shapez2 液剤の評価(新コンテンツに等しい)とワイヤー所感

液剤の評価

液剤は図形とはかなり性質が異なるので、図形を運ぶベルトと同じ感覚で液剤を運ぶパイプを引き回すと工場はうまく動かない。

だから、プレイヤーは図形(ベルト)の扱いとは別に液剤(パイプ)の扱い方を学ぶ必要がある。

つまり、shapez1でベルト(図形)とワイヤー(信号)の2コンテンツだったところに、shapez2になってパイプ(液剤)という新しいコンテンツが加わって、ボリュームが増えたと理解して良い。

液剤の性質については、現実の液体の物理をうまくゲームに落とし込んであると感じた。

たとえば、液剤と液剤を加える(混ぜる)と体積が増える(保存される)こと。公式Discordのブループリントを見ても、この性質をしっかり応用して無駄なく液剤を使い切っているものは少ない。また、言及は見当たらないがパイプと液剤の性質は「パスカルの原理」を模したものになっていると思う。よく考えたものだと感心する。

アーリーアクセスなので説明不足があり、そのせいで難しくなっているところもあるが、探究心のある人にとってはおもしろいコンテンツになっている。

プレイ当初は液剤に関しては評価を保留としていたが、プレイ時間70時間を超えた現在、高評価で間違いない。

shapezが1からshapez2になって変化したものはグラフィックスをはじめ色々とあるが、液剤の性質変更は最も大きな成功と言えるのではないだろうか。

shapez1では図形と液剤がほぼ同じものとして扱われていたが、制作者は的確にこの点に着目して変更をかけ、ゲームのボリュームを増やして面白くした。畏敬の念を通り越して天才すら感じる。

ワイヤーについて所感

対してワイヤーに関しては、まだ触り始めたところなので、引き続き判断保留としておきたい。

ワイヤーに関する目立った変更としては、ワイヤー専用レイヤーがなくなり、ワイヤーをベルトやパイプと同じフロアの上に設置するようになったことがある。(もちろん論理回路なのだから本質的なところで大きな変化があるはずはない。)

これには良い点もあるのだが、フロアをベルトやパイプと共有しているので、「ワイヤーを活用すれば複雑な工場をコンパクトにまとめられる」といった、実体(ベルト(図形)、パイプ(液剤))と仮想(ワイヤー(信号))の相互関係とでもいうものがなくなっており、ワイヤーを使ってやろうというモチベーションの喚起にはつながっていない。

shapez1では、窮屈な実体(ベルト)の世界を離れて仮想(ワイヤー)の世界に移ると、広々とした別世界で自由にワイヤーを引き回すことができた。そして、実体世界の工場をコンパクトに美しく高機能にすることができた。

しかし、shapez2ではワイヤーを引くときにベルトやパイプが邪魔になるし、ワイヤーを引けば引くほど工場は複雑で窮屈になってゆくのである。

こういったところで、この変更がワイヤーを使う面白さにつながっていないように思うのだ。

公式Discordを見ているとEAからのプレイヤーの大抵の「思い付き」は既にアルファバージョンで検討(そして不採用)済みだったりするので、この「思い付き」もその類かもしれないが。