
infocomにUXteamができるまで 3(最終回)
執行役員会でUXteam立ち上げの提案ができるところまでこぎつけたわけですが、
ところで執行役員会とは…?
当時の認識としてはきっと偉い人が出ている会議かなんかなんだろうけど、“なんだか良く分からない会議”という状態。そこにどうやって議題をエントリーすればよいのかも分からない。
次から次に湧いてくる疑問。
まぁ、悩んでいても仕方ないのでまた人に聞くことにしました。上長や先輩社員、経営企画室...とにかく社内のいろいろな方に。
そして"執行役員会"という名前から推測するに、そこに出席するであろう役員の考えも事前に聞いておいたほうが良いかも!と再び浅はかな考えがよぎってしまったので、役員室を端からノックしてみることにしました。
よく分からない社員が突然押しかけてきて、その上UXというよく分からない事を言い始めたのに、しっかりと話を聞いてくれた(涙。
もちろん両手あげて賛成!ばかりではないのも事実。
“懐疑的だ”という反応も返ってきた。
それもそうだ。
"この水すごい体に良いんですよ。1本10万円なんですけど買います?"
と、突然言われて買うわけがない。
私たちのやりたいことは何か、
会社にどうなってほしいと考えているのかを、怪しい水にならないように伝えるためにはどうしたら良いのか。
役員から頂いた意見やアドバイスを元に執行役員会に向けて業務の合間に3人で何度も何度も話合いました。
だからこその迷走もたくさんしました。
役員会の限られた提案時間の中でUXの説明を1からしていたら、それだけで終わってしまう...
“デザイン”という言葉を使うことは見た目の話として誤解を生んでしまうことにつながるのではないか、UXの本質が正しく伝わるのか。
言葉1つ1つとっても、どう表現したら分かりやすく且つ的確に伝わるのか、たくさん悩み悩み悩み、迷走...してまた悩み悩み悩み、迷走...
提案をする過程でここが一番苦しかった。今でもそう思う。
3人で話合いを重ねる毎にポジティブとネガティブの波が交互に押し寄せ、
"やるなら今しかないよ、頑張ろう!上手くいくって!!"と励まし合ったときもあれば、
"この提案はまだ時期尚早だったのかな..."と凹みあったりすることもありました。
実際、社長突撃から役員会までは2ヶ月あったのですが、
その2ヶ月は
ひたすらUXデザインというものに向き合い、
ひたすら自分たちと向き合い、
そして応援・サポートしてくれる同僚や先輩社員の暖かさにただただ感謝する、
そんな毎日でした。
結果的に今teamがあるということは、役員会での提案は良い方向に進んだから、なわけですが、
teamを作ったことは終わりではなくて始まりにすぎず、やっとスタート地点に立てたところ(と思っていいかな?)。
むしろここからが本当に苦しいのだと思います(実際にそう)。
何より結果を出さなきゃいけない。だから悩みはありすぎて困っちゃうくらいあります。
その一つにteamの成果をどう示すのかといった問題もあるのですが、
多分、”デザインの力って凄いな、やってよかったなと思ってもらえること”、
もしかしたら、それだけでいいのかもしれないなと最近よく考えています。
それが前に紹介したUXteamのミッション「インフォコムでデザインを当たり前化する」ことになるのかなって。
そうしてインフォコムという会社がteamのVisionである「デザインで戦える会社」になれたら、この上ない喜び。
そしてどこまで参考になるか分からないようなツッコミどころ満載なUXteamの成り立ちですが、これがもしどこかの誰かのお役に立てるのなら、
これまたこの上ない喜びです。