残りわずか… 夏休みの自由研究はテンプレで乗り切ろう!
わが家の子どもたちの自由研究はつい先日完了しました。でも、この時期まだまだ悩める子どもたち(低学年のうちはむしろ親御さん)もいると思いペンを取りました。少しでも助けになれば幸いです。
※免責 こちらを参考にして作成された自由研究について一切の責任は負いかねますので、ご了承くださいませ。
前置きが長いのでお急ぎの方は「テンプレートの解説」の章へすぐ飛んでください。
背景
今、生成AIがブームです。なぜこれほどまでにモテはやされているかといえば、それは生成される文章あるいは画像の「体裁が良い」からです。内容はともかく、一般の、文章を書くことや絵を描くことに対し専門的な教育を受けていない人々よりもマトモに見える体裁でAIはそれらを生成します。
この内容よりも体裁の良さに惹きつけられることは、あらゆる詐欺がこの社会から無くならない一つの要因になっています。普通人は内容よりも体の良い体裁、つまり「形式」をコミニュケーションや評価の入り口にするからです。
例えば「フォーマル」な文章や服装、対話があります。論理的な文章構成やドレスコードに合う服装、頭の良い人の巧妙さやウイットに飛んだ話し方、または威圧感たっぷりな話し方。それらは求められる状況に合ってさえいれば、その中身「内容」の正確さや仕立ての良さ、意味の検証は横に置き、まずはその心理的、形式的関所を通すことになります。学術論文、パーティ、オレオレ詐欺、等々。
この形式優先の指向は人間の愚かさというわけでなく、そのおかげで社会がよく回る部分もあります。つまり社会的に生きていくためには必要な人間の能力です。
ひるがえって子ども達の夏休みの自由研究です。
この自由研究もまた、内容よりもまず形式なのだといえます。
なぜなら、内容つまり研究テーマそのものや子どもが感じたこと、考えたことについて評価し優劣をつけることは出来ないからです。道徳しかり、図画工作しかり。何に興味を持ち、どのように感じるかを評価するならば、それはたんに行動や形式を押し付けるよりも悪しき思想教育になり、現代的な学校教育の範疇を超えます。
そこで「形式」です。内容よりもまずはきちんと要請される「構成」に基づいて作成されているかが評価ポイントです。そしてこの「形式」こそ先に申し上げたように将来社会に出た時に求められる能力のひとつでもあるわけです。
自由研究であれば研究調査と報告の形式を学ぶこと。内容、つまり素晴らしいアートや画期的な発明は一部の天才のための仕事なのですから。
いえ、本当はそれよりも本質で大切なことがあります。それは自由研究から生まれる子どもたちの好奇心とそこから、わかった!不思議!もっと知りたい!という、感動です。そこにこそ焦点を当てるためによく出来た形式は利用すべきです。
では本題です。
テンプレートの解説
対象
このテンプレは小学校低学年または評価にあまりこだわらない方向けです。
自由研究のアイデアはネットを検索すればいくらでも出てきますが、それを如何にまとめるかという段階になると、ガチガチのパワポのテンプレや高学年、中学生向けのフォーマルな雛形はありますが、ちょうど中間あたりのユルくシンプルなものが見当たりません。
そこでここでは、うちの家族が編み出した小学校6年間は使えるとてもシンプルなフォーマットをお伝えします。
テンプレートの構成
まず、シンプルに一枚の画用紙にまとめる方式をとります。
※最大サイズなどはそれぞれの夏休みのしおりを確認してください。
次に以下の5つの構成で紙面を埋めていきます。
What=なにをやるか?
Why=なぜやるか?
How =どうやるか+どう予想するか+どうだったか?
Understand=わかったこと
Next=以上を踏まえて次の研究
※ もしあれば 6、References=参考にした資料
詳細
まず、1のなにをやるか?は、そのまま自由研究の見出し=タイトルにします。
次に、2のなぜやるか?は、その研究をしようと思ったきっかけと実現したいこと(何のために実験するのか)を書きます。タイトルのすぐ下が良いでしょう。
続いて3がこのフォーマットのキモです。
どうやるか?という実験の方法と予想・結果をこのエリア一つにまとめてしまいます。
ここには10個程度の実験パターンを示し、その予想を添えて小さなカードにして貼り付けます。このとき上部のみを糊付けしてめくれるようにします。
そのめくったところに結果を書きます。
このめくるカードとその結果は少し手間ですが写真を切り貼りして使うのも良いと思います。
4は実験結果から理解できたこと、気付いたことを書きます。
最後の5ではこれらの研究をふまえて次の研究の予告をします。
以上を1枚の画用紙に記載し、その他の必要事項(研究した者、日付)を添えれば完成です。
内容についてのアイデア
さて、最後に重要なことですが、このフォーマットは如何なる研究テーマでも使えるというわけではありません。十個程度の実験パターンが思いつくもの、結果を目にしやすいものが良いでしょう。
今回の例のように素材を変えたり、重さやサイズを変えたり、様々なパターンを作れる実験の研究はまとめやすいと思います。
長男がやった例ですと
・紙飛行機のいろんな折り方とその飛距離
・食材の組み合わせによる味や形状、色の変化
・いろんなモノを凍らせる
・さまざまな素材の障害物をへだてたリモコンの操作
・近所の公園の草や昆虫の採取とその名前や特徴を調べる
ご健闘をお祈りいたします!
令和5年8月23日
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