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正義感に似たアレ

10月2日の会見でジャニーズ事務所は社名の変更と、将来的に廃業するとまで発表。また、会見中の一部の記者による目に余る言動がSNSで叩かれるなどした。もっと騒動を楽しみたい人たちがあれこれ言うだろうが、これ以上は死者を鞭打つ悪者になる。事態は沈静化に向かうのだろう。

消えゆく企業の社名変更にたいした意味があるとは思えないが、これに満足する人たちも少なくなさそうだ。ジャニーさんの名前を見るだけで気分が悪くなる被害者と、そんな被害者の気持ちを代弁していた人たちである。

他人のために怒る。日本人はこういうのが好きなのだと思う。僕も好きだ。ただ、この感情が危ういものだと今回の騒動は気付かせてくれた。

完全に想像だが、社名変更を望む被害者の数よりも、おそらく被害者の気持ちを勝手に想像して社名変更を望んでいた外野の数のほうが多い。そして、その圧力に屈する形で社名変更が決められた。

結果オーライだと感じる被害者もいるだろう。一方で、世論に流されたように見えるこの結果に誠意が感じられないと考える被害者もいるのではないか。そもそも代弁されること自体を快く思っていない被害者だっているはずだ。

自分以外の誰かのために。その思いやりの心が当事者の気持ちを蔑ろにしている可能性がある。