えっ?前向きになれる?「予防倫理と志向倫理」(技術者倫理)

こんばんは。技術者倫理のnoteを執筆しています小川晴彦です。社会基盤系エンジニアをしたり、技術者倫理の研究ワーキングに所属してたりしてまして、予防倫理や志向倫理を考究しています。

今日は、技術者倫理における「予防倫理」と「志向倫理」を解説します。

まず、予防倫理とは、倫理的問題が直面したとき、誤った行動をとらないように予防しようとする考え方です。

一方、志向倫理は、あるべき姿とは何か、より良い意思決定と実践を目指す知的英為をいいます。

一般に、予防倫理と志向倫理は二分法で説明されることが多くあります。

しかし、予防倫理が倫理問題に直面した場合という限定的な考え方であるのに対して、志向倫理はあるべき姿やより良い意思決定と実践についてという広範な考え方です。

したがって、志向倫理は予防倫理を包括してしまう巨大な概念となります。

何のために倫理的な行動をするのかを考えたとき。「捕まりたくないから」、「世間の目が気になるか」、「迷惑になるから」、「コンプライアンスだから」、「社会に影響を与えるから」、「より良い生き方だから」等様々な動機により倫理行動を取ることになります。

また、倫理的な行動も様々で、「自己努力で解決する」、「仲間と共に解決する」、「他の組織を巻き込んで解決する」、「社内に警鐘ならしをする」、「社外へ内部告発する」等様々な実践があります。

どのような動機か?どのような実践か?は、その技術者の立場、技量、技術、経験、考え方に委ねられ、それぞれが自分なりの動機で自分なりの実践をすることになります。

なぜならば、そこの答えは、技術者それぞれに委ねられているからです。

そうは言っても「どうしたら良いのか?」ということを考えるときに、先人たちの考え方やケーススタディを学ぶことは、自分の背中を押してくれることがあります。

技術者倫理の学習とは、いつかくる自分一人で判断しなければならなくなった局面において、そっと背中を後押ししてくれるようなものだと、考えています。

ある人は、職業選択のときに。ある人は、コンプライアンス事象に遭遇したときに。ある人は、技術者人生を振り返った時かもしれません。

様々な局面において「自分の判断に悔いはなし」といいきれるように、技術者倫理学習を共に行っていきましょう。

(文責 小川晴彦)

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