情シス業務に生成AIは有効か?情シスに聞きました【2024年度版】
情シスにとって生成AIはどのように役立てることができるのでしょうか。今回は、アンケート結果をもとに、情シスの業務に対して生成AIがどのように役立てられるかを考えます。
なお、このnoteは主に中堅・中小規模の企業の新任情シス兼任情シス向けの内容です。
1.情シスの三大業務と生成AIへの期待
「情シスが最も時間を使っている業務」について、ある調査結果では次のような順位になっています。
この数年間、数値や順位の多少の変動はあるものの、特に上位3つの業務が情シスにとって特に多くの時間を使う業務ということがわかっています。(過去noteでも取り上げています。)
では、これらの情シス業務について、「生成AI 活用で改善を期待できる業務」について情シスに聞きました(※)。
※『数字で見る情シスと生成AIの実情 2024(ソフトクリエイト)』より
その結果、1位は「問い合わせや障害対応(66.6%)」、2位は「システム運用・保守・報告(40.1%)」、3位は「会社への提案・予算・計画(35.9%)」となりました。
2.生成AIを情シス業務にどう活用するのか?
今回の「生成AI 活用で改善を期待できる業務」で挙げられた業務について、どのように生成AIが活用できるのでしょうか。
まず、最多であった「問い合わせや障害対応」では66.6%と多くの情シスが、業務改善に向け期待していることがわかりました。このうち、「問い合わせ」「障害対応」と、「システム運用・保守・報告」について考えてみましょう。
●「問い合わせ対応」と生成AI活用
「PCが動かない」「ネットワークがつながらない」といったユーザからの定型的な問い合わせから、複雑なシステム障害まで、情シスには日々、様々な問い合わせがあり、その対応に時間が取られています。
こうした課題に対し、生成AIを活用することで自動対応が可能になります。例えば、PCなどのトラブル、プリンタ設定など、よくある問い合わせを自動回答することができるようになります。また、AIチャットボットを活用することで、ユーザによってよりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
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●「障害対応」と生成AI活用
ネットワーク遅延、サーバダウン、セキュリティインシデント対応など、一度障害が発生すると情シスは多くのリソースを消耗することになります。生成AI活用により、障害対応の自動化も効果的です。例えば、システムログを常時監視し、異常を検知したら、AIが自動で原因を特定し、最適な解決策を提案するということも可能です。障害対応のスピード化などにつながります。
●「システム運用・保守・報告」と生成AI活用
情シス業務におけるシステム運用・保守・報告の課題としては、人的なリソースが必要になる点や、緊急対応や優先度の高い業務などに比べて後回しされてしまうことなどが考えられます。
生成AIを活用することで、システムの常時監視・報告や、メンテナンスのスケジュールの管理、レポート作成の自動化などが期待できます。
おわりに
今回は、情シス業務に生成AIは有効か、アンケート結果を紹介するとともに考えました。情シスが多くの時間を割いている業務のいくつかについて、情シスが生成AIによる改善を期待していることがわかりました。しかし、まだ生成AIは企業に普及している段階です。具体的な効果や活用例については、これからも継続的に見ていきたいと思います。
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また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。