シニアになって働く意味を考える⑩ ~平凡こそが非凡~
同じ事務職を約40年
Tさん(男性)は、60歳で一旦定年退職し、現在は継続延長雇用中で62歳(2023.04時点)。ある自治体の関連業務を行う民間企業で、入社以来約40年間一貫して同じ事務の仕事を続けている。もはやデスクワークの専門家。
―飽きないんですか?嫌になったことありませんか?
「法律で決まっている仕事を行っているので会社が解散する確率はゼロ。ずっと慣れた仕事が続けられて生活できています。再雇用になって給与は激減しましたが、新しい仕事を覚える必要もないので」
―ノルマ、業務目標(KPI)などなかったんですか?
「管理職の時は、数字目標はありました。それはそれで苦労しましたが、どこの会社も同じじゃないですか」
―仕事へのモチベーションは?仕事に悩んで辞めたいって思ったことありませんでした?
「家族のためが基本です。同一自治体内にある事務所間の職場異動のみ、出身地に住み続けることが希望だったので理想の職場です。40歳過ぎての転職も厳しそうだったので。この仕事が嫌になり転職していかれた同僚は何人かいましたけど、私の場合、(転職しなかったのは)家族の支えと会社の仲間に恵まれたからだと思います」
「オレ、何で働いてるの?の図」(働く動機レーダーチャート)!
著者の勝手な指標で作った「オレ、何で働いてるの?の図」を作ってもらいました。Tさんのは、こんな感じです。
いや~、バランスがとれていますね。公共関係のお仕事なので「自己実現、社会貢献」の点数が高い。仕事に対するプロ意識が感じられました。
「その他」の中身ですが、Tさんは元高校球児。社会人になってからも草野球を続けていました。50歳から個人でやる競技スポーツを始め、現在も継続中。「勝ち負けにはにこだわらず、自分の競技結果が数字で出てきて自己ベストを目指せるところがおもしろい」そうです。80歳ぐらいまで(できればそれ以上)は続けたいと。すばらしい!
仕事人生満足度曲線
これまでの仕事人生を主観的に描いてもらいました。
働き始めてから上昇し、管理職になった頃から下降し始め、定年の時期に向けて上昇していく。日本の会社員の多くがこの形になっていると思います。Tさんは、慣れた仕事の今の職場で、年金支給の65歳までは勤めたいと言います。
「再雇用制度」は「攻めの選択」、これから先の仕事人生満足度曲線は?
Tさんにとって満足度の高い再雇用継続は65歳で終了。それ以降は家族、プライベート(特に先に書いた個人競技スポーツ)を充実させたいと。二人のお子さんはもう社会人。今の若い人は私たちの時代より厳しいと思いますが、彼らに任せるほかありませんと。
―最後に、人生のポリシーなんてあったりします?
「好きなことを真面目に取り組む」
納得です。
後記:
Tさんのお話を聞いて、「再雇用制度」を「攻めの選択」として捉えていることに勇気をもらえました。どんな仕事でも、その仕事を極めることは自信になりますね。
注)バーナーの写真はイメージです
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