期待と信頼
↑前回のつづき
銀の弾丸を持つカリスマが求められている。求められているから応えようとする。応えようとするから期待される。
期待はプラスに働くこともあればマイナスに働くこともある。「君はやれば出来る子だ!」と期待されて実際に伸びる子はもともと伸びしろがあったのだ。その上で成長の階段を見つけて足を踏み外さずに登れた幸運なケースに過ぎない。
過度な期待を背負わされたり、今はまだ成長のタイミングではなかったりする可能性は大いにあり得る。で、そういう子はある選択を迫られることになる。
敗北を認めるか否か。
期待とはつまり勝利条件だ。期待に応えることは勝利、応えられなければ敗北を意味する。期待するという行為は暗にその対象を戦いの場に駆り立てている。
期待が推進力になっているうちはいい。一人では越えられなかった壁も背中を押されれば克服できるかもしれない。しかし、それでも越えられない壁はある。
無理なものは無理なので白旗をあげるしかなさそうが、期待を裏切ったらどうなるのかわからないのである。居場所を奪われたり、罵倒されたりしないだろうか。
敗北を認めるには期待してくれた相手に対する信頼が必要になる。その信頼がなくて壁も越えられないなら失敗を隠すか、誤魔化すか、逆ギレすることになる。
↓次回につづく