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毎日がポジティブになるものづくり ─ 葉大(映像ディレクター)

noteで公開している、IN FOCUSメンバーへのインタビューシリーズ。今回登場してくれるのは映像ディレクターの葉大です。

コスメブランド「CLINIQUE」のプロモーションムービー、「Adobe Photoshop」や「エリエール」などのテレビCMを手掛ける葉大に、自身の仕事やこだわりについて話してもらいました。


ーまずはじめに、どんな仕事をしているか改めて教えてください。

映像のディレクターを担当しています。
IN FOCUSに入る前も、太陽企画で映像ディレクターを担当していました。テレビCMなど、明るくポップなものを担当することが多いですね。

動きや表情、音楽で映像のイメージを作る

ー去年7月に入社されてから、IN FOCUSで担当したクリエイティブについてお話を聞かせてください。

IN FOCUSで最初に担当した案件はCLINIQUE。
“美しい肌は創りだすことができる”をコンセプトに、自然由来の製品を提供するコスメブランドです。映像は、コピーとして掲げていた「みずみずしい“保水美肌”」という商品テーマを軸に制作しました。
製品の魅力をより良く伝えるため、構成を最初から作り直しました。そのほか、ナレーションを追加したり、のんちゃんがひょこっと出てきたり、印象に残る工夫もしていきましたね。

ー肌が綺麗に見えるのはもちろんですが、のんさんの可愛らしい表情や動きも印象に残っています。

そうですね。広告制作の際は、どこに印象を持たせるか、どれだけ引っかかりポイントを作れるかが重要だと思っています。
CMなので商品がどんなものかが伝わればいいのですが、それ以外にも動きや表情、音楽などで雰囲気や印象を形作るということは意識していますね。
今回だとテーマが「みずみずしい“保水美肌”」なので、みずみずしさを表現するために、後ろに映る影には本物の水を揺らしたものを使ったりとか。製品のイメージを作るため、そういった細かいところも作り込みました。

イメージを残しながらも、見た人が興味を持つようなポイントを

ーAdobe Photoshopの話も教えてください。カラフルな映像で、CLINIQUEとは正反対の印象を持ちました。

こちらは前に所属していた太陽企画からの依頼で、ディレクター出向として映像ディレクションを担当しました。
Adobeはクリエイターが絶対に使うツールなので、まずはクリエイティブとしてかっこいいこと、Photoshopのカラフルなイメージを表現すること、1枚のサムネイルとしてインパクトを持たせることを意識しています。
また最初は猫の鳴き声で始めるなど、見た人が興味を持つような工夫もしました。CMで猫の声がしたというだけで、猫好きは振り返ると思うので。
ラストの壁一面など、部屋の美術デザインの約半分は、僕が実際Photoshopの生成AIを使って作りました。量は多かったのですが、思い出深いですね。

また、IN FOCUSのメンバーとチームで取り組んだ案件でもあります。
企画の段階から猫の背景が変化していくという構想があったので、CG作成前のアニメーションを、映像エディターの田中さんと北川さんにお願いしました。かなり工数がかかる作業なのですが、2人にお願いすることで初期段階から細かく、最初に近い映像をクライアントに見せることができたのが良かったです。また第2弾では、アートディレクションをグラフィックチームの伊東さんにお願いしました。
同じ社内のクリエイティブチームで対応すると情報の共有がスムーズにできるので、その分クオリティに時間をかけられるのが魅力だと思っています。

製品の特徴を活かし、魅力に変える

ーでは逆に、チーム編成ではなかったエリエールの話も。

こちらもディレクター出向で、去年から2回目の担当です。
トイレットペーパーの案件ですが、テレビCMなので、食事中などにトイレのシーンを見る可能性もあります。そうしたときに、ネガティブな印象にならないような空間づくりを心がけました。不快感のなさや清潔感は特に意識して作りましたね。
また、エリエールで最上位のブランドが登場したことを印象付けるため、セリフや演出で高級感を表現しています。

清潔感が出るような空間づくり

CM以外にもMVを制作

ーCM以外の映像を作ることはありますか?

大学時代に空中ループさんの「ステレオ」という曲のミュージックビデオを作らせてもらい、その後も知り合いのアーティストさんに頼まれて何本か作りました。
思い出に残っているのは、超特急さん「gr8est journey」のミュージックビデオ。スマートフォンを7台連結させると1本のMVになるというもので、面白い作りになりました。

偶然目に留まるものだからこそ、日々がポジティブになる映像を

ー先ほど「映像に引っかかりを入れる」というお話を聞きましたが、映像制作でのこだわりや、大切にしている考えはありますか?

毎回テーマは様々ですが、どの映像にも「興味を持てるポイントを作る」ということは意識しています。 見たときに面白かったなとか、ここが良かったなと思えるようなものづくりをしたいと思っていますね。
僕の仕事は広告が多いのですが、広告を能動的に見たいと思う人は少ないと思うんです。例えばYouTube広告はスキップする人が多いですし、テレビCM中はスマホを見たりとか。
だからこそ僕は、「ポジティブ」に消費者に伝わる広告作りを意識しています。広告は全員が積極的に見るものではないかもしれませんが、ふと目に入ったときに、何かポジティブな気持ちになるものを作れたらと。
エリエールさんのキャッチコピーに「毎日のこと、やっぱり、いいものを。」という言葉があるのですが、僕もそういった考えに近いです。僕が作る広告も、人生を劇的に変えるようなものではなくても、見た人にとって日常をちょっとポジティブにするものであって欲しいなと思っています。

ーポジティブな広告づくりをするために、意識していることはありますか?

制作をする前には実際に製品を購入・体験し、魅力を肌で感じるようにしています。製品に対して思う良さを、演出を通して消費者に伝えることが僕の仕事なので。
また、何が仕事になるか分からないし、好きでやっていたことが次の仕事になることも多い。だからプライベートでもアンテナを広く張って、色々な体験をしておくということもポリシーです。
僕は趣味が多いのですが、好きなものや実際に体験しているものが多いと、仕事でリンクする幅が広がりますね。例えば、僕の好きなアニメ「転生したらスライムだった件」とJリーグのコラボCMを制作した際は、カット割やキャラクターの魅力など、オタクだからこそ伝えられる表現ができたかなと思います。
演出の仕事って知らないことはできないので、やってみたことを全てクリエイティブに繋げていきたいですね。

アニメやゲームのほか、スキーや登山、キャンプ、ゴルフなど多趣味

勢いがあるチームで、新たなジャンルを取り入れたい

ーIN FOCUSの印象についても教えてください。映像部門はどんな雰囲気ですか?

メンバーも若く、勢いがあります。ご飯もよく行きますし、仲がとにかく良いですね。僕はテレビCMなどマス向けの案件が多いのですが、IN FOCUSはファッションやカルチャーの仕事が強いので、新しいジャンルを取り入れられるのが良いです。
映像ディレクターは、僕・中島くん・片岡さんの3人ですが、得意なジャンルや好きなものが違うので勉強になります。中島くんはファッションやビンテージ系、片岡さんはドキュメンタリー系が得意なイメージですね。ディレクター同士の交流で新しい知見を得たり、フォトグラファーの紹介など情報交換ができるのも、ありがたいなと思います。

ー最近お子さんが生まれましたが、働き方に変化はありましたか?

今は基本リモート勤務なこともあって、仕事の合間でも子どもと接する時間ができています。仕事の合間に子どもを抱っこすることや、夜の時間に家事をすることができる。制作と育児を両立できているのは会社のおかげだなと思っています。通勤すると往復2時間くらいはかかってしまうので、その時間を家族や子どもとの時間にあてることができるのは、ありがたいですね。

ー最後に、これからやってみたいジャンルや、今後の目標はありますか。

IN FOCUSが得意としている、ファッション・カルチャー系の案件にもより携わっていきたいなと思います。
広告は、前提としてその商品を知らない・興味がない人に向けて作ることも多いです。その点、ファッションブランドなどの映像は少し違い、そのブランドが好きで積極的に見られることを前提に作る側面もあるので。そういった、かっこいいものを純粋に追求することもしてみたいですね。
僕が培ってきた広告制作のスキルや考え方とクロスさせたとき、演出にどんな変化が起こるのかなと楽しみにしています。
また僕はカープファンなので、野球に関わる仕事はもっとやりたいです。あとは、子どもが大きくなったときに一緒に観に行けるものにも携わっていたいなと。パパとして、子どものためにも頑張ります。

Profile-Youdai
1991年、三重県熊野市出身。2023年7月からIN FOCUSに所属し、映像ディレクターとして活躍中。1児の父。
趣味は野球観戦、スキー、キャンプ、料理、オンラインゲームやボードゲーム、アニメ鑑賞など。アウトドアからインドアまで幅広く多彩。

@4udai @youdai_dir
https://youdai.tv/

インタビューシリーズ過去回はこちらから。

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