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【書評】帰国子女が身に付けるべき武士道精神 ~義と勇~『武士道』新渡戸稲造著 / 岬 龍一郎 訳
私は小学校を海外の現地校で過ごした日本人ですはアイデンティティが結構ぐちゃぐちゃです。見た目は純ジャパのつもりなのですが、マレーシアでもローカルの人に良く間違えられたり、お店で外国人の妻と一緒にいると日本語は大丈夫ですか?とか言われます。
ただ、やっぱり日本人であることに誇りは持っています。見た目はどうしようもないですが、せめて精神は日本人らしくありたいと思います。見た目はいじられたら”but my soul is japanese samurai” ぐらいは言い返し、その精説明できるようになりたいです。
ということで、「武士道」を読んでみました。7つの精神が解説されています。帰国子女の私から見て、パット見の印象として、感じたことを分類します。
① 義、勇
義 ― 正義を貫く心
勇 ― 正義を成す勇気
大事だと思う。けど、正義って何だっけ?正義は人によって異なるのでは?
② 仁、礼、誠
仁 ― 他者を思いやる心
礼 ― 他者への思いやりの表れ
誠 ― 正直であることの大切さ
これは間違いなく大事でしょう。日本人が良く海外で称賛される行為はこれらの精神から産まれている気がする。
③ 名誉、忠義
名誉 ― 高潔な生き方の証
忠義 ― 主君への忠誠
この精神は理解できないし、必要?外国人から見て日本人の不思議な行動はこの精神から来るのでは?
上記はあくまでもぱっと見の印象です。上記の3つの分類に別けて、本を読み込んだ結果、個人的に感じたことを書きます。今日は①についてです。
義 ー 武士道の礎石
正直、この章の説明はわかりづらくて、何度も読み返しました。結果、負担になろうが怠けたくなったとしても、そんなことはお構いなしに実行しなければならない義務が存在することを知る必要があるということを伝えたいのだと理解しました。
では、武士道における義務とは具体的になんなのでしょうか?そこがいまいち述べられていないので、しっくりこない部分はあります。ムスリム教のコーランみたいに義務として取るべき行動が具体的に書かれているとわかりやすいのですが。
ただ、第一章や他の章以降に記載されていることから読み取る限り、主君に対する忠誠、祖先に対する尊敬、親に対する孝心、愛国心などが該当すると解釈します。
私の感覚からすると、不要だし、負の側面も多いと思ってしまう義務もあります。でも冷静に思うと日本がこれほど発展し、いまでもその遺産の恩恵を預かることができているのは、歴代の先輩方が義務を忠実に実行してきてくれたおかげでもあると思います。私なりに、自分が実行すべき具体的な義務は以下だと感じました。
・会社の利益のために考え、行動すること
・自分の先祖が実施してきたことを知ること
・天皇について知り、説明できるようになること
・先輩方が蓄積した技術とノウハウを理解、発展、伝承させる
・親に近況を1か月に1回以上は伝える
・日本の文化について理解し、説明できること
上記のことを1段抽象化すると、”社会と組織の利益と他者への尊敬”が義務ですね。個性とか個人の欲望なんか知ったことではないのです。現代は、個人の声が大きくなりすぎてこの”義”を失いつつあるのではないかと思います。自分が疲れていようが、どういう状態であろうが、”社会と組織の利益と他者への尊敬を示すこと”は義務であると肝に銘じていきます。
勇 ー 勇気と忍耐
勇 ー 勇気と忍耐
勇気は、義のために行われるものでなければ、徳の中に数えられる価値はないとされた。
勇は、理解した義(義務)を実際に行動に移すために必要な精神だと理解しました。実行しなければ、他者には伝わらないのでこれも身に付けるべきでしょう。そして、忍耐はどんな修羅場でも勇気を実行するのに落ち着いた心の状態を保つために必要だと理解しました。武士の子が勇気と忍耐を身に付けるために実施していたとされる訓練がなかなかスパルタです。現代でこんなことをやれば、その学校や親は確実に叩かれるでしょう。
時には食物をあたえられなかったり、(中略)年端もいかない子供を、まったく面識のない人の所へ使いに出したり、冬のさなか、早朝に起こし、師匠のもとに素足で通わせ、朝食前の素読の稽古をつけてもらうこともあった。
このスパルタ訓練はやりすぎだと思いますが、現代は逆にそういう訓練を身に付ける場が少なすぎるというのが私の印象です。もっとちょうどいい感じにできないか?と思いますね。
スパルタ訓練の悪しき名残が、”部活中に水を飲むな”とか”便器は素手で洗え”とかいう謎の非合理的な習慣ではないかと思います。こういう習慣はなくした方が良いと思う一方で、私の世代以下等の学校教育はあまりに甘やかしすぎな気がします。昭和の根性論には嫌気が刺す一方で、何か強制的にある程度過酷な環境を集団で乗り越えるという訓練を通じて勇気と忍耐を身に付ける場は必要だと思いますね。じゃあ具体的に良いか感じのことを提案しろよという話なのですが、ちょっと今の私には思い浮かびません。
マレーシアの新聞を読んでいたら、マレーシアでは”National Service Training Programme (PLKN) 3.0”なるものが実施されるみたいです。以下の説明をご覧ください。私は、下記のようなプログラムは良いのでは?と思いました。徴兵制は個人の人生を犠牲にするものが大きすぎる印象です。ただ、PLKNは45日の間だけで、期間としてもちょうど良いと思います。実行する中身は良く練る必要がありますが、日本も同様なプログラムの導入を考えてみても良いのではないかと思います。このプログラムで具体的に何が実施されるのかはちょっと調査/聞き込みしてまた紹介したいと思います。
マレーシア政府は2018年に廃止された「国家奉仕訓練プログラム(PLKN)」再開すると発表しました。
— Kura-kura.net🐢🐢マレーシア情報 (@kurakuranet) November 1, 2023
今回の実施では訓練期間を2段階に分け、Form 4とForm 5の学生がそれぞれ対象となるとのこと。
第1段階はForm… https://t.co/0L5dQKVpm6
今日はこんなところです。
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