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急増した超過死亡と不自然に少ない3回目の接種後死亡


2月より国内死亡数が急増 したことが話題となっています。 コロナ感染死のみでは説明がつきません。

考えられる要因としては、次の4つです。
1.コロナ関連死(コロナ感染後に徐々に衰弱して持病の悪化や老衰で死亡)
2.接種後死亡(ワクチン関連死)
3.医療逼迫死
4.外出や運動の制約による生活習慣病の悪化に伴う死亡

4は通年性要因であり、去年8月(第5波)では今年の2月ほど死亡者は増加していません。 したがって、2月の急増の主因とは考えられません。 1月~2月に起きたイベントに関連して2月の急増が生じたと考えるのが自然です。 1月~2月に起きたイベントは、新型コロナ感染症第6波と高齢者のワクチン接種の2つです。 3は公式データが存在しないため断定はできませんが、マスコミ報道を見た限りでは、ある程度の関与はあるが、主因の可能性は低いと考えられます。 したがって、2月急増の主因は、1または2、あるいは両者と、私は推測します。


まず、接種後死亡のグラフを見てみます。 データは、 ファイザー接種後死亡報告例概要モデルナ接種後死亡報告例概要 を用いています。

グラフを一見して分かることは、3回目の接種後死亡者は1~2回目のそれと比べて非常に少ないということです。 2021年6月~7月は、1回目と2回目の接種後死亡者が重なっていますので、 3回目の接種後死亡者数が1~2回目のそれより少なくなるのは当然です。 ただ、それを考慮しても、3回目の接種後死亡者は不自然に少ないのです。 3回目の接種後死亡者は、1~2回目のそれの半分の約3分の1です。

3回目の接種後死亡者が少ないことは、ワクチンが安全であることを示しているわけではありません。 厚労省は、接種後死亡は偶発的なものと説明してきました。 もし、偶発的なものであるならば、3回目の接種後死亡数は1~2回目のそれと同じくらいになるはずです。 しかし、実際には大きく解離しています。 これは、接種後死亡は偶発的ではないことを示しています。


次に、超過死亡のグラフを見てみます。 データは、 感染研の超過死亡の累積グラフ より取得しています。

超過死亡数よりコロナ死亡数を引いた数値の変動が重要であるため、 (d)と(e)の項目を設定しました。 (d)は超過死亡数上限値よりコロナ死亡数を引いた数値であり、 (e)は超過死亡数下限値よりコロナ死亡数を引いた数値です。

(d)と(e)の値が、2022年2月に急増していることが分かります。 2月はコロナ死亡数も急増しています。 このグラフでは接種後死亡数との関連がよく分かりません。 そのため、接種後死亡数を第2軸として、もう一つグラフを作成してみました。

2022年2月(3回目接種)の接種後死亡数が、2021年4~7月(1~2回目接種)のそれより非常に少ないことが分かります。 一方、(d)と(e)の値は、2022年2月の数値の方が2021年4~7月の数値より多くなっています。 これは、2月の超過死亡の急増では、接種後死亡の関与が小さい可能性を示唆しています。


接種後死亡について更に詳しく分析してみます。 高齢者(65歳以上)の接種率 と接種後死亡数より、月ごとの接種後死亡の発生率を計算してグラフにしました。 高齢者の人口は3640万人としました。 2021年4月~7月の数値は、1回目と2回目の接種後死亡を合計した数値です。 なお、今回の接種後死亡数は65歳以上で再集計しましたので、 以前の分析と とは若干数値が異なります。

以前の分析 で、1~2回目の高齢者の接種の順は、特別養護老人ホーム入所者、一般の高齢者施設入所者、 一般の高齢者の順であったことが確認できました。 3回目の接種券は、 1~2回目の接種の順で郵送 されていますので、3回目接種の順も同様と考えられます。

接種の順は、新型コロナが重症化しやすい順でした。 そして、この順は1~2回目では接種後死亡が発生しやすい順でもありました。 ところが、計算した結果、3回目接種では、この順が全く逆であったことが判明しました。 「新型コロナの重症化率が高い人は、接種後死亡の発生率も高い」という法則が変化した可能性は低いと考えられます。 考えられるのは、担当医の報告率の低下です。 3回目接種での報告率は、1~2回目接種のそれより大幅に低下した可能性があります。

3回目接種での報告率の低下で考えられる要因は次の2つです。
  1.担当医が意図的に報告を減らした。
  2.因果関係の判断が難しい死亡症例が増加した。

1の可能性については判断保留です。2は、具体的には老衰のことです。 小島氏も指摘 していますが、超過死亡急増の主因は老衰の可能性があります。

新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」(宝島社新書) の長尾和宏氏のインタビュー記事より老衰に言及した部分を引用してみます。

私が診ている患者さんのなかでは、接種後1カ月以上経ってから、亡くなった方が2人おられました。 一人は在宅で診ていた100歳の方です。お元気でピンピンしていたんですが、ワクチンを打ってから明らかに元気がなくなって、 ご飯を食べなくなって、衰弱していきました。いわゆる老衰の経過と同じで、老衰を早めたという感じです。
・・中略・・
もうお一人は、どんな経過でしたか。
家族の人も知らない間に打たれていたんです。そこから急に弱って、1カ月半から2カ月後に亡くなりました。
・・中略・・
他にも接種から1、2カ月後に亡くなった人は、私が知っているだけで10人ほどいます。
・・中略・・
臨床的には、ワクチンによるものだと思うんだけど、因果関係を証明しようがないのと、届けたところで賠償もしてくれないので、報告する気になれないんです。

接種後に徐々に弱って老衰で死亡した場合、相当数の症例が、報告されていない可能性があります。

次に、接種後の老衰(担当医記載)による死亡報告において、接種日から死亡日までの日数を確認してみます。

報告は最長で9日後です。 接種後徐々に弱って10日以後に老衰で死亡した場合は、全く報告されていません。 また、担当医が老衰と記載していない場合でも、 徐々に衰弱して老衰に近いかたちで死亡した症例も、全く報告されていないと考えられます。

最後に、2021年の「老衰」の超過死亡のグラフを見てみます。

高齢者のワクチン接種開始以降、「老衰の観測死亡数が予測閾値上限を上回る週」が明らかに増加しています。 ただし、直後に集中して増加したわけでなく、接種後数か月間にわたり増加が持続しています。 つまり、コロナワクチンは接種後に、短期集中ではなく長期にわたって老衰を加速していた可能性があるわけです。

また、この事実は「2022年2月の超過死亡急増を接種後の老衰のみで説明するのは難しい」ことを示しています。 つまり、2月のみに老衰が突出して増加したとは考えにくいのです。 2月の老衰の超過死亡数は約3か月後に公表されます。その発表を待ちたいと思います。

2月の超過死亡急増の主因は、コロナ関連死と接種後死亡の両者と、私は推測します。 コロナ関連死の場合は、感染後に徐々に衰弱して数週間後に老衰や持病の悪化で死亡したため、 コロナ死亡として報告されなかったと考えられます。 接種後死亡の場合も、徐々に衰弱して、接種後10日以降に死亡した時は、 接種後死亡として報告されなかったと考えられます。

現在公表されているデータからは、 コロナ関連死と接種後死亡とで、どちらの割合が多かったのは、はっきりしません。 接種後死亡の方が多かったと考えた場合、接種後の老衰のみで2月の急増を説明することは難しく、 何らかの理由で担当医が報告を控えた可能性を考慮する必要があります。 その場合は、報告を控えた理由が何であるのか今後検証されるべきです。

実態を調べるには、 マイナンバーを用いた検証 が必要と、私は提唱してきました。 ところが、厚労省はそのような検証を実施しそうな雰囲気は全くありません。 民間組織で調べるとすれば、 特別養護老人ホームの死亡発生率の調査 が有用と、私は考えます。 死亡発生率(死亡直前の転院は特養の死亡とする)、死亡と接種の間隔、新型コロナ感染の有無および発症と死亡の間隔を調べれば、 実態に迫ることが可能です。 郵便やFAXを用いて数十施設のデータを収集できれば、それなりの結論が得られると考えられます。 以前にも言及しましたが、今後どこかの大学が、このような調査を実施してくれることを、私は強く期待します。

【まとめ】
・2月の超過死亡急増の原因は、コロナ関連死と接種後死亡と推測される。 どちらの割合が多いかは、はっきりしない。
・3回目の接種後死亡の報告率は1~2回目と比べて大幅に低下した可能性がある。
・ワクチン接種後、数か月にわたり老衰が加速されていた可能性がある。
・超過死亡急増の原因の解明には、特別養護老人ホームの死亡発生率の調査が有用と考えられる。

【補足】
今回の論考で使用している月は、一般的な月とは少し異なります。 具体的には、4月は、4月1日~4月30日ではなく、4月4日~5月1日です。 月の最初の日曜日より始まる週を第1週としています。 これは、 ダッシュボードの累積グラフ において、月の定義がそのようになっているためです。 累積グラフで、月ごとの超過死亡数を取得する方法は、 こちらの解説 を参考にしてください。 なお、4週の月と5週の月があるため、グラフでは5週の月のデータは5分の4に補正してあります。


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