凪も時化(シケ)も推進力にする人【賜物図鑑】
賜物(才能・個性・強み・ギフテッド)のシンボル化
みなさまの強みや資質や特性をご紹介する【賜物図鑑】シリーズ。
来談者さんの賜物(天与の才能・強み・特性・本質的な個性・特異な資質・ギフテッド)を、ものや景色にたとえてシンボル化し、図鑑形式でご紹介しています。
Symbol of Giftedness
「ヨット」
波風も凪も嵐も推進力にする人。
<キーワード>
風向き
舵を取る
波に乗る
時化(シケ)
シングルハンド
サバイバル精神
荒波に揉まれる
セーリングクルーザー
酸いも甘いも知り抜く
待てば海路の日和あり
<特徴/性質>
人生の山あり谷ありを
すべて受け止める覚悟がトリガーとなり、
自らに作用する。
単独行動時、
サバイバル精神・流れを読む力・
逆境への忍耐力・ストレス耐性など、
あらゆる身心のパフォーマンスが
複数人や集団での行動時よりも格段に向上する。
<強みを発揮するとき>
その性質から、
組織やチームで足並みを揃えるよりも
1人働きのほうが向いている。
人間関係を大切にしつつ、
つかず離れずの立場や態度に
周囲の理解があれば尚良い。
単独行動しながらも、
時宜を見極めて他力を借りることで
物事がうまく運びやすくなる。
<弱みになるとき>
取り組むペースが合わない人との集団行動。
右向け右で足並みを揃えるのに
人一倍我慢しなければならず、
一緒にい続けるのが辛くなる。
凪のときに焦って動くと空回りする。
(助力が得られない・物事が進まない・
停滞している状態・退屈なとき)
<解説/編集後記>
シングルハンド
今回の賜物シンボルは、ヨットです。
風を受け、大海原を力強く駆ける小さな船。
白波を越え、荒天でも晴天でも、単独で自由に進む。
そのようなイメージが浮かびました。
私はてっきり、
ヨット=小さな1人か2人用の帆船
だとばかり、思い込んでいたのですが、
キャビン(船室)があるもので、
日本一大きなヨット「翔鷗号」は
長さが約18mで、定員は35名。
世界最大級のヨットになると、
全長100mをゆうに超えるそうです。
今回の賜物のシンボルにイメージしたような
1人で乗る船は「シングルハンド」と呼ばれ、
長さは10m前後だとか。
10mと聞くと、まあまあ大きいようにも
思えるかもしれませんが、
長さ24m未満の船は、すべて「小型船舶」
に分類されるのだそうです。
広大な海に浮かべてみたら、
まさに小舟のようなもの。
そんな船で、世界中の海へ出ていく人たちが
いるのだから、すごいですよね。
日本人では、過去に4人。
ヨットでの単独無寄港無補給での世界一周を
達成された方々がいらっしゃるそうです。
単独行動なら10倍動ける
1人で何でもしなければならない
1人用のヨットが、賜物のシンボル。
その最大の特徴は、
単独行動するときに限る、という条件つきで
パフォーマンスが大きく上がります。
想定外に強く、ストレスにも耐性があり、
むしろ困難を原動力にしてしまうほど。
船で嵐や波風を乗り越えるイメージどおり、
逆境や苦難で、トラブルシューティングで
むしろその真価が発揮されます。
単純な比較はできませんが、
1人で動くときと、複数人でいるときでは、
パフォーマンスが10倍は違うのではないかと。
「単独行動するときに限る」というのが
賜物が発動する条件になっているのは、
マンガで例えるなら、呪術廻戦でいうところの「縛り」。
HUNTER×HUNTERでいえば、
「制約と誓約」みたいなものですね。
制約(ルール)と誓約(覚悟)を課すことで
持っている能力や精度を著しく上昇させる。
この場合は「単独行動」が制約(ルール)。
まさに、そのような特徴を持った賜物です。
20歳のときに立てた誓い
自らに課した誓約(覚悟)について、
この賜物を解読させていただいたときに
来談者さんが話してくださいました。
この賜物を持つ来談者さんは、
20歳の時に誓いを立てられたそうです。
「人生、酸いも甘いも噛み分けよう。
いろんな体験を楽しみ、人生の達人になろう」と。
この誓いと、それを実行した人生の選択が
ヨットの賜物が開花するトリガーでした。
これに限らず、このように、
人生経験から得た教訓や自らに課した誓いが
賜物が開花・発現するトリガーになることは
珍しくありません。
賜物は、意識の発達や精神の成長に伴って
開花する才能や資質ですから。
1人であっても、孤独ではない
おそらく、この来談者さんは
これまでの人生で山あり谷あり色々あって、
数々の苦労と苦難の荒波を
独りで乗り越えてこられたことでしょう。
それでも、20歳の頃に決めた生き方に従い、
「全て自分が受け止める」という覚悟で、
酸いも甘いも噛み分けてこられたのだと思います。
常に独り、というわけではないにしても、
この社会で1人で生きるのは大変なこと。
どんな仕事や活動であっても、
すべてが自己責任。
知識も経験も技量も体力も求められます。
あと、まさにこの方の人間関係のスタンスだ
と感じたのは、お友達づきあいのお話でした。
特定のグループに入って云々、などの
しがらみが特になく、友人知人とは
場所とタイミングが合えば会う程度で、
つかず離れずではあるものの、
特に寂しくない、のだそうです。
時には波まかせ風まかせ、他力本願
1人乗りのヨットで海を行くのは、
いかにも自分の思い通りに進み、
優雅で自由気ままな印象を受けるかもしれません。
しかし、ままならないことのほうが
実際は多いのではないかと思います。
波や風がなければ、船は進みません。
凪につかまれば、お手上げです。
かといって、海が時化(シケ)れば、
強い波や風に船をひっくり返されかねない。
自分1人のチカラだけでは
どうしようもないことを
度々突きつけられることでしょう。
そこを焦って、1人で無理に
事態を動かそうとしても、疲れるだけ。
単独行動で、1人で舵をとり、
常に自分に出来る最善は尽くすけれども、
1人で何でもできそうに思えても
1人で抱え込みすぎないで、
自分にコントロールできることと
そうでないことを見極め、
時には人に頼り、タイミングを見極め、
流れに身を任せたり、他力本願でいく。
人に頼り、助力を受けてこそ
私は単独で進めるのだと、
人との繋がりに身を委ねるときが、
この賜物が成熟したときなのかもしれません。
「ヨット」の賜物の
シンボル解説をさせていただきました。
お読みいただき、ありがとうございました。