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英文契約書の用語、構文  「in witness」、「whereas」、「now, therefore」、「Recitals」

ブログということで、その時に頭に浮かんだり、思いついたりしたことを書いているためと、書き手によっても、その時に書きたいことがあるため、「英文契約書の用語、構文」という仰々しい表題の割には、全体としての整合性もなく、順序立てた説明がなされた内容ではありません。ただし、、契約書やマニュアルといった、原文の忠実に訳すことが求められることが多い側としては、思いつき的に何かを書くことができるというのは、一種の息抜きになることがあります。

今回は、「in witness」、「whereas」、「now, therefore」、「Recitals」について契約書翻訳の視点から見てみます。
前回、「whereof」が英文契約書の結びの冒頭で使われる場合について、以下の例文を作成しましたが、この中で、「IN WITNESS」は、「~を証するために」の慣用句です。いずれもいささか古めかしい表現ですが、伝統的なスタイルで英文契約書において一般的に使われています。

1. 「in witness」
「IN WITNESS WHEREOF, the parties hereto have executed this Agreement …………」(本契約を証するために、本契約の両当事者は…………)

なを、「witness」の古い形である「witnesseth」が英文契約書の前文に「(本契約は)以下を証するものとする」の意味で使われている場合も相変わらず見受けられます。

「in witness whereof」と同じ意味で「in witness hereof」も「~(以上)の証として」の意味で使われています。

2. 「whereas」、「now, therefore」
「英文契約書の前文」には、「witnesseth」の他に、「whereas」、「now, therefore」など、英文契約書の結びの部分と同様伝統的なスタイルの用語が使われているのが良く見受けられます。「whereas」は、契約を締結するに至る経緯や契約当事者についての説明等が書かれています。そのため、「説明条項」などと言われますが、「whereas」それ自体を訳さないこともあります。例えば、

WITNESSETH

WHEREAS,

for many years, ABC Company is has sold XYZ products (hereinafter referred to as the “Product”) through xxxxxxxx market in the world and desires to sell the products…………

(ABCは、長年にわたり、xxxxxxxx市場を通じて、XYZ 製品を世界中で販売しており、「製品」を販売することを希望している。)

WHEREAS,

EFZ Company is willing to purchase the product form ABC Company …………

(EFZは、ABCから「製品」を購入する意思がある。)

NOW, THEREFORE, in consideration of mutual agreement specified in this Agreement, the parties agree to the following:

(よって、本契約が規定する双方の合意を約因として、両当事者は、以下に関して合意する。)

などと記載されます。「Consideration」については、以前「英文契約書の前文」で触れたことがあります。

上記の例文は、フォーマルな形式の一例として作成してみましたが、とくに、これらのスタイルを踏まなくても、例えば、上記の例では、製品の引き渡しと代金支払いが明確に規定されていれば、問題ありません。

3. 「Recitals」
上記の部分(英文契約書の頭書と説明条項)を「Witnesseth」と「Whereas」を使わず、以下のように「Recitals」(経緯)として記載することもあります。

     RECITALS

ABC Company desires to sell ………….

EFZ Company is willing to ………….

 これも、伝統的なスタイルです。

参考図書:

ランダムハウス英和大辞典(小学館)
ビジネス法律英語辞典(日経文庫)
Business English (Barron's)
The New Oxford Dictionary of English (Oxford University Press)



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