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金沢21世紀美術館


昨日ネットニュースで、長期休館に入るという記事を見て思い出したので、一月に訪れた金沢21世紀美術館について書きます。


展示替えの様子


まず館内に入って、21世紀美術館の建物の特性が生んだレアな現場にわくわく。
21世紀美術館は円形の建物。行き止まりがなく、ひらけた美術館。
だからこそ、「展示替え」の様子も隠して行いづらいんですね。

数日前まで開催されていた展示がすこ〜し撤去されかけている状態で残っていたり、壁にシートで貼られていた展示タイトルをヘラで剥がしていたり。

DANCING WITH ALL:


館内のメインとなる展示はこちらでした。
タイトルからどんな展示だろう、と色々想像できます。

この壁のデザインを見た時、周りの曲線の矢印がくるくるゆっくり回っているように見えていました、私には。

何でできているでしょうか

最初に入った展示室には、こちらの作品が展示されていました。
エヴァ・ジョスパンによるダンボールと木のみ使って作られた作品なんだそう。
ジョスパン氏はYoutubeの作品インタビューで、

「ダンボールはいつも私たちの欲しいものを包んでいるだけの素材。誰もダンボールのことを欲しいとは思わないけれど、そんな素材で作品を作ることにより、皮肉な美しさを表現することになる。」

「作品は森をテーマに木から作られる素材で作っているが、残念ながら直接的な循環はしない。この作品で使用する素材は絶えず伐採されている木材から生まれるが、作品を作ることによって森に資源を返すことにはならない。しかし、表現の中で循環しているということを伝えたい。」

というように話しています。
この作品を見たときに、最後に行き着くテーマはなんだろうと思いましたが、インタビューを見て「表現の中で循環」というものがそれにあたるのだろうと思い、物凄く腑に落ちた感覚を得ることができました。


中を覗き込むと巨大な作品が

アルゼンチン出身のアドリアン・ビシャル・ロハスは、地震後に美術館を訪れ、震災前はガラス板だった天井に『消失のシアター』として、15世紀のイタリアの画家・ピエロ・デ・ラ・フランチェスカ『出産の聖母』を複製したものを張った。そして地上には『想像力の果て』と題した彫刻作品を。コンクリートや金属、廃車の部品からなる巨大なオブジェが設置されている。

https://numero.jp/news-20241129-kanazawa21/




小さな入り口の中に広がる大きな空間と、圧巻の作品に鳥肌が。
震災時に天井のガラス板が落下する被害があったこの部屋。天井には聖母、地上には無機質な廃材で作ったオブジェ。
正反対の存在をあえて引き合わせたのは、治癒と癒やしを与えるという願いからだそう。素敵です。


このくらい大きいです


そして、21世紀美術館といえばの「レアンドロのプール」
こんな作品が日本にあるのが不思議なくらい素晴らしいアイコニックな作品です。

レアンドロのプールに入るのは二回目ですが、今回も晴れてくれたおかげで、光を浴びたプールを味わえました。


韓国人のお姉さん、夢中で写真を撮っていて可愛かった


今回はプールを楽しむ人々を収めたくて、こんな構図で撮ってみました。
地上からあの「お馴染み」の撮り方をする知らない誰かを撮影しましたが、なんだかみんな可愛らしくて、人々が作品の一部になっている姿がこのプールの良き完成系であると感じました。


光と影を作り出す建築


展示はもちろん素晴らしく、面白かったですが、やっぱりこの建物の作りが一番の見所ですね。

壁はまっしろ、床は冷たいコンクリート、天井は光をぼんやり反射し受け止める。外観はガラス張り、光をたくさん取り込んで、闇ではない影を作り出すこの建築が私はすごく好きです。

また次回行く時も、晴れるといいな。

2025.1.21 in Kanazawa

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