierはどういう企業が成長しているのか?①
1.Sierを分類で分けると
メーカー系Sier:日立、NEC、富士通、東芝
情報処理産業の創成期から参画しておりトータル領域で事業活動している
ユーザ系Sier:NTTD、NSSOL、JSOL
親会社の情報システム部門から分離独立した企業がほとんどである
親会社の情報システムの構築業務(内販ビジネス)を行う役割もある
独立系Sier:TIS、日本ユニシス、オービック
親会社を持たず資本的に独立している企業
ベンチャー、ソフトハウスから成長するか、ユーザ系から独立する
外資系Sier:IBM、oracle、SAP
言葉の通り外国資本のSier
2.国内Sierを分類ごとの競争優位性?
角埜恭央・椿広計・鶴保征城 著 (2009) 「競争環境からみた日本のITベンダーの特徴に関する研究」では、以下のように記載されています。
【メーカー系Sierの強み】
豊富な研究開発環境を活かした特許取得、研究開発資源、オフショア開発、海外顧客開拓に特徴がある。
【ユーザ系系Sierの強み】
会社を含むグループ企業の需要に大きく依存する一方、そのビジネス運営上の模倣困難な能力を要している所に特徴がある。
【ユーザ系系Sierの強み】
下請派遣志向が多数派である反面、他社が模倣困難なノウハウやスキルを要する企業群もある。
3.ユーザ系Sierの株式上場はどうなの?
ユーザ系Sierも親会社が一部の株を手放し株式上場を実施している企業も多数あります。しかし、100%の株を保有し続けている親会社もいます。
Sierの成長は100%子会社の方が良いのか、株式上場のどちらが成長するのでしょうかね。
抽出企業は
完全子会社:売上高300億円以上でインターネットに財務諸表を公開している企業17社を対象
上場子会社:売上高300億~1500億の株式上場企業のSierの20社を対象
まずは、営業効率は以下の指標を使って見てみましょう。
売上高純利益率、売上高販管費率、売上高営業利益率、
売上高経常利益率、売上高当期利益率
上記の5指標とも
「株式上場企業>完全子会社」
の関係になっていました。
販売管理費は上場企業の方が使っているのにしっかりと利益が取れていることが見えますね。
数字から見ると、完全子会社のビジネスは原価率が高いと言えますね。