写っていないこと — 吉田亮人『The Absence of Two』
異様な迫力のある写真集だ。
ネットで事前に得ていたイメージと、実際に手に取ってめくってみての印象が、これほど異なる写真集は初めてだ。
写真に写っていないこと(absence)を無遠慮に勝手に想像せざるを得ない。
きれいなお話にまとめることもできたはずだ。しかしそうせずに、写真集を見る者に〈も〉自由な想像を許した。その写真家の勇気に感心する。
今この写真集をひらくと、ドロドロという低音が鳴っている。次にめくってみる時には、どんな印象になるだろうか。