見出し画像

「崩すための型」を作り込み、スタッフの集合値を引き出す─中島大樹(映像ディレクター)

こんにちは。今回から新しくスタッフインタビューを担当することになりました、ライターの佐伯です。スタッフのこだわりや案件制作の裏側が、記事を通して少しでも伝わると嬉しいです。よろしくお願いします。

今回のnoteは、IN FOCUSで共に働くメンバーへのインタビューシリーズ第7回。登場してくれるのは映像ディレクターの中島大樹です。

これまで、adidas会員プログラム「adiCLUB」や、藤原ヒロシさんによる非言語マーケティングについての講義「FRAGMENT UNIVERSITY」、今年10月にローンチされたユニセックスのジュエリーブランド「LAMBDA」、ベルギー発のビールメーカー「Hoegaarden」といった映像制作を手掛けてきた中島に、自身の仕事について話してもらいました。


各分野のプロが集まり、表現をブラッシュアップできる場所

ーまずは、映像ディレクターになったきっかけを教えてください。

大学在学中です。元々はコピーライターを目指し、大学でもCM を専攻していました。広告表現におけるクリエイティブについて学ぶうちに、アイデアを形にする過程を楽しんでいることに気づきました。
僕の中ではコピーを考えるよりも、絵コンテを描くことやビジュアルと紐付けることに興味を持つようになり、映像制作会社へ。大学卒業までは映像を撮ったこともなかったので、業界に入ってから勉強を始めました。

ー就職後はどんな業務をしていたんですか?

プロダクションマネージャーとして、企業のVPや社内コーポレートムービー
を中心に制作進行業務を担当していました。2019年からはディレクターとして活動し始めて、計8年ほど勤めていましたね。

ーどういった経緯で、IN FOCUSにジョインされたんですか?

以前勤めていた会社は固定のナショナルクライアントがいました。
そのおかげで良い経験を積めましたが、自分が本質的に好きな分野であるファッションやカルチャーまで、制作物の幅を広げたいと考えていました。
IN FOCUSのことは転職活動中に知ったのですが、案件が多彩だなと。制作物にこだわりが感じられたのと、様々な専門分野の部署がクロスして制作に取り組むことができることも知り、入社を決めました。

ージョインした後の印象はどうでしたか?

Webチームやデザインチームなど、すぐそばに各分野のプロがいて、同じ案
件をできるのが新鮮でした。例えば、今手掛けている案件はWebチーム、グ
ラフィックチーム、映像チームが一緒。同じ会社だと、相談もスムーズだしクオリティを上げやすいですね。

設計図を作り込み、撮影はスタッフの集合値で勝負

ークリエイティブに取り組む上で自分のこだわりはありますか?

映像制作の初期段階である、絵コンテを考える時にできるだけ綿密に作り込み、プレゼンや撮影でも伝わりやすくすることです。例えばこれは「adiCLUB」の案件で企画提案時に作った絵コンテ。

細かい説明があると、フォトグラファーはもちろん、美術や編集など他のスタッフもスムーズに仕事を進めやすくなるんです。絵コンテは設計図。しっかり作ると、自分自身の解像度も上がり、撮影でも焦らずに済みます。ディレクターは伝える仕事だと思っているので、なるべく全員が分かりやすいようにしたいです。

ー撮影現場ではどんなことを意識していますか?

絵コンテを作り込んでいる分、撮影はスタッフのアイデアになるべく耳を傾けて作っています。自分の考えるものを忠実に再現してもらうより、全員の120%をどうまとめるかが大事だと思っています。絵コンテはあくまでも「型を崩すための型」。撮影にはそれぞれの分野のプロが集まってくれているので、皆さんの才能を活かして、より良いものを作りたいです。

キーとなるシーンへの自然な流れと、あえての違和感を作る

ーそのように制作した映像の中で、特に印象に残っているものを教えてください。

まずは「adiCLUB」のプロモーションムービーです。
僕は映像を作る時、キーとなるシーンを1枚画として考えて、それを元にどんな音楽やナレーションが流れるか、他にどんなシーンがあれば自然かをパズルのピースをはめるように考えていきます。一度、視聴者の目線になって“最も自然で、かつ分かりやすい流れ”を想定するんです。その流れができた後に、あえて“違和感“のある演出を足すようにしています。良い意味の違和感、俗にいうフックとなるような演出です。そうすることで単純に綺麗な映像というだけでなく、少しエッジのたったキレのある作品にできたらなと。
この時はアートディレクターの増田さんが作成した1枚のグラフィックをベースに、映像の流れを考えました。そこに、スーパースロー撮影のインパクトをフックとして足しています。


「FRAGMENT UNIVERSITY」の映像制作も印象に残っていますね。藤原ヒロシさんによる「非言語マーケティング」の講義のために作りました。講義のテーマが、ヒロシさんの軌跡を辿るという内容なので、映像のサイズはあえて4:3からスタートし、過去の回顧を表現。教壇に立った瞬間に画角が広がるような演出をフックとして入れました。BGMとして使用している音楽はヒロシさんが作ってくれたものです。

好きなものも、映像技術も、クラシックを大切に

ー普段のインプット方法や、好きなものもお聞きしたいです。

映像や技術のストックというより、体験からインスピレーションを得ることが多いですね。旅行に行ったり、自分で写真を撮ってみたり。また、古着、時計、車、靴などヴィンテージものが好きですね。今の愛車は50年前のVolkswagen Beetle type1 1970。先輩から譲り受けました。新しいものに乗り換えるより、クラシックなものをずっと大切にしたいタイプです。夜中によく走っています。

ーそういった好みも、映像に採り入れていますか。

映像もCGやエフェクトなど新しい技術を盛り込むよりも、実写でシンプルなカット編集の方が好きですね。目新しさだけでは飽きられてしまうので。普遍的な技術を継続して使っていきたいです。

ー最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。

案件としての制作物とは別に、ショートムービーなどを自由なクリエイティブで作ってみたいですね。

Profile-Taiju Nakajima
2023年1月からIN FOCUSに所属し、映像ディレクターとして活躍中。ヴィンテージものを集めるのが趣味。愛車は、先輩から譲ってもらった50年前のVolkswagen Beetle type1 1970。

https://taijunakajima.com/

インタビューシリーズ過去回はこちらから。

Twitter
https://twitter.com/infocus_inc
Instagram
https://www.instagram.com/in_focus_inc/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?