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【AffinityDesigner2】イラレユーザーが、今すぐ知りたい代替え機能は、何?

Adobe Illustrator(イラレ)とAffinity Designer2は、優れたベクターグラフィックスアプリで使い勝手もよい。しかしながら、両者でお作法や操作感はかなり異なるのも事実。

そうなるとイラレユーザーが、さくっとAffinity Designerを初めて利用するときに、代替え機能は何か?

なぜ、イラレユーザーがAffinity Designer2へ移行したり、自宅用として併用したりする都合の考察は置いておくとして(主にサブスク経費の問題?)。

で、個人的な感触だが、基本的な機能はわかるものの・・・、

実際に使ってみると、お作法が全くわからない部分も多かった。
しかも、機能の所在や、手順がわからなずぎるので大変困ったこともあり、忘れないうちにメモしておく。

それと今回は、Windows版事例なので、Mac版は、ショートカットキーの説明は、CtrlをCommand、AltをOptionに差し替えて把握してほしい。

<Windows版:Illustrator 2024, Affinity Designer2 v.2.5.5>


■代替え作画機能の比較

自分がイラレの作画時に利用する必須機能を主題にして、サブでAffinity Designerの代替え機能をまとめてみた。(※少々見づらいが、noteに表組機能がないのでアウトライン機能で記載)。

このくらい機能把握できれば、イラレ同様、作画できるはず。これを起点にあとは、少しづつ調べていくとよさげ。

◇ツール関係

  • 【イラレ】シェイプ形成ツール

    • 【Affinity Designer2】ツールバー>シェイプビルダーツール

  • 【イラレ】ライブペイントツール

    • 【Affinity Designer2】ツールバー>ベクター塗りつぶしツール

  • 【イラレ】リフレクトツール(反転)

    • 【Affinity Designer2】変形>左右反転、上下反転

      • 起点(中心軸)位置で反転は、未対応っぽい。バウンディングボックスの中心軸で反転してしまう。
        (※イラレのオブジェクトの反転は3つ方法あり。リフレクトツールの指定操作で任意の中心軸で反転可能。アピアランスで、パスの変形>変形で水平方向、中心軸の端を設定して反転可能。またリピート>ミラーで反転する方法もあり)。

  • 【イラレ】ブレンドツール

    • 【Affinity Designer2】無し(未対応)。

◇メニューコマンド系

  • 【イラレ】変形>複製(Ctrl+D)

    • 【Affinity Designer2】編集>選択範囲を複製(Ctrl+J)

      • 移動および、回転複製リピートするときは、まずCtrl+Jで同じ位置に複製して、その複製したオブジェクトを移動、または、回転した後、Ctrl+Jを複数押してでリピート複製するとできる。
        回転に関しては、回転の起点は移動して編集可能。やり方は、上部のオプションバーにある、「変形起点を有効にする」を有効にすると起点(中心点)がキャンバス上に現れるのでこれを移動する。

  • 【イラレ】オブジェクト>分割・拡張

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>境界線を展開

  • 【イラレ】オブジェクト>パス>パスのアウトライン

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>カーブに変換(Ctrl+Enter))

  • 【イラレ】クリッピングマスク(Ctrl+7)

    • 【Affinity Designer2】レイヤーパレットで、マスクしたいレイヤーと重ねるようにDrag & Dropする(※Drag & Dropする位置でマスクになるので注意。レイヤーのサムネイルの位置で重ねる)。

  • 【イラレ】マスク

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>下のレイヤーにマスクを適用

      • マスクしたいレイヤーのサムネイルの位置でDrag & Dropする。

      • 白黒マスク、グレースケールマスク

  • 【イラレ】効果>ワープ

    • 【Affinity Designer2】レイヤーパレット>ワープグループ(パレット下部のツールボタン)

      • メッシュ、クアッド、パースペクティブ、円弧(垂直・水平)、曲げ(垂直・水平)、魚眼、ツイスト。

  • 【イラレ】パスファインダー

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>ジオメトリ(ブール演算)

      • 上部ツールバー>ジオメトリ

        • 追加、型抜き、交差、中窓、除算、複合、カーブを統合、カーブを分離、穴を塗りつぶす、内側のカーブを削除、キーオブジェクトでカーブを切断

        • シェイプビルダーツールを利用する。

  • 【イラレ】パスのオフセット

    • 【Affinity Designer2】輪郭ツール

  • 【イラレ】複合パス>作成/解除

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>複合オブジェクトを作成/解除

      • パス化するには、レイヤー>カーブに変換 を実行。

◇パレット系

  • 【イラレ】シンボルパレット

    • 【Affinity Designer2】シンボルパネル

  • 【イラレ】線パレット

    • 【Affinity Designer2】ツールバーの線設定をクリックして詳細表示

      • 線のプロファイル(線幅強弱)は、プロパティの筆圧設定を変更する。すると線幅強弱が線に適用される。設定したプロファイルは、複数保存可能。

  • 【イラレ】整列、整列パレット

    • 【Affinity Designer2】レイヤー>整列・配置

    • 【Affinity Designer2】ウィンドウ上部ツールバー>整列・配置

      • 左・中央・右・上・上下中央・下揃え・水平方向・垂直方向に等間隔配置、水平方向・垂直に均等配置

  • 【イラレ】グラフィックススタイルパレット(アピアランス設定を登録)

    • 【Affinity Designer2】スタイルパネル

      • エフェクト、塗りつぶし、カラー、およびプロパティ等のスタイルを登録、再利用可能。

  • 【イラレ】アピアランスパレット

    • 【Affinity Designer2】アピアランスパネル

      • 境界線と塗りと画像合成の設定しかない(イラレのようにエフェクト系の管理はなし)。

◇ショートカットキー

  • 【イラレ】バウンティングボックスをリセットする

    • 【Affinity Designer2】選択>選択ボックスを切り替え ( . )

      • リセットではなく、一時的な切り替え(再選択すると元に戻る)。

      • 変更を確定したい場合は、選択>選択ボックス設定(Ctrl+.)を実行。

  • 【イラレ】ショートカットで、線・塗り部分のショートカット系

    • イラレと同じキーアサイン

      • 【Affinity Designer2】線・塗り部分の透明化する。( / )

      • 【Affinity Designer2】線:黒、塗り:白になる。( )

      • 【Affinity Designer2】塗りと線の選択が逆転する。( )

  • 【イラレ】プレビュー表示の切り替え(プレビュー/アウトライン)

    • 【Affinity Designer2】表示>ビューモード>ワイヤーフレーム(Ctrl+Y)

■複合オブジェクトを作成

複数円形オブジェクトで、複合オブジェクトを作成して、輪郭ツールを利用すると下図のような形状も可能。輪郭ツールは、オプションで、ラウンド、マイター、ベベルの3種類が選択適用できる。
関連で、レイヤー>輪郭を展開、レイヤー>カーブに変換 も利用。

複合オブジェクト+輪郭ツールで、
流体感のあるラウンド形状の表現

■背景を透明化

通常キャンバスの背景は白になっているが、透明にも変更可能。
ファイル>ドキュメント設定で、割り当て>透明 を有効にする。

割り当て>透明

■パス上にテキストを配置

一番簡単な、やり方は次の通り。
カーブや図形を選択した状態で、レイヤー>テキストパスに変換 を実行すると、テキスト入力モードになる。あとはテキスト入力するだけ。

一方で、円形カーブ等で、内側にテキストが表示されてしまい、外側に変更したい場合がある。

テキスト配置の位置

解決方法は、ツールバー詳細設定>テキストパスを反転 をクリックする。または、カーブに表示されている赤と緑色の三角ゲージで調整してもよい。

ツールバー詳細設定

パス上にテキストを配置のもう一つの方法は、用意したテキストを入力したい図形やカーブを選択する。次にアーティスティックテキストツールを選択し、カーソルをカーブに近づけていく。するとカーソルアイコンが変更されるタイミングクリックする。
これで、カーブ上にテキストを入力できる状態に遷移する。

アーティスティックテキストツール

選択解除後の次回からは、アーティスティックテキストツールで、このカーブをクリックすることでテキスト入力モードに遷移するようになる(ノードツールの場合は、ダブルクリックでテキスト入力モードに遷移)。

■ミラー編集

通常機能でもミラー反転はできるが、バウンティングボックスの中心軸でしか反転できないので、反転後、位置を調整する必要あり(起点を調整しても無視される)。
位置合わせは手作業で行ってもよいが、微妙な位置ずれが心配なら、下図のように元オブジェクト、反転したオブジェクト含め複数選択し、水平方向に等間隔配置(自動等間隔配置:0mm)を適用すると一回の手間でぴったり位置合わせ出来るので楽ちん。

水平方向に等間隔配置

一方で、シンボル機能を利用するとリアルタイムのミラー編集可能。
なお、中心軸へのシンボル配置は手動。

ミラー編集専用機能はない。イラレのようにミラー編集する方法である、リピート>ミラーやアピアランス>変形>水平反転等の手法は使えない。

ミラー編集

■ノードツール

◇ノードツール

カーブのノード(アンカーポイントのようなもの)を編集するときに利用するツールやコマンド。作図時に多用するので機能を把握しておく。

また、イラレでは、メニューコマンドにあるが、Affinity Designer2は、このツールバー詳細部分に機能がボタン表示されているものがあるので注意。

ノードスール(白い矢印)
ノートツールの詳細(ウィンドウ上部付近)

◇ノードツールの詳細

ノードを変更(シャープ、スムーズ、スマート)。

変換
ポイント上で、マウス右ボタンクリックでメニューを表示

◇アクション

アクション
  • ポイントを2点を選択して、クリックするとその間の中央にノードを1つ追加する。連続クリックで複数ノード追加。

  • カーブを切断:ノードをクリックして、切断する

  • カーブを結合:選択したノード同士を結合する

  • カーブを閉じる:オープンパスをクローズパスに変換

  • カーブをなめらかにする:選択したノードをなめらかにする

  • カーブを反転する:

◇変形

  • 変形モード

  • 起点表示・非表示

  • ドラッグ中に選択を隠す

  • 整列ハンドルを表示

  • カーブボックスモード

変形

◇スナップ

  • 選択したカーブのノードに揃える

  • 選択されたカーブのジオメトリに揃える

  • ドラッグ中に選択したすべてのノードにスナップ

  • スナップオプションを資料してハンドル位置を揃える

  • 作図スナップを実行

スナップ

◇ビュー

ビュー
  • 向きを表示

■Affinity Designer2には無い機能

イラレにはあって、Affinity Designer2には無い機能のまとめ。
(※下記リストは、大雑把に自分が把握したもの)。

  • 3D化/マテリアル

  • 画像トレース(自動トレース)

  • ブレンド(パスに沿って図形を並べる機能含む)

  • 変形>個別に変形(ランダム配置)

  • 各フィルター系(パスの変形系、SVG系・Photoshopフィルター系等)

  • リピート(ラジアル、グリッド、ミラー)

  • 高機能なアピアランス設定

  • 複合パス、複合シェイプ(アピアランスとの連携で非破壊ワークフロー)

  • 日本語の縦書き対応

  • 生成AIベクターグラフィックス

  • 再配色(既存機能、生成AI)

  • イラレ保存形式( ai )ファイルとの互換性無し

  • アクション(作業自動化)

  • パペットワープ

  • Adobe CC Library経由で、対応Adobeアプリとの連携が可能

    • アセット登録してライブラリ化機能あり

  • 変数

  • ・・・etc.

■Affinity Designer2だけある機能

  • イラレには無く、Affinity Designer2だけある機能のまとめ
    (※下記リストは、大雑把に自分が把握したもの)

    • 32bitプレビュー

    • ステート(レイヤー管理。Photoshopのレイヤーカンプのような)

    • ビットマップペルソナで、ビットマップペイントを管理

    • スナップショット(編集状態を任意で記録)

    • 履歴(自動編集履歴、履歴から編集を巻き戻すことも可能)

    • 等角投影(アイソメトリックアート編集に便利)

    • 制約(UIコンポーネントの作成時に便利。Figmaでは標準機能)

    • アセット(選択したオブジェクトを登録してライブラリ化したもの)

      • 作成・登録したオブジェクトの再利用がとても楽ちん。

      • カテゴリ作成可能、メニューコマンド・Drag & Dropで登録可能

        • カテゴリをリンク を設定しておけば、他のAffinityアプリで利用可能になる。便利。

    • ストック(Pexels, Pixabayで検索、素材画像をダウンロード可能)
      ※Pixabayは、ビットマップ素材以外に、ベクター素材あり

    • Affinityアプリ間で連携して、シームレス編集が可能
      ※特にDTPをする際は、Affinity Publisherをハブにして編集すると効率的。PhotoとDesinerでシームレスに切り替え編集が可能

    • ・・・etc.

以上。

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