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心平さん生誕119年。今年の拾遺集の話
早いもので、年が明けてからもう間もなく半年が経とうとしています。
そんな本日は5月12日。119年目となる心平さんの誕生日です。
来年120周年なのですね、没後35年でもありますので某所さんでまた企画展やってくださらないかなあ…と淡い期待を抱いております。
さて、そんな記念すべき本日。
せっかくですので今年も目論んでおります拾遺集の発行に向けて、まだ未定ではございますが、収録予定作をご紹介いたします。
やはり心平さんといえば、蛙。
今巻では「詩以外に綴られた心平さんの蛙」をテーマに企画を進めております!
・蛙諸君に就いての言葉
収録:『民謡詩人』第二巻第十号 昭和3/1928 民謡詩人社
以前ご紹介した、心平さん詩集『第百階級』跋文の原形にあたる文章。
詳細はリンク先の記事をご覧ください。
・蛙の名前
収録:『動物文学』第三十七号(昭和十三年一月) 昭13/1938 白日荘
心平さん作中に登場する蛙「るりる」から始まり、他の蛙の名前や、また蛙語についても触れている文章。
詩集『蛙』(昭13,三和書房)に収録された「祈りの歌」という詩の蛙語を引用しており、本文で付された日本語訳以上に深められた意訳が示されている。心平さんが蛙語を綴る際の指標の一端が見える。
・第百階級断想
収録:『民謡詩人』 第二巻第五号 昭和3/1928 民謡詩人社
収録:『詩神』第四巻第五号 昭和3/1928 詩神社
同じタイトルであるものの、それぞれ内容はまったく別。
筆者の日ごろの考えや昨今の文壇への言及、また蛙の話など。
詩神版の最後に「この断想は機会ある度に続けてゆきたいと思ふ。」とあったり、
民謡詩人版が「第十一」というナンバリングから始まったりしているため、
この二編以外にも同タイトルで書かれたものがあると思われる。目下調査中。
・河童と蛙の対話
収録:『日本小説』 八~十一月号 第二巻第七~十号 昭和23/1948(8~11) 日本小説社
河童をこよなく愛した作家・火野葦平氏との連作小説。
それぞれの集落で暮らすある河童と蛙の間で交わされる書簡の体を取り、異文化間の交流を描く。
片方の視点のみでは作品として成立しないため、今回は火野氏の執筆分も併せての収録を予定。
あくまで現状ではありますが、今年の拾遺集は上記のような構成で考えております。
(利用許諾申請などはまだ行っておりませんので、変更となる場合も充分にあります)
全体的な文量では、今のものだと「台湾海峡・動乱」よりかなり少なくなってしまうため、引き続き拾遺作調査を行い、7月中旬あたりまでに確定させたいところ…。
どうぞ、続報をお待ちください。
また、現在いわき市立草野心平記念文学館さんにおきまして、
「草野心平の名前」をテーマとして企画展が開催されております。
心平さんが名付けた、作中の蛙・飼っていた動物たち・自分の店で提供していた料理名に関する資料が集められているほか、聞き及ぶところによると、心平さんが作品を発表する際に使用したことのある別名義に関しても言及があるとか。
こちら会期は6月26日(日)まで。
今の時期ですと、館周辺の駐車場や広場がニホンタンポポで賑わっているころかと思います。気が向かれましたらぜひ訪れてみてください。
当方も6月に観覧予定です!