夜行列車 IRN 79 ティミショアラ→ブカレスト
ルーマニア国内便の夜行列車です。ティミショアラ北駅からブカレスト北駅まで乗車。5月30日22時31分発車、翌日8時42分着、走行時間10時間11分です。いつも通りSchlafwagen(Sleeper)の2等車のシングル。運賃と寝台の席料合計で81ユーロでした。
【予約と発券】
プリエテニア号同様ルーマニア鉄道(CFR)で予約・購入しました。チケット購入は30日前から可能なので予約解放後すぐに取ろうとしたのですがなぜかCFRのサイトが開けず。国内便はアプリからもチケットとれたことを思い出し今回はアプリから購入しました。
購入自体はスームズに行き、チケットもアプリで表示できました。QRコードもしくはPDFのチケットをデバイスを見ればOKと書かれていて去年ブラショフからブカレストまでのチケットもそれで問題なかったのですが、夜行寝台なので心配になって紙でも印刷……がなぜかできない。近所のdm(ドラスト)の印刷サービス端末でどうしてもpdfと認識されない……仕方ないのでPDFチケットをスマホとiPadダウンロードだけして突撃しました。結果、大丈夫でした!
【荷物預り所】
宿で夜まで預かってもらうことができなかったので、ティミショアラ北駅の荷物預かりサービスを利用しました。
階段を降りると窓口があり、トイレとロッカーが見えた。ロッカーは自分でやるのかな?とうろつくと窓口のおじさんに呼び止められた。どうやらおじさんに話を通す必要があるらしい。
がしかし、ルーマニア語。わからん。おじさんも荷物預けたいということはわかっているっぽいが何をしてほしいのかわからない。もしかして空きがないとか大きすぎるとかで拒否されてる?すると通りがかったお兄さんが通訳してくれました。
荷物リストのようなものをつけて管理しているようで、そのためにワシの名前と身分証が必要とのこと。パスポートを見せるとオジサンはリストに何やら登記。受け取りに来なかった場合などトラブルが生じた際に預け主を特定できるようにとの措置なのかな。その後オジサンが窓口ボックスから出てきて、空いているロッカーのうち一つを開けてくれ、無事スーツケースを収納。4ケタの暗証番号を自分で選んでドアを閉めると完了です。24時間で15レイ。現金オンリーです。おじさんからレシート(丁寧にロッカーの番号を書いてくれた!)を受け取って終了。何時まで開いているのか聞くと「いつも」とのことだが、CFRの駅情報には5時から23時半とある謎。ピックアップは誰もいなくてもできるってことなのかは不明。
お兄さんにお礼を言うと「オレ、パリ行ったときに言葉通じなくて困ったからさ。君の気持ちわかるから。」と。やさしい!
ということで一日遊んで受け取りに行くと、おじさんまだいた!昼からずっといるのだとすると大変だ…。暗証番号でロッカーを開けて無事回収。これで終わりかと思いきやおじさん、何かを要求している。パスポートかと思い「ドキュメンタ?」と聞くものの違う。チップか?なんだ?と考えていると名前を言われたのでうなずく。多分リストと照合していたのだと思います。後で気づいたけれど、レシートを見たかったのかも。目立つ客でよかった。
【待合室】
駅構内はほどよい人出で、怪しい人や危なそうな雰囲気はありませんでした。駅出口の道路反対側の空き店舗前にはちょっと警戒せざるを得ない雰囲気の人たちが屯していたのですが、スーパーに行くのに脇を通りかかっても何も起こりませんでした。(不良な若者やワルな人たちというより、偏見かもしれないけれど、某非定住系民族の人たちなのかな、と。子どももいたし。身なりからするとただ偶然街角で集まってるだけとか待ち合わせとかではなさそうで……)
しかし駅構内、イスがない!駅ホール隣接の1番線ホームをうろつくと待合室があったのでイスを求めて突進。何も書かれていないのでタダなんだろうと。しかしドアの後ろの死角におじさんいた!呼び止められてびっくり!おじさん、何かを出せというがルーマニア語全く分からない。パスポートじゃなさそうなので利用料か?「いくらですか?」違うらしい。チップか?他の乗客失笑。え、バカにされてる…?オチはチケットでした。列車の乗客以外入れたくなかっただけ。なぜ気づかなかったよ、ワシ。待合じゃなくてラウンジって思ってたなら初めからチケット出してたかも…?失笑していた他の客たちも一件落着に笑顔。バカにされてたとかそういうわけではなかったっぽい。
ちなみにこのオジサンと同じ職務に当たっていそうな別のおじさんは警棒ぶら下げてました。職員さんというよりは鉄道警察とかそっちなのかな。乗客の一人がおじさんズに怒鳴られてたのはちょっと怖かった(おそらくホームでビール飲むなって話だったっぽい)。
【いざ、乗車】
ちなみにこの列車、ティミショアラ始発ではありません。ブダペストから来るようで、そのせいでネットで見ると番号が2つあります(発車案内表示はIRN 79で出ていました)。ということで、あまり乗車時間に余裕がありません。しかもホームの乗客集が半端なかったです。混み混み。修学旅行なのかボーイスカウトとかのイベントなのか分かりませんが、子どもたちの集団もいました(うるさかったらどうしようと思いましたが、どうやらクシェットだったみたい。ワシはスリーパー)。列車到着後は乗客が右往左往の大混乱。だって何号車がどこに止まるかわからないから……。何が言いたいかというと、写真撮ってる余裕がなかった。
ちなみに駅ホール隣接の1番線以外へのアクセスは、地下通路があるようなのですが、今工事中とのこと。どうやって他のホームに行くかって?これです。
リエカ駅もこのスタイルでしたが、これに不安を覚えるのは、インフラ水準の高い国の安全環境に甘やかされてきたからなのだろうか……。
【車内の様子】
ざっくりとした印象は、去年のイストリア号やコロナ号とほぼ同じ。シャワーなし、トイレはそこそこ、コンパートメント内にシンクあり、冷房なし、外からロックはできないけど中からは可能。
ÖBBの新型車両以外はこういう感じがスタンダードかなと。
【朝までぐっすり】
マットレスのへたり具合もちょうどいいわ、揺れはあやしてくるわ、国内便でパスポートコントロールもないわで朝までぐっすり。そういえば国境越えない夜行って初めてかも。ルーマニアは国内便の夜行路線も多いです。去年の8月に乗ったイストリア号やコロナ号はクソ暑かったのを覚えていますが、今の時期だと夜はちゃんと涼しくなるので快適ですね。明け方まで定刻運行だったみたいなのに52分も遅延したこと以外は何もなく無事ブカレストに到着。ついてすぐやったのは恒例行事。
ドイツから姿を消したハッシュブラウン、まだルーマニアでは生きているのですよ。去年ボスフォラス急行に乗る前に見かけてテンション爆上げでした。今年もまだあってよかった。チェコやそのほかの周辺国でも消えたので、ルーマニアも時間の問題なのかな……。5個頼んで店員さんに「ファイブ?!ファイブ ハッシュブラウン?!」と言われるまでがセット。
というわけで、今回の夜行列車も楽しく過ごせました。8本目ともなるとワクワク度が下がってきた気もしますが、それでも乗った後の満足感はたまりません。なんだか夜行寝台も慣れてきちゃったなぁ…刺激が足りなくなる日も近いか……という心配は無用だったことが後にプリエテニア号で証明されます。