マネジメントに困ったら読むnote
こんにちは。福永寿徳(ふくながひさのり)と申します。
こんな方々の悩みを解決するお手伝いができればと思い書かせていただきました。これらの悩みはどこまで行っても、これが唯一の正解!ということはないと思います。
そして本書に私自身が0から発明したものなんてほとんどありません。
ただ学びの過程で体験を通じて気づいたことを使いやすくまとめました。
はじめに
私はそもそも研修とかセミナーが本当に嫌いで、そういうのに行く人のことを「気持ち悪い」と思うタイプでした。
しかし、よく知らないものを批判するのは良くないと思って、
なぜか色々たくさん行きました。びっくりする金額を使ってしまいました。確かに良かった部分というか現在の人生や価値観の形成に必要だったな。と思えるものもあれば、ひえええ。うそーん。と思うものもありました。
ただ振り返ってみて一つだけ分かったのは、
私がなぜ自己啓発系のセミナーが嫌いなのか?ということです。
じつは、私はそういったセミナーに「ビビってた」のです。
他人(講師の先生)に自分の生き方、人生、価値観をとやかくいわれたくない。自分が間違っているなんて指摘されたくないし、そもそもお前なんぞに評価されたくない!って叫びながら心の内側では
「自分自身に価値なんてなくて、それが周囲にバレたくない」
と、小さな小さな自分が、さらに小さな小さな箱に入って
「僕の人生はすばらしいんだい!このままで大丈夫なんだい!」
って叫んで強がっていただけだったのです。
未熟な人間が一番恐れていること。
それは「自分の真の価値を問われること」じゃないかと思います。
だからこそ私たちは「自分自身が変わること」を極力避けて、
「他人をコントロールすること」ができるというファンタジーを
いつまでも信じて疑わないのです。
では、なぜ私たちは自分自身のための勉強を避けてしまうのでしょうか?
その理由のひとつにそういう系のセミナーや研修は「売り込みが激しいから」というのがあります。しかも、中には悪質なケースもあって人間関係を巧みに利用して断れない空気にされたりします。
少なくとも私はすごく嫌いでした。
でも実は、ここにいろんなことが集約されているのです。
一言で言うと「断ると私がいい人で居られない」ということです。
断ることは相手を否定することだと勘違いしているのです。
自分自身の「嫌われたくない」という保身的な感情が「断る」ことや「ノー」と言うことができない「いい人」で居たい自分を確立してしまっているのです。ましてや、自己啓発系のことを押し売…勧めてくる人たちは、自分たちが最高であり正しいと主張してきます。だから『一緒に学ばないなんてもったいない』『あなたは間違っている』という空気を出してきます。半ば強制的に入信を迫ってくる新興宗教のようなのです。
だから多くの(普通の)人はアレルギー反応的に「うさんくさい」「あやしい宗教」というような一言で片づけ、あえて取り合うことなく一蹴するのです。そうすることで「私はまとも」であることの証明をしたいのです。でも、それこそが最大の間違いだとあえて言います。
なぜ「うさんくさい」「あやしい宗教」という一言でくくって否定しがちなのか。それは私たちが無意識のうちに強さや美しさを持つ対象を崇(あが)めてしまうからです。そのような人たちの前では自らの無力感や弱さを無意識的に感じざるを得ないのです。するとその対象から気づかない間に劣等感を与えられ、支配(コントロール)されてしまうのではないかという恐怖から、拒否したくなるのです。
とても重要なので丁寧に伝えますね。
私たちは研修や講師を無意識のうちに「権威」として認識しているのです。そして「権威」は、私のことを都合のいいように言い含めてくる。極端にいうと騙してくるんじゃないか?と思い込んでいるのです。この思い込みこそが長年かけて刷り込まれてきたひどい勘違いなのです。
今ここで気づくべきです。
すべての学びは自分のために自分で選んでいるのだと。
研修や講師を心のよりどころにしたり、神格化するなどもってのほかです。一生入信する宗教でもなんでもありません。
研修などはただの靴磨きのブラシだと思えばいいのです。自分の靴を磨くために存在しているのです。重要なのでもう一度言います。
研修など靴磨きのブラシです。
自分のお気に入りの使いやすいブラシを選ぶだけのことです。
私は成長したい人が必要なタイミングで必要なことを学べばいいんじゃない?と思っています。
ここまで読んでいただいて「この考え方、なんかいいなぁ」そう思った人だけこの先も読み進めてくだされば結構です。そして自らの成長、周りの人の成長のために本書を活用してくだされば最高にうれしいです。
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1.だからあなたのマネジメントはうまくいかない
「来季からチームリーダーをお願いね」
「異動先では部門長を頼む!」
こんな一言を言われて一瞬、嬉しい気持ちになったはいいけど、実際に部下を持つってどういうことなんだろうか?でも、まあ昔、部活でもキャプテンとかリーダーやってたし、きっと大丈夫だろう。
このように、ほとんどのマネージャー、管理職といわれる人々はその役職の役割や定義すら曖昧なまま、任命されるがまま現場に立ちます。
そして多くの場合、その人が持って生まれた「資質」や、そこまでの人生の「経験」で何となく手探り状態で実践するわけです。
例えるなら自動車の教習所でアクセルとブレーキだけ習っていきなり車道に出ているようなものです。車道に出てほかの車とぶつかりそうになって怖い思いをしたり、実際にガードレールに擦って車が傷ついてしまっているのです。その結果、何とか我流の運転技術を身に付けているのです。
しかし、あくまで我流ですから少し環境が変わっただけでもう対応ができません。そうして大事故を起こしちゃうわけです。
実際に多くの現場ではマネージャーは日々試行錯誤しながら、時には部下の気持ちを傷つけてしまったり、逆に自らが傷ついてしまったりしながら。 それに耐えた結果「我流のマネジメント術」を身に付けていきます。もちろん我流ですからどこでも通じるわけではありません。だからこそ「自分のマネジメントはすごい!」と信じて自信満々で転職してみると全く力が発揮できないなんていうのは、よくあることです。
我流でもマネジメントを身に付けたという自信(※だいたい勘違い)が持てればまだましです。マネージャー初挑戦のストレスに耐えられなかった人は、自他ともに「マネジメント不適合者」という烙印を心に焼き付けるのです。この烙印のダメージは下手をするとトラウマ級で、もう二度と管理職はごめんだという人も大勢います。話していてマネージャーに向いてるのになぁと思って聞いてみると前職で本当に嫌な思いをしたから…と辞退する人が多くて、もったいないなぁと感じることがよくあります。
本屋に行くとマネジメントやチームビルディングについて本当に多くの書籍が出ていて、例えば「部下のモチベーションを上げる方法」という趣旨と「部下のモチベーションは上げるな」という趣旨の書籍が並んでいたりして結局なにが大事なんだろう?とちょっと笑えてきます。
多くの人がマネージャー=管理職と呼ばれがちなことから、成りたてはとにかく部下を管理してコントロールしなければ!と急に叱ってみたり。でもあまりにも不慣れで自分自身のキャラ設定がうまくいかない。で、少し勉強してみようなんていう気持ちになって本屋でマネジメントの本を見つける。そこには『叱ってもダメ褒めて伸ばす』と書いてあった。そうかそうかと、実践してみる。どんなことでもいいねいいね。と褒めてみる。部下からしてみたら「えぇ(どうした急に?)」である。しかし、この仏のマネジメントを続けていたら、なんだか急に部下たちがつけあがってきた気がする。舐められてる気がする。すると今度はやはり厳しく…。という無限ループに陥り、キャラ設定は無残に崩壊するわけです。
ご存知の通り情報爆発時代と言われるほどにありとあらゆる情報が氾濫していて、ことマネジメントや人間関係についても、それっぽい情報が書籍のみならずインターネット上に溢れかえっています。と、なると結局のとこ
・どの情報を選択するのか?
・いかに実践できるか?
・それを継続できるか?
この3点が非常に重要になってきます。そこで気をつけていただきたいのが「ラーニングプア」という落とし穴です。
え?ワーキングプアじゃなくて?
はい。ラーニングプアで合っています。
勉強熱心な経営者やマネージャーが陥る罠です。
というように、自分自身に課題があることを認めず、外部の学びを悪用して自らの正しさを証明している状態の事です。
この負のスパイラルに陥るとなかなか抜け出すことができません。
だからこそ、まずは「素直力」という力に注目していただきたいのです。
私は今までに凄まじい数の自己啓発セミナーにびっくりするぐらいの金額を投資して分かったことが一つだけあります。世界中のいわゆる自己啓発と言われているセミナーや研修で同じことが行われています。それが「あなたは素直におなりなさい」という説得です。たとえば5時間の研修だとしたら、なんと4時間が「素直になって受け取る大切さ」に費やされているのです。 バカみたいじゃないですか?バカですよね。でもそれぐらい自分の人生について他人に口出しをされること、他人の意見で自分の価値観を変えることが嫌だと感じている人が多いということです。というか分かっているのにできないのですよね。その原因はプライドのフリをしたエゴ(保身的思考)です。
学んだことを素直に実践することが嫌だと思う人が多い。だからこそ、素直に実践、行動する人が勝ち残っていくわけです。とりあえず、このnoteを読んでいる間ぐらいは素直に受け取ってみてください。
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2.ワンネス経営Ⓡの全体像
こんな当たり前の定義を実現できる会社環境を一社でも増やしていきたい。
そんな想いを込めて、一体感のある魅力的なチーム創りメソッド
『ワンネス経営Ⓡ』を確立しました。
私たちは一体感を以下のように定義しました。
『組織の目標を個人の犠牲で目指すのではなく、
個人の充実感のその先にある「共同創造」により得られる感覚のこと』
すみません。ちょっと背伸びして賢そうに書いてしまいました。
簡単にいうと、
『スタッフが自分自身のためにがんばったことが会社のためになり、
会社のためにがんばったことが個人とチーム全員の人生の喜びにつながる』ということです。
一番大切にしている原理原則は『私が変わるとチームが変わる』
具体的な成果として目指すのは
です。
そのために私たちは
を行っています。
今回、このnoteではマネージャー向けの情報の一部をお伝えします。
チームビルディングの初めの一歩は
とにかく共通の体験と言語を持つことです。
例えば、学生時代のただクラスが一緒だった同級生よりも、部活動で一緒に苦楽を共にした仲間との絆のほうが深いと感じている人は多いのではないでしょうか。久しぶりに同窓会などで再会しても当時のあだ名や、思い出を話しているうちにまるで時間が巻戻ったかのような一体感を感じたことはありませんか?共通体験と共通言語は一体感を創る最初の一歩です。
そのため、最近ではチームビルティング研修としてアウトドアでのアスレチック体験やキャンプ体験など、普段とは違う環境で非日常を活用して研修を行うサービスもたくさんあります。すばらしいサービスだと思います。
ただ気をつけていただきたいのは「事件はキャンプ場で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」ということです。非日常空間での気づきを日常生活に継続的に反映させることはなかなか難しいということです。
というわけで、普段の会議室から始めることができる、
まずはワンネス経営Ⓡの基礎理論で共通言語づくりから始めることをおすすめします。。
ビジネスの場面で「影響力は低い方がいい」なんていうことはあまりないです。基本的には影響力が高い方が良いことが多いです。
では影響力を高めるとはどういうことか考えていきましょう。
パソコンはOS(オペレーティングシステム)とソフトの組み合わせで性能が決まるというのは想像がつくでしょうか?
OSとソフトが互いに最新バージョンだからこそ最良のパフォーマンスが発揮されるわけです。ではOSは最新でソフトが少しだけ古い状態だとどうでしょうか?これは特に問題なく機能します。ところがOSが古くてソフトが新しいとどうでしょうか?この状態だと処理速度は格段に落ちて機能低下の状態です。つまり、ソフトの機能がどれだけ高くても、それを動かすOSのレベルまで機能が落ちてしまうということです。
これが人間でも全く同じことがおきているのです。
パソコンのOSとは人間で言う「あり方」ソフトは「やり方」です。
この2つの掛け算によって影響力が構成されているのです。
例えば、ものすごく教えるスキルが高いけど、ものすごく太ったダイエットトレーナーの指導を素直に受け取ることができるでしょうか?ものすごく技術は高いけど、ものすごく虫歯がある歯医者はどうでしょうか?たぶんその人たちの言うことは聞いちゃダメですよね。
私たちはもっと成長したいなと思ったとき、ついついすぐに成果の出やすい「やり方」つまり技術やテクニックを優先して学ぼうとしてしまいます。
それももちろん大切なのです。しかし同時に「あり方」を高めることも重要であるということを頭の片隅に置いておいて欲しいのです。あいさつをちゃんとする。時間を守る。物を大切にするなど。まずはたったこれだけでも構いません。多くの人が「あり方の大切さ」に気が付くのはある程度の歳を重ねてからです。そこまでいってヤバい!自分はなんて薄っぺらい人生を生きてるんだ!もっと早く気が付けばよかった!と後悔しないよう、今日から、いえ、今すぐ意識をしてみてください。あなたの今後の人生で一番若いのは今なんですから。
そして、あり方、特に現場で意識することについてたった一つだけ言及するならば、明るい雰囲気をつくる人でいましょう。ということです。
「明るい職場と暗い職場どっちが好きですか?」
私はこれまでに4000名以上にこの質問をしてきました。
大げさじゃなく全員が明るい職場と答えました。
そして、この明るい雰囲気こそが、チームの能力を最大化する秘訣であると、組織づくりの権威である大久保寛司先生もおっしゃっています。
「明るい」とは「異常に元気でエネルギッシュな」という意味ではありません。すべての職場がハイテンション居酒屋のようになるのが望ましいわけではありません。その職業に合ったテンションがあると思います。
そうではなくて「明るさ」です。
笑顔が自然と溢れる雰囲気と言っても差し支えありません。
明るい雰囲気づくりの最初の一歩目はリーダーがその明るい雰囲気を大切にするということから始まります。決してあなた自身がお笑い芸人さんのようにとてつもなく明るく振る舞わないといけないわけではありません。
(できるなら素晴らしいですけど。笑)
少なくとも「暗い雰囲気づくりの発信源になってはいけませんよ」ということです。そのために、何をすればいいのか?
次章では、すぐに実践できる3つの事について解説します。
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3.すぐに実践できる3つの事
前述した、明るい雰囲気をつくること。そのために思い出していただきたいのがワンネス経営Ⓡの原則である「私が変わるとチームが変わる」です。
当たり前ですが、まずはチームリーダーがこの意識を持つことがとても重要です。
しかし、もしもあなたが「いや、私は変わらなくて大丈夫。私はできている」「私は正しい。変わるべきは部下だ」と信じて疑わないとしたら、おそらくこのメソッドとは相性が悪いのでここから先を読む必要性はありません。どうぞご自分に合うメソッドを探していただければと思います。それこそがラーニングプアの入り口であると気が付いた際には、またこのnoteを手に取っていただければ幸いです。私が変わる。たったこれだけでたくさんの人を幸せにできるかもしれないのです。
そこですぐに試していただきたいのが「口癖を変える」ことです。
これは潜在意識と顕在意識という話であったり、大脳新皮質と扁桃体という脳の構造の話だったりするのですが難しい話は置いといて。とにかく騙されたと思って口癖を変えてみてください。はっきりいってこれが一番効果が高いという自信があります。おすすめの口癖はいくつかありますが、
まずは、「すごい!」「素敵!」「すばらしい!」
この3つから始めてみてください。
とてもメジャーな「3つのS」というものなので、ご存知の方も多いかもしれません。しかし「知っている」、「できる」、「習慣になっている」ことは全く違います。ぜひ実践してみてください。
【事例】ちなみに実話 ⬇
最初は頭の中と言葉が一致しなくていいのです。言っているうちに思考のほうが引きずられていきます。難しいことを考えずに反射的に「すごーい!」って言ってみてください。
このように課題として取り組むと「心から言わないと意味がない」という反対勢力が必ず現れます。そんなものは全力で無視してください。「形からから入って心に至る」という言葉があります。たとえカタチだけに見えても、繰り返し行うだけで心は自然とついてくる。という意味です。明るい雰囲気づくりのために口癖を変える。まずは自分で100%コントロールできる口癖から取り組んでみてください。
アドバイスは得意ですか?
きっと、得意な方が多いと思います。むしろアドバイスが上手だからマネージャーになったと自負している人もいらっしゃるのではないのでしょうか?
部下が抱える問題の本質をすばやく掴み、的確にあくまでスマートにアドバイスができる…ってなんかかっこいいじゃないですか。シビれる憧れる~!じゃないですか。でも、残念ながらこのアドバイスがだいたいマネジメントの質を落としています。むしろ人間関係を悪化させています。
なぜなら、アドバイスとは「個人的な成功自慢」だからです。
いやいやいやいやいや。それはさすがに違うわ。と思いましたか?とりあえず素直力を発揮して一回読み進めてみてください。
反論はその後で聞きます。
一番わかりやすいのは親から子へのアドバイスです。
これを読んでる人の中でいらっしゃいますか?うちの親のアドバイスは常に的確だった!っていう人。例えば1990年ぐらいに「いいか、これからの時代、今は肩掛けの携帯電話がどんどん進化して持ち歩くことができて、しかも画面をそのまま操作できる時代がくるからプログラミングの勉強したほうがいいぞ」って言ってくれた親御さん。
いました?
いたとしたら、たぶんその人はタイムトラベラーです。大体の親が「公務員は安定してるぞ」とか「お前の好きなようにやれ」とかでしょ。無理だもの。アドバイスは自らの体験と価値観からしか生まれないのだから。あなたの時代背景の、あなたの体格と容姿をもって、あなたの経験が蓄積された思考で、あなたの場合にたまたまうまくいった方法を偉そうに語るなだし、押し付けるなということです。
しかし、私の経験上マネージャーと言われる人の部下に対しての発言のうち88%が無意識のうちにアドバイスになっています。この無意識のうちにというのがやっかいなのです。部下はただ聞いてほしかった、知っておいてほしかっただけなのに気が付いたらアドバイスされているのです。するとどんな感情になるでしょうか?
(え?だったら最初から全部教えてくれたらよかったんじゃね?)とか
(もういいや、言われた通りにしとこう)とか。
無意識アドバイスは考えることを諦めさせちゃうんです。こんな大変なことが起きているのにアドバイスしている側の自覚がないので恐ろしいんです。だって気分がいいから。なので、ぜひこう覚えておいてください。
『アドバイスは求められた時にする』です。
具体的に言うと「ちょっとアドバイスがいただきたいんですが」ときたら、どんどんしてあげてください。ところが、せっかくアドバイスを求めてきてくれた時に限って「で、きみはどう考えているの?」と謎のコーチングモードに入る人がいます。なんなんでしょう?安易に答えは教えないぞ。
みたいなモードに入るんですよね。
求めてるんだからそれはアドバイスしてあげてください。
で、問題なのは(あ、このままほっとくとまずいな。)とあなたが感じたときです。ここは絶対にアドバイスしないと!と思ったとき。その時は「その点についてアドバイスがあるんだけど伝えてもいいかな?」とアドバイスをする許可を取ってみてください。あなたが嫌われていない限り「あ、ぜひお願いします」となります。相手が求めている状態でアドバイスしてあげてください。そんな些細なことで??と思うかもしれませんが、とても効果的な一言なのです。
キャッチボールで相手がこっちを見てないのにボールを投げたら受け取れないですよね。相手が受け取る準備ができた状態でボールを投げると投げる側も受け取る側も気持ちがいいのです。
自主性と主体性の違いを説明できる人ってなかなかいません。ほとんどが言葉の意味をあまり深く考えず音の響きだけで使用されています。それなのになぜか「うちのスタッフは自主性がなくて」とか「〇〇さんにはもっと主体性を持って働いてほしい」とか言いがちですよね。自主性とか主体性って言っていると仕事してる風に見えるんですかね?
実はこの自主性と主体性の違いを使い分けるだけで、スタッフの成長速度が圧倒的に変化します。
両者の違いにお気づきですか?
共通しているのは自主性も主体性も両方、前向きで意欲的であることですね。違いは、自主性は考えなくてもできる、
主体性は自分なりに考えて意思決定をしている。という点です。
仮に一日に5回自主性を発揮する人と、主体性を発揮する人がいたとします。1カ月20日働くとして主体性がある人は一カ月で100回も自分なりに考え意思決定しています。年間にすると1200回です。この自主性と主体性の使い分けを実践するだけで圧倒的な成長の違いが明確化することがご理解いただけたでしょうか?
もちろん、自主性の手前に「指示待ち」というレベルが存在します。文字通り指示があるまでは何もアクションを起こさない人です。その人には「手が空いたら『次は何をしたらいいですか?』って聞いてね」とちゃんと伝えてください。え?そんなことから言わなきゃいけないの?と思った方。ええ。そうです。そこからちゃんと伝えないといけないんです。しかしながら、実際のところ自主性のハードルは低いのです。なぜなら考えなくてもいいし、決めなくてもいいからです。最低限職場の全員が自主性を持てるようにしたいものです。
そこまでできたら、次は主体性のフェーズです。部下にこのように伝えてください「じゃあ今度から見通しがついている業務については『次はこうしようと思います、いいですか?』と聞いてもらっていい?これを主体性っていうんだよ」と。自主性と主体性という言葉を職場の共通言語にしてしまうのです。自ら考え動ける人材はエンジンです。社内にエンジンが多いほど速度が上がることは火を見るよりも明らかです。成長速度を上げたければ自主性と主体性を共通言語にしてしまいましょう。
おわりに
今、このnoteを書いて改めて実感しているのは「私は自己啓発の押しつけが嫌い」ということです。押し付けられるのも押し付けるのも嫌いです。人それぞれに成長速度と必要なタイミングってあって、自分が変わりたいと思った時が学び時です。これが問題意識を持てた時点でその問題の8割は解決しているといわれる理由です。逆にいえば本当に変わりたいと自分自身が思わない限り何をやっても無駄ということ。一番困るのは「あの人がすごく困ってるから福永さんに会わせたい」という人です。あの人は困っていません。困っているのはあなたです。太ってないと思っている人にあなた太ってるから痩せたほうがいい。とその人は言っているわけです。大きなお世話です。
まずは自分自身。『私が変わるとチームが変わる』
もちろん私自身もまだまだ成長過程です。一緒に成長していきましょう。
それではいつか直接お会いできる日を楽しみにしています。