そうなんだ!みんなの気持ちは変化する!「社会的受容」(安全管理)
こんにちは、本日は総合技術監理キーワードの第三回目になります。安全管理から「社会的受容」を取り上げます。
社会的受容とは、ある事柄に対しての正の効用(リターン)と負の効用(リスク)を考慮して社会がその事柄を受け入れることを言います。
この社会的受容は、時代や地域によってその社会における受け入れ方は、変化します。すなわち、社会的受容は、恒久的不変の観念ではなく、一時的可変の観念ということができます。
たとえば、原子力発電所建設に際しては、これまで地元の方々の関心が大きく反対活動をされる方や誘致に奔走される方が報道されていました。一方で、電力の最大消費箇所である都市部の方々においては、地元の方々と比較して関心は大きくなかったように思います。
東日本大震災以前、原子力発電は、二酸化炭素削減のための手段として、もてはやされていました。二酸化炭素排出量の大きい火力発電のシェアをより排出量の少ない原子力発電に移行する施策が日本ではとられていました。これは二酸化炭素の問題だけではなく、地下資源が乏しい日本において社会的受容を図られた施策であったように記憶しています。しかし、東日本大震災以降、事故発生時の甚大なリスクの目の当たりにし、社会的受容は変化しました。反原発を訴える方々も地元・都市部に関わらず増え、原発再稼働問題が議論されています。
では、技術者は社会的受容のため何ができるのでしょうか?
技術者にできることは、「リスクを最小化する努力を行うこと」と「リスクに関する情報を正確に伝え社会が判断できる材料を提供すること」であると考えます。
そのために、技術者はリスク最小化に向けての技術開発あるいは代替手段の提示と社会に対するリスクコミュニケーションを行わなければならないと考えます。
(文責 小川晴彦)