「関西学院大学社会学部をPRせよ!」 鈴木謙介ゼミがインフォバーンにやってきた!_Season6
「トム・クルーズと織田裕二、ほぼ同一人物」説
オープニングは田汲の話から。プレゼン準備、発表を控える学生に対し、普段、専門学校のバンタンデザイン研究所で講師も務めている田汲は、アイスブレイクとして「トム・クルーズと織田裕二、ほぼ同一人物説」を唱えます。
一見、なんのつながりもない日米の大スターなのに、出演作の傾向から、出身地の類似まで、出るわ、出るわの共通項。話を聞いたあとには、もはや二人が同一人物にしか見えなくなっていました。
ネタのような説ですが、決してふざけた話にあらず。なぜ「ほぼ同一人物」になったのか、マーケティング目線に立てば、「作品づくりとキャスティングによる必然」が浮かび上がります。最終的にはクリエイティブの仕事における、「ニーズをつかむ」とともに「無難さを避けるマインド」の重要性につながりました。
関西学院大学社会学部をプロモーションする!
さて、本題のワークショップへ。テーマは「関西学院大学社会学部をプロモーションするためのLP(ランディングページ)をつくる」です。
実際にインフォバーンでも、大学から広報支援のお仕事を請け負っていますし、ワークショップとはいえ、現実にも十二分にありうるテーマですね。
クライアント役=鈴木謙介先生に対して、学生の方からいくつか質問をすると、
・ただ受験者を増やすのではなく、入学希望者を増やしたい
・「社会学部」という学部が、高校生には何を学ぶところなのか理解されていない
・できれば学ぶモチベーションの高い学生に入学してほしい
・「入ったら魅力がわかる」というような甘い訴求はWebでは通用しない
といった赤裸々な課題感が示され、ターゲット設定から各チームに任されました。
質問タイムが終わると、さっそくプレゼンのための戦略会議がスタートしました。与えられた時間はわずか35分。そのなかでも、学生のみなさんは活発に議論しながら、スピーディーに準備を進めていました。
いよいよ発表タイム、4チームそれぞれのアイデアは?
そして、ついに発表の時間。持ち時間は4チーム、各4分です。
1つめのチーム(A社)は、ターゲットを「国公立大学から私立大学志望にシフトする狭間にいる子を持つ親」に設定。受験生自身ではなく、大学進学決定権を握る「親」に狙いを向けたところに独自性がありました。
訴求ポイントは「キャリアパスの担保」です。私立への受験シフトを考えはじめた夏場に、関西学院大学に入ったら、名門国公立大学に引けを取らないキャリアの道が開ける、と訴える戦略です。同時に、関西学院大学社会学部における「学べる範囲の広さ」を強みとして伝えます。
2つめのチーム(B社)は、「自分の将来の夢が決まっていない高校2年生」にターゲットを設定しました。自分たち自身が、進路が決まっていないぶん「いろいろな分野を学べる」ことに魅力を感じて入学したらしく、実際にデータでも多くの高校生が「自分の夢が決まっていない」実態が浮き彫りになったそうです。
〈あなたの「好き」を知りたい〉というキャッチコピーのもと、「社会学部」の学べる幅広さを訴求の武器にしつつ、課題としてある「何を学べるかわからない」に対するアンサーに丁寧に答えるLPを考えられていました。
3つめのチーム(C社)は、「一人暮らしをしたい中国・四国・九州地方の高校1年生から2年生」がターゲット。東京には膨大な大学があるため、西日本から関西に呼び込むのが得策だと判断されました。
ポイントは関西の大学における差別化と、社会学部の魅力を発信することです。そのうえで、「興味が出たことを幅広く学べる」「やりたいことが見つかる」「プロフェッショナルな教育がある」ことを軸に訴え、キャッチコピーは〈やりたいこと全部〉。勉強はもちろん、学生生活でやりたいことが叶えられることを表しています。
最後のチーム(D社)は、「西日本出身の国公立を第一志望にする高校3年生」に向けました。関東ブランドに対抗するには、地の利を活かすのが第一と考え、西日本に。そして、滑り止めとして私立大学を受ける国公立大学志望者に狙いを絞ります。
ネームバリューや偏差値で勝負するのではなく、受験生の「不合格になる不安」「第一志望校以外に進学して後悔したくない気持ち」に対し、関西学院大学社会学部なら入学後も選択肢が広がっていて、「やりたいこと」をあとから決められると、前向きに伝えることがLPの主眼です。「社会学部が何を学ぶ学部かわからない」という課題も逆手に取り、「興味のある部分をなんでも学べる」学部で、入学後も「たっぷり1年間、やりたいことを悩む時間が取れる」のだと訴えました。
講評を終え、優勝チームはいかに?
インフォバーン参加メンバーと鈴木先生で話し合い、すぐに講評が行われました。
それぞれのチームの目の付けどころを褒めながらも、うるさいクライアント役=鈴木先生からは、
・親が国立か私立か考えるのには、金銭的な事情などもあるのでは?(インサイトの深堀りの必要)
・「将来が見えていない」ことは、本当にダメなことなのか? 受験生はそれをダメと言われたいのか?(ニーズの深堀りの必要)
・LPは一瞬しか見てもらえない。そのなかで多すぎる情報量は適切なのか?(ユーザー目線を意識する必要)
・逆に、一瞬しか見てもらいにくいとはいえ、「名前を覚えてもらえる」だけのLPでは、コストをかけてつくる意義はあるのか?(コストパフォーマンスを意識する必要)
など、厳しくもためになるお話が出ました。
そして、優勝チームの発表……。ロジック80%、クリエイティブ20%という基準のもと、鈴木先生が選ばれたのは…………
最後に発表したチーム(D社)でした!
優勝チームは1つですが、どのチームもターゲット設定に独自の着眼点があり、ロジックもスムーズで、時間がないにもかかわらず、堂々たるプレゼンでした。
何より、鈴木先生含めゼミのみなさんの仲が本当によく、テキパキと活発に意見を交わし合っている様子を見て、あらためて仕事における「チームワーク」の重要性を感じました。
最後に関西学院大学鈴木謙介ゼミのみなさん、ご参加いただきありがとうございました!
当社はゼミ訪問など歓迎しておりますので、他の大学の方もご興味がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください!
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