東ゆうはクズなのか?ちょっとそれは気になる。
きっかけ
最近トラぺジウムのことばかり考えてしまっている例のごとく脳を焼かれた一般人です。
先日Xを見ているとこんな記事が流れてきました。
怪作『トラペジウム』に集まる「主人公がクズ」評──幼さと狡猾さが同居する「性根ガッサガサ」のリアル(松谷創一郎) - エキスパート - Yahoo!ニュース
この記事について、トラぺジウムを見た1人として、賛同できない部分があったの語らせていただきます。
なんかあれば消します。
東さんの性根・性格について
記事内で「東は、決して「性根が腐った」という感じではない。なぜかといえば大した屈折や挫折が感じられず、もともとこのように育ってきているようだからだ。だからこそデフォルトで「性根がガッサガサ」と感じる。」
と記載されている。
ここは自分が映画を見たうえで、感じ方が違うなと思いました。
先ず「大した挫折や屈折をしていない」の部分ですが、劇中ではっきりと明言されている「オーディションに全部落ちた」の件がその挫折なんじゃないのかなと思います。
アイドルを目指すひとにとって、オーディションに落ちることはものすごい挫折だと思うし、同時に残酷な現実を突きつけられることだと思う。憧れや好奇心だけで成功できる世界ではないと思い知ることになるだろうし、他と自分を比較して如実に才能を見せつけられる経験だと思います。
そんな経験をした東さんは、「自分一人ではアイドルにはなれない」と痛感します。(ポスターにも書いてありましたね)
だからこその本編でのあの計画なんだと思います。
以前の自分の記事でも書きましたが、「才能がない自分が、それでもアイドルとして輝くための計画」が東さんの計画なんだと思いました。
なので、大した挫折もしていないは、自分は違うのかも~と思いました。
東さんの計算高くも幼稚な部分
記事内で「彼女はしっかりと計画を練っており、すべて損得を基準に判断する。感情的で刹那的な若者ではなく、冷徹で狡猾な山師だ。」と書かれていますが、ここも自分とは意見が異なると感じました。
まず、東さん。ものすごく感情的です。作中で一番感情が顔に出る人物なんですよ。
嬉しい時も、楽しい時も、それこそ悲しい時も怒っているときも。
・4人でボランティア活動できると考えていたら、実際は別々に行動することになり、ふてくされる。
・学園祭の時も、ライブを見に行く予定が中止となり、しばらくテンション下がる。
・彼氏発覚の際も、周囲の目も気にせず舌打ち&「最低」発言
負の感情なんか、本編だけでここまで出てくる。
冷静で狡猾な人物が、ここまで感情を表にだすのかな?と単純な疑問。
彼女の計算高い大人な部分もありつつ、その計算から外れると感情をコントロールすることが困難になる幼い部分も内包した存在だと思います。
記事内で「幼さと狡猾さの奇妙な同居」と書かれていますが、まさにそれですよね。なのにその数行後にそれを否定するようなことを書かれているので矛盾してないかなと感じました。
東さんの何がおかしく見えるのか
では、東さんは何がおかしく見えるのか。
自分なりに考えた結果、やはり「アイドルへの強すぎる憧れ」ですね。
アイドルという職業への憧れ・考え方は、ほぼ信仰に近いです。なんなら狂信。
アイドルになるための4か条からもわかる通り、東さんは理想のアイドルを目指している。
普段は目立たない。歌も上手く、ダンスも上手。彼氏もいない、SNSもやらない。そんな旧時代的ともいえる理想のアイドル像(偶像)。
そんな完璧ともいえるアイドルに本気でなろうとしている。そして実際にそれを、ほぼ実践するまでに至ってますからね。
そして、そのアイドルへの憧れは他者にも向きます。
「アイドルは素敵な職業だ!」→「こんな素敵な職業に女の子が憧れないわけがない!」→「かわいい女の子が、それを目指さないのはもったいない」こんなかんじかな。
東さんは自分がアイドルになることと同時に「みんなもアイドルとして輝くこと」を目的としてる 。
「可愛い女の子は輝くべき」っていう本編の発言もあるし 彼女たちも幸せにしたいと考えてる。
アイドルを絶対視しすぎた結果、アイドルであることが女の子の幸せであると決めつけてしまったのだと思います。
「アイドルになるために周囲を利用しているからクズ」なのではなく
「可愛い女の子はアイドルとして輝くことが幸せ」というアイドルという職業に対する思いの強さ故の狂信によって、周囲を巻き込んで動いているからおかしい人に見えるのである。
と私は考えました。
最後に
というか本編以前も本編内でもしっかりと挫折し、自身の醜さや性格の悪さと向き合って、それでも諦められないアイドルへの憧れとも向き合って、改めて仲間たちとも向き合って、最後成功を掴んでる。
そんな東さんをただ性格が悪いだけの女の子とは言いたくないです。
以上。
頭をやられたオタクの独り言でした。