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新説 パンプキン・パイとシナモン・ティー

 「パンプキン・パイとシナモン・ティー」は、さだまさしのアルバム『帰去来』『風見鶏』『私花集』に続く4作目のアルバム『夢供養』に収録されている軽快な歌です。

2丁目の交差点から17軒目で
時々走って2分と15秒
平均112,3歩目に我等の
コーヒー・ベーカリー『安眠』がある

パンプキン・パイとシナモン・ティー 冒頭歌詞

今更ながら擦りすぎたネタかもしれませんが、これが発売された45年も昔、何度か、え?と思って計算を行ったことがあります。さだまさし好きの理系の性です。なので、とあるタイミングもあったのと(?)、noteという残せる場ができたので、約半世紀振りにメモとして残しておくことにします。

冒頭の、「17軒目で時々走って2分と15秒」ってどうなのでしょうか。
まずは、歌詞通りに進めて、17軒の距離から考えてみます。
基準になる2丁目の交差点だから、建売住宅が繋がっているのは考え難いですが、その狭い条件の場合とビルや店が並んでいる比較的大きな条件の場合の2種類で考えてみました。住宅とビルがミックスされる場合は、その間に含まれます。小〜大というわけです。
幅が住宅の場合・・・車1台+玄関+αレベルで、幅5m
ビルの場合・・・そんなに大きくないとして、幅12m
仮定の距離は、最も短い住宅の場合で、85m(5✕17)、長いビルの場合では、204m(12✕17)になります。

これを2分15秒(135秒)で歩くとすると、
住宅・・・約2.3km/h、ビル・・・約5.4km/hとなり、一般的に歩行の平均速度は4km/hと言われるので住宅なら遅すぎるし、ビルなら速すぎます。しかも時々走るのです。走るところまで考えたらビルの距離に近いかもしれません。
因みに時速4km/hで2分15秒は、150mです。あれ?なんか、さださんがきっちり設定したような数字です。これは注意です。

次に、歩幅で考えてみます。
平均112,3歩とあるので、112歩で計算してみると、住宅の85mを112歩で歩くと、歩幅は約76cmとなります。
時速で近そうに見えたビルの場合は・・・204m/112歩で、歩幅182cm!
これは無理です。1歩が182cmでは頑張った立ち幅飛びです。立ち幅飛びを連続でしながら2分15秒かけて行くのは無理です。非常に怪しい奴です。
そして、150mを112歩は、歩幅134cmなのでこれもおかしいです。さださんの設定疑惑は無かったことにしましょう。

ウォーキングの平均歩幅は身長✕0.45と言われているので、歌の主人公が170cmとすると、76.5cmとなり、ほぼウォーキングしているのと同じ値となりました。

ウォーキングの歩幅なので大きめかも

なので、交差点からは住宅が繋がっている道(店やビルがあっても1軒)の一角にコーヒーベーカリー『安眠』はあるのでしょう。

では、距離からすると時々走るのに何故時速2.3km/hになってしまうのか。
これは歩幅ほど理由は限定はされないのでいくつか上げてみます。
理由① 交差点から急な上り坂である
理由② すんごい向かい風がいつも吹いている
理由③ いつもスマホのながら歩きをしている
理由④ 回りの女の子に気を取られて時間が掛かる
理由⑤ 単にぐうたらで歩くのが遅い

①の上り坂はキツいですよね。でも速度が通常の約半分になるほどの坂なら物凄い坂ですね。
②の向かい風はちょうど測った時に吹いていたのかもしれないと思いましたが「平均」とあるのでいつも強風が吹いているのでしょう。(そんなトコは風の谷でもない)
③は、この時代にスマホは無かったやろ!と思われますが、本を読みながら歩いたりする、ながら歩きはあったかもしれません。(見たことない)
④はこの歌の歌詞を見てるとあり得ない話ではないと思います。(思春期よね)
⑤は①〜④を全て加算したのでしょう。これが一番近いかもしれません。

実はこの理由の検証をしていて、平地を時速4km/hで歩く仕事量(運動エネルギーのみ)と坂道を時速2.3km/hで上る仕事量(運動エネルギー+位置エネルギー)が等しくなると仮定すれば、どのくらいの坂を上がっていったのか分かるのではないか…と思って計算したのですが、結局、仮定を外れて、歩く速度や歩幅は一緒でもその決められた速さで角度が変わる急坂をパワーで登ってしまえば関係ないな…との結論に達したので検証は止めました。

細かく書いているようで、全然細かくない悩ましい歌詞です。ホントに。
でも楽しい歌なので聴いてみて下さい。

完(P.S.をよろしく)


P.S.
 さて、これからが本題の
『新説 パンプキン・パイとシナモン・ティー』
です。
結論を先に言いますと、それは、

「平均112,3歩」は、作った段階では、

「平均212,3歩」だったのではないか?


です。

新説…と言っても、昔、思っていた古い話ですが、上に書いてあるように、4km/hで2分15秒歩くと150mになる場合に、212歩で計算してみると、歩幅は約70cmになります。70cmは、ウォーキングの数値として、160cm✕0.45=72なので、それに近いですし、よそ見をして立ち止まったり、時々走ったりと、良い感じに颯爽と平均時速4km/hで2分15秒歩くと、見事に交差点から150mの『安眠』に着くのです。
歌の語呂として、歌えるんだけども、「に」を省いた方が綺麗だった…ってことはないでしょうか。
僕はこの歌を聴いた時、「平均にひゃくじゅうにさんぽめに…」と聴こえる時があったのです。「に」が小さく入ったように。
結構な早口なのでその頃から少し耳の悪い僕にはそう聴こえていたのかもしれません。
そしてやはり住宅が17軒ではなく、150mだと平均幅8.8mになるので、お店とか個人商店が並んでいるんでしょうね。一気に華やかになりました。
さださんに聞く術もないし、あくまでも仮説の域は出ませんが、『新説、パンプキン・パイとシナモン・ティー』でした。
そんなに力説することでもなかったですかね。
あ、もしかして、既出?💦それなら早く書いておけば良かったけど、その当時はSNSって無かったからなぁ。

完完

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