好きな物がわからないのではなく、好きの感覚がわからないのでは?
「何が好きなのかわからない」
「自分が本当は何をしたいのかわからない」
「趣味でやっているはずなのに楽しいかどうかわからない」
といった相談をよく受けます。
自分の「好き」「したい」「ほしい」がわからない人たちは、
人から「何がいいの?」「何をしたいの?」と聞かれて困ってしまったり、好きなもの探しを必須にやっているのに「好き」にヒットしなかったり、好きなのかどうか自信がなくなって落ち込んでいったりするのです。
好きがわからない原因はひとりひとり違いますが、多くの場合、幼少期の体験にあります。
自分がほしいものを買ってもらえなかった、まわりから失敗したと思われないように選んできた、早く決めないと叱られた、親の好みのものを選ぶように巧妙に仕向けられた、などの体験が影響し続けているのです。
自分の喜びや満足を基準に意思決定をし、それを手に入れて満足を得たり、失敗から学んで次にいかす訓練ができていないので、いつも自分の選択に自信がなくなり、他人の意見や外の基準で決めざるを得なくなってしまいます。
また、感情は体で起こっているので、対象物にフォーカスをしすぎると好きの感覚がわからなくなってしまいます。
そんな人に「ひょっとしてあなたがわからないのは好きな物ではなくて、好きという感覚がわからないのではないですか?」と尋ねるとびっくりされます。
“好き”は頭で考えるものではなく、体で感じるものです。
好きな物にふれているときどんな風に感じているかに注意を集中してみてください。体のどこのあたりがどんな風になっていますか?どんな感じがしますか?それがあなたの“好き”です。
普段、私たちは自分の感情が起こったときの体の感じに意識を向けることなく過ごしているので、その感覚に鈍感になっているのです。
このような“好き”や”満足”の感覚がよくわからないということは、物を選ぶときだけではなく、仕事やパートナー選びなどあらゆるところに影響します。自分が物とどのように向き合っていくかは、人生を左右する大きなテーマまでつながっていくのです。
物や環境に対する自分の感情に向き合いながら片付けをしていくと、そのことがいかに奥が深いのかに気づかされますし、新たな自分を発見します。
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