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総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案) 今後の方向性を見てみよう!
こんにちは!
今日も暑かったですねーー
個人情報保護法3年ごと見直しの意見募集(パブコメ)締切7/29は明日ですが、今日は全然違うテーマ。
デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案) 、意見募集はじまりました!(7/20〜8/20)https://t.co/eJODEij1A4
— Ami (@Informationlaw1) July 19, 2024
本文353ページの1枚概要みっちり🍱 https://t.co/lfAwPXA57R pic.twitter.com/M524lpFMet
偽・誤情報問題やデジタル広告の質等、今日問題となっているテーマについて、30回以上に渡り議論されていた総務省の「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案)」を見てみたいと思います。
こちら、7/20〜8/20の予定で意見募集中です。
なんと353ページの大部。
個人情報保護法と異なり、ここで議論されているテーマに関係する事業者は、プラットフォーマー、特にSNSやサイト上にコメント機能や掲示板を設けている事業者、トラフィックの多いニュース等のサイトを広告モデルで運営している事業者等に関係してくるものです。
とはいえ、毎日デジタル空間にアクセスするいち利用者としては、関心をもつべきテーマ。全てを理解・解説するのは難しそう… とはいえ、見ておきたい…
ということで、今日は、
その概要と今後の対応の方向性の理解を目的に、
・公式の概要スライド
・別紙の今後の制度的な対応(現時点の案)
を中心に見てみたいと思います。
(本件の当事者ではないため、あくまで、資料から読み取れることの紹介で、誤認の可能性があることにご注意ください)
⚫︎検討会の概要
全体
今回のとりまとめ(案)本文を1枚にまとめた公式の資料はこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1721563807508-p26ABssVaf.png?width=1200)
概要として、
偽・誤情報の流通・拡散等の問題は、PF事業者の自主的な取り組みだけでは解決が難しく、諸外国でも共通。
デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた基本理念や主体の役割・責務を明確化しつつ、情報流通の健全性確保に必要な「総合的な対策」を提言することが本検討会の目的としています。
その上で、基本理念として、3点をあげ、
①表現の自由と知る権利の実質的保障及びこれらを通じた法の支配と民主主義の実現
②安心かつ安全で信頼できる情報流通空間としてのデジタル空間の実現
③国内外のマルチステークホルダーによる国際的かつ安定的で継続的な連携・協力
次に7ページでまとめられている概要スライドを確認します。
本文の概要
概要資料は、デジタル空間における情報流通に関して、前半が導入部、後半がその対応に向けた理念、対策となっています。
前半
1章 背景とリスク→2章 関係者の対応状況→3章 諸外国の対応状況→4章 対応の必要性と方向性
![](https://assets.st-note.com/img/1721564733583-WH0ZvcLuwd.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721564759757-3WjHAK4w9D.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721564785894-vJaDeEaTe8.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721564902326-FJGnsxNCH7.png?width=1200)
後半
5章基本理念、6章総合対策となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721564921854-l1ZKbn0w7s.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721564960700-hoA0NKexov.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1721564987643-gNXQiAbRpN.png?width=1200)
この総合的な対応のうち、6 制度的な対応については、❶〜❺の概要ついて2枚のスライドにまとめがあり、その具体は、本文の別紙P.310以降の(親会の下に設置された)サブWGでの検討資料で説明されています。
次にこの❶〜❺の具体を見てみたいと思います。
⚫︎制度的な対応
❶ 情報伝送PF事業者による偽・誤情報への対応
大規模な情報伝送PF事業者を対象に、下図の5点の方策・制度整備が提言されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565069747-LNqb1foNBK.png?width=1200)
具体的には、
①違法な偽・誤情報に対する対応の迅速化
について、別紙のWG資料(3)コンテンツモデレーションに関する対応の迅速化を通じた実施の促進で、次の(ⅰ)から(ⅳ)までの対応を中心に具体化を進めることが適当としていいます
(ⅰ)外部からのコンテンツモデレーション申出・要請窓口を整備・公表
(ⅱ)上記(ⅰ)の窓口を通じて申出・要請があった場合に、一定期間内にコンテンツモデレーションの実施の要否・内容を判断し、申請者に判断結果(及び不服申立ての方法)を通知
(ⅲ)コンテンツモデレーションの実施の要否・内容を判断するための体制(コンテンツモデレーションに関する不服申立てを受け付ける体制を含む。)を整備
(ⅳ)一定の条件(例えば、行政機関等の特定の第三者からの申出・要請を受けて実施した場合等)の下で行ったコンテンツモデレーションにより発信者が被った損害について、情報伝送PF事業者を免責
対象情報の3分類
また、”これらの方策の具体化に当たっては、濫用的な申出・要請から生じる情報伝送PF事業者の実務上の負担に配慮する観点から、対象とする偽・誤情報の特性・性質に応じ、いかなる主体からの申出・要請を契機としたコンテンツモデレーションの実施を促進すべきかについて、以下を基本的な方向性としつつ、今後、更なる検討が必要”として、分類案を提示しています。
・他人の権利を侵害する違法な偽・誤情報
→自己の権利を侵害されたとする者(被侵害者)からの申出・要請を契機としたコンテンツモデレーション(迅速化、実施促進の検討)
・ 行政法規に抵触する違法な偽・誤情報
→行政法規を所管する行政機関からの申出・要請を契機としたコンテンツモデレーション(今後、具体的な行政法規を洗い出し、具体化)
・権利侵害性その他の違法性はないが有害性や社会的影響の重大性が大きい偽・誤情報
→PF事業者に取り組みを促す方向
②違法な偽・誤情報の発信を繰り返す発信者への対応
(6)違法性を有する偽・誤情報の発信を繰り返す発信者等への対応
特に悪質な発信者に対する情報の削除やアカウント停止・削除を確実に実施する方策については、こうした対応の段階的な実施を担保することも含め、具体化を進めることが適当
④情報流通の態様に着目したコンテンツモデレーションの実施
については、 表現の自由への制約への影響の大小をふまえて、8つのコンテンツモデレーションに類型化しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565281686-MG7gTkt1uF.png?width=1200)
⑤コンテンツモデレーションに関する透明性の確保
透明性の確保の方法については、WG資料で、以下のように解説されています。
この方策については、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(以下「情報流通プラットフォーム対処法」という。)413における透明化規律414を参考としつつ、次の(ⅰ)から(ⅳ)までの対応を中心に具体化を進めることが適当
413 令和6年改正後の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下、改正前の法律を特に「プロバイダ責任制限法」という。)をいう。
414 情報伝送PF事業者を含む特定電気通信役務提供者(プロバイダ責任制限法2条3号)による情報の削除やアカウントの停止・削除(送信防止措置)について、大規模な特定電気通信役務提供者に対し、削除等の基準の策定・公表(運用状況の公表を含む。)や削除等した場合の発信者への通知といった措置を義務付けるもの(情報流通プラットフォーム対処法27条から29条まで)。
(ⅰ)コンテンツモデレーションに関する基準(どのような場合にどの類型のコンテンツモデレーションを行うか)や手続を事前に策定・公表
(ⅱ)コンテンツモデレーションの実施要否等の判断に関与する人員等の体制に関する情報を公表
(ⅲ)上記(ⅰ)の基準の運用状況を事後に公表
(ⅳ)コンテンツモデレーションを実施した場合に、その旨及び理由並びに不服申立ての方法を発信者に通知
❷ 情報伝送PFサービスが与える情報流通の健全性への影響の軽減
社会的影響については、①将来にわたる影響と②災害時における影響の観点で、検討としています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565100345-Ojifs9obuT.png?width=1200)
❸ マルチステークホルダーによる連携・協力の枠組みの整備
連携・協力枠組みについては、協議会の設置を前提に、①連携・協力の目的、②協議会の設置、③協議会の役割・権限等を検討としています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565167851-dCwLMn93DZ.png?width=1200)
❹ 広告の質の確保を通じた情報流通の健全性確保
広告の質に関しては、
事前審査の観点から、①審査基準と審査体制等実行的な実施、
事後的な対応として、②広告停止措置と透明性、③停止措置の迅速化、④停止措置の確実な実施を検討項目としています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565193688-n2RgRpHv42.png?width=1200)
❺ 質の高いメディアへの広告配信に資する取組を通じた健全性確保
広告配信については、その広告を出す側の企業の取り組みにもふれ、
①経営陣向けガイドライン等の作成など、広告主や代理店による取組促進、②(複雑な)広告仲介PF事業者による取組促進、をあげています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721565225600-anF5pa4CZD.png?width=1200)
ひとこと
先日のトランプ前大統領の襲撃事件でも、報道直後にさまざまな偽・誤情報が飛びかいました。
中には、偽・誤情報では?との疑いを持たず、信じてしまう人もいたと思います。
また、フィルターバブル、関心の似た人をフォローしているSNSタイムラインのエコーチェンバーの情報空間においては、さも世間のほとんどの言説がそうだと勘違いする人も少なからずいるでしょう。
また、大手の新聞社のWebサイトであっても、下品な広告が掲載されていたり、フィッシングと思われるサイトへの導線が排除されていなかむたりと、こども等、不適切な情報から守りたい人を守ることが容易ではない状況です。
今回ざっと読んでみて、内容が多岐に渡り、様々な識者の意見スライドが織り込まれていて興味をひく内容も多かった一方、理解しきれない点もありました。また、結論となる制度的な対応の部分は、「別紙」となっており、まとめ方が本文と異なる点は読み辛い面もありました。
ただ、「いつものメンバー」だけでなく、各分野での識者を交えて、複雑な事柄をまとめあげられたことは意義があることと思います。この後、実際に、制度的な対応がどの程度のスピード感で進んでいくのか?はまだ明確ではありませんが、一歩づつでも、改善されていくとよいですね。
それではまた!
さいきん、ジャケの涼やかな🐧に惹かれて、こちらを試しました
敏感肌の方には向かないかもですが、お風呂上がりでもスッキリ、ミント好きにオススメです♪