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コミュニケーションコストを削減してアジャイル開発を加速させよう!

インフォマートの開発部門で様々なサービスの開発や改修を担う社員たちが、時に技術力の向上のために、時に自らの楽しみのために、開発界隈で話題の○○を体験し、レポートするリレー企画です。
今回は、ITソリューション部 古川がレポートを担当します。


■はじめに

こんにちは、ITソリューション部の古川です。今日は「コミュニケーションコスト」についてお話しします。特に、アジャイル開発におけるコミュニケーションの重要性と、そのコスト削減について考えてみます。私は社内でアジャイルを推進する同好会に入っていて、そこで学んだことも交えながら、皆さんに役立つ情報をお届けしたいと思います!

■なぜこの記事を書こうと思ったのか

以前勤めていた会社は100名規模で、情報共有が比較的スムーズでした。しかし、インフォマートは以前の会社と比べて規模が大きいため、情報が分散し、担当者がわからずたらいまわしになる場面が増えたように思います。このようなコミュニケーションの課題が業務の停滞やストレスの原因になっていると感じたため、この記事を書くことにしました。

また、アジャイル開発はコミュニケーションを重視した開発手法です。そのため、コミュニケーションコストを意識することで、アジャイル開発を加速させる手助けになると考えています。

■そもそもコミュニケーションコストとは?

コミュニケーションコストとは、情報を伝達するためにかかる時間や労力のことを指します。これは、メールのやり取りや会議の時間、メッセージの確認など、あらゆるコミュニケーション手段にかかるコストを含みます。特に大規模な組織では、このコストが増大しがちです。情報が部門を超えて伝わるのに時間がかかるため、結果としてプロジェクトの進行が遅れることもあります。

■たとえばこんな問題が起こってしまう

インフォマートには複数のサービスがあり、それぞれのサービスをまたいでの作業が発生することがあります。しかし、各サービスの担当者以外が理解できるような資料が十分に整備されていない場合が多く、情報共有が不十分な場合があります。このため、必要な情報を得るためにチャットなどで直接やり取りを試みるものの、プライベートなやり取りが多いために連携がうまくいかず、結果としてプロジェクトの進行に遅延が生じてしまいます。これは部門をまたいだ場合にも同様で、異なるサービス間での情報共有が不足することで、さらなる混乱を招くこともあります。

また、組織やチームが大きくなるにつれて、連携するサービスやチームが増え、コミュニケーションコストはますます増加します。すると部門間の連携が難しくなり、情報の流れが滞ることで、全体的なプロジェクトの遅延が深刻化してしまうのです。

■コミュニケーションコストが高い組織の特徴

コミュニケーションコストが高い組織には、いくつかの特徴があります。以下にその特徴を挙げてみます。

  1. 部門間の壁が厚い
    異なる部門間での情報共有が少なく、各部門が独立して動く傾向があります。これにより、部門をまたいだ情報伝達が遅れ、プロジェクト全体の効率が低下します。

  2. 情報のサイロ化
    特定のグループや個人が情報を独占し、他のメンバーが必要な情報にアクセスできない状況です。これにより、情報を得るために多くの時間と労力が必要となります。

  3. 階層が多すぎる
    意思決定のプロセスにおいて多くの階層を経るため、迅速な対応が難しくなります。情報が上層部から下層部に伝わるのに時間がかかり、現場の状況が正確に伝わらないことがあります。

  4. オフィシャルなコミュニケーションばかり
    非公式なコミュニケーション(雑談など)が少なく、フォーマルな会議や報告書に頼る傾向があります。これにより、迅速な意見交換や問題解決が難しくなります。

  5. 横のつながりが弱い
    チーム間やプロジェクト間での協力が少なく、個々のチームが独立して動くことが多いです。これにより、全体としての統一感が欠け、効率が低下します。

■アジャイル開発とコミュニケーションコストの関係性

アジャイル開発は、コミュニケーションを重視した開発手法です。短いサイクルで頻繁にフィードバックを取り入れ、チームメンバー間のコミュニケーションを密にすることで、迅速な対応が可能になります。これにより、コミュニケーションコストを削減し、プロジェクトの効率を向上させることができます。

ただし、アジャイル開発では適切な管理がなされないと、従来型の開発よりも逆にコミュニケーションコストが高くなってしまうこともあります。アジャイルでは頻繁な情報共有や日々のチーム内でのやり取りが求められるため、コミュニケーションにかける時間が増えることがあるからです。

ちなみに従来のウォーターフォール型では、計画から実行、レビューまでのプロセスが厳密に分かれているため、各フェーズ間のコミュニケーションが少なくなりがちです。そのため、ウォーターフォール型の開発のやり方を残したままだと、アジャイル開発とはコミュニケーションの方法やタイミングが異なり、アジャイルの利点を十分に活かすことが難しいです。

アジャイル開発では、計画と実行が並行して進行し、常にフィードバックを取り入れていくため、チーム全体でのスピード感ある情報共有が重要になります。この情報共有が円滑に行われることで、コミュニケーションコストが低くなり、迅速な対応と高品質な成果物を生み出すことができるのです。

画像引用元:ウォーターフォールとアジャイルの違いを比較しながら解説!使い分け比較表

■コミュニケーションコストを削減する方法

では、どうすればコミュニケーションコストを削減できるのでしょうか? 以下にいくつかの方法を紹介します。

  1. 定期的なミーティング
    定期的なスタンドアップミーティングを開催し、進捗状況や課題を共有することで、情報のギャップを減らすことができます。

  2. ナレッジシェア
    手順書やFAQなど、社内で共有できるナレッジベースを整備し、誰でも簡単にアクセスできるような状況を作ります。

  3. オープンなコミュニケーション
    プライベートチャンネルを減らし、情報をオープンに共有することで、誰でも必要な情報にアクセスできるようにします。

  4. ツールの活用
    Slackなどのコミュニケーションツールを効果的に使い、情報の流れをスムーズにします。

■実際にやってみて

実際にコミュニケーションコストの削減のためにナレッジシェアを実施してみました。

結論から言うと、効果を実感していて、やってよかったです。これからも続けていきたいと考えています。

なぜナレッジシェアをやってみようと思ったかというと、チーム内で作業をしていて資料が散在していて見つからない、あるいはそもそも存在しないため、人に聞かないといけないことが多いと感じたからです。

導入後は、徐々に人に聞かなくても自己解決できるケースが増えてきました。チーム内でのやりとりが減少し、コミュニケーションコストが削減できていると実感しています。特に新メンバー加入時などは、ナレッジベースを共有するだけでよいので、作ってよかったと思います。

正直なところ、ほとんど一からナレッジベースを作成したので、最初は大変でした。しかし、最初から完璧に作成しようとせず、簡易的なものでもいいので、とりあえずナレッジをどんどんアップするようにしたのが継続につながったと思います。

最近は他のメンバーも自発的にナレッジをアップしてくれるようになりました。今までより早いペースでナレッジが蓄積され、価値がどんどん高まっていると感じています。 将来的には、ナレッジベースを見れば困りごとは全て解決できるようにしていきたいです。

■まとめ

コミュニケーションコストは、大規模な組織では特に大事な問題です。これを効果的に管理し、削減することで、プロジェクトの進行速度と品質を大幅に向上させることが可能です。アジャイル開発の実践によって、定期的なフィードバックと情報共有を促進し、チーム内外のコミュニケーションを円滑にすることができます。しかし、アジャイルの導入には適切なコミュニケーション管理が不可欠であり、適切なミーティング頻度の調整や情報共有の方法を工夫する必要があります。

■アジャイル同好会の紹介

最後に、アジャイル同好会の紹介です! アジャイルと聞くと開発のイメージが強いですが、実際には営業やマーケティングなど他のチームでも大いに役立ちます。私たちのアジャイル同好会では、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まり、アジャイル手法の実践や情報交換を通じて、お互いの知識を深めています。アジャイルに興味がある方には、リラックスした雰囲気の中で学び合える場となっています。ぜひご覧いただき、興味を持っていただければ嬉しいです。

この記事では、アジャイル開発とコミュニケーションコストの関係性について詳しく解説しました。社内でのコミュニケーションを改善し、効率的な開発プロセスを実現するために、皆さんもぜひアジャイルについて学習してみてください。以上、「コミュニケーションコストを削減してアジャイル開発を加速させよう!」の記事でした。


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